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猫はなぜ、人間にしか『ニャー』と鳴かないの?

2020.08.12

猫はなぜ、人間にしか『ニャー』と鳴かないのか?

誰かに「猫の真似して」と言うと、大体「ニャー」と返ってくる。
そう、猫は「ニャー」と鳴く。だから真似をするなら「ニャー」と言うのが一番だ。

ただ、たしかに猫はそうやって鳴くが、人間にあまり干渉されていない場合は「ニャー」を言わない。
猫たちは、基本的に人間にしか「ニャー」と話しかけないのだ。

猫が「ニャー」と話しかけるのは人間だけ

鳴き声を上げる仔猫

猫という動物は見た目も最高だが声も可愛い。その鳴き声を聞くのはとても嬉しいことだし、癒されるものだ。
しかしその「ニャー」という声掛け自体は、あくまでも人間に対してしか行わない。

猫同士が「ニャー」の掛け合いをしているなんて光景は、せいぜい子猫が親を呼ぶときとか、猫同士が一触即発の状況に差し迫っているときだけだ。
しかも後者の場合、「ニャー」と言うよりも「アオオオオウ」とか「フシャー!」なので、厳密には除外しても構わない。

なぜ猫たちは、人間にだけ「ニャー」と言うのか。
理由はこれ、とっても簡単。猫が自分たちほど勘も良くはない人間に対して、自分の意図を伝えるための意思表示をしているからである。
猫が人と暮らすようになり、もう1万年近く経過する。
その間に猫たちは人をまさしく顎で使うかのように、声でいろんな要求をしていったのだ。

お腹が空いたら鳴くし、遊んで欲しいときも鳴く。
これらはあくまでも、自分たちの世話をしてくれる可能性のある人間にしかしないものだ。

飼い主にしか懐かない猫は、当然飼い主にしか「ニャー」と呼びかけない。
一方で、野良猫であっても「ニャー」と積極的に話しかける猫もある。
このような個体は大抵餌付けされていて、人間を見るとご飯をもらえると学んでいるという傾向が強い。

餌付けもせず、干渉もしなければ、当然猫も人に対して要求はしない。

よく話しかける猫の主張、訴えを理解する努力をしよう!

口を開けているキジ白猫

我が家には現在3頭の猫がいる。
1頭だけ独り言が多い個体がいるが、その猫も他の猫に無言でちょっかいを出すことはあっても、「ニャー」と呼びかけることはない。
そんなことしなくても、恐らくコミュニケーションが適っているということなんだろう。

だから、猫たちがそれぞれ同じ部屋にいるときを観察しても、こちらに用がない以上は一言も鳴かない。

反対に、そんな彼らが鳴き声を上げるということは何らかの要請をしているということになる。
食事、遊び、トイレの掃除の要求などなどバリエーションはさまざまで、要求によって声色も猫ごとに異なる。

飼い主としてはそれらの鳴き声をしっかり聞き分けてあげたいという気持ちになるわけだが、何年も一緒にいれば、その辺はだんだん判別ができるようになるのが面白い。

一旦猫の要求を理解できるようになると、俄然一緒の生活が面白くなる。
言葉は通じないが、鳴き声の微妙な加減で会話ができるようになるわけなので、一種の会話も楽しめるようになるというわけだ。

おわりに

舌を出すシャムネコ

ここでもう一度、話を表題の疑問に戻そう。
何故猫は、人間にしか「ニャー」と話しかけないのか。

ここまで説明したとおり、やっぱり猫は自分の要求を、勘の鈍い人間に伝えるために努力してきた結果なんだろう。
「こいつ、全然俺のしてほしいことをやってくれないな」という葛藤やモヤモヤが、「ニャー」として発露しているってことなんだろう(笑)。

人に話しかける必要性が、猫にとってはしっかりあるから鳴く。
賢い動物である、

文/松本ミゾレ

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