テレワーク終了の悲報!愛犬にストレスをかけないためにできることはある?
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日本でも出社せずにリモートで仕事をするテレワークが推奨されました。
飼い主が日中も自宅にいる…それは、普段ひとりでお留守番していたペットたちにとっては一大事!嬉しさのあまり仕事の邪魔をする猫たちの「ネコハラ」動画が話題になったりしましたが、歓喜したのはもちろん犬たちも同じでした。
ところが、2020年6月現在、緊急事態宣言の解除により通常出社に戻る会社も徐々に増えてきています。
突然のテレワーク開始からテレワーク終了は、とりわけ飼い主さんのことが大好きな犬だからこそ大きなストレスになってしまうことがあるのです。
テレワーク開始!喜ぶ飼い主さんと愛犬たち
「自宅で犬を眺めながら仕事ができる」「一緒に昼寝ができる」「通勤時間が無くなる分犬と遊ぶ時間が増える」…など、愛犬家にとって嬉しいことが多いテレワーク。
犬たちにとってもそれは同じで、一緒にいたい・遊びたいの気持ちをテレワーク前よりもストレートに出してくるようになった子も多いかと思います。
頻繁にかまってあげられるし、犬にも人にも「良いことだらけ」のような気がしてしまうテレワークですが、実はこれがちょっと落とし穴なんです!
テレワークは犬のストレスになる?
まず、テレワークがスタートした直後は、今までいなかった飼い主さんが突然ずっと家にいることになります。そのため、愛犬が興奮してはしゃぎすぎてしまうことに注意が必要だといいます。
飼い主さんが大好きな犬たちは、遊んでほしい気持ちが先行してしまい普段ならお昼寝をしていた時間まで活動してしまうことがあるからです。
一緒にいるのが嬉しすぎて眠れないなんてなんともいじらしくて可愛らしいのですが…
睡眠不足はストレスや免疫力低下に繋がるので犬にとって良いことではありませんよね!おねだりに弱い飼い主さんはついおやつやご飯をあげすぎてしまうのにも要注意です。
テレワーク中の甘やかしすぎは時限爆弾!
また、テレワーク中はできるだけテレワークが終了して元の生活に戻ったときのことを考えて犬と接する必要があると、特に海外の専門家や科学者は警鐘を鳴らしています。
「家族と過ごす質の高い時間の過多により、犬は過剰依存の巨大な貯水池を築いています」と動物心理学の専門家であるロジャー・マグフォードはタイムズ紙に語っています。エリザベス女王のコーギーを訓練することで知られているマグフォードは、甘やかされた犬は「ママとパパが突然仕事に戻り、子供たちが学校に戻ったときに苦しむ可能性がある」と付け加えています。
出典:Dogs could get extreme separation anxiety when quarantine ends, experts say|NEW YORK POST
NEW YORK POSTによると、飼い主と常に一緒にいるのが犬のルーティーンになると、いざアフターコロナで日常生活が戻った時に過度のストレスにさらされてしまうのだということ。海外の専門家の間ではこれを「間違った安心感」「時限爆弾」などと呼び、ロックダウン解除後の懸念点のひとつとなっているそう。
実際、緊急事態宣言が解除された後、日本でも企業のテレワーク実施率は減少しています。
3/9~3/15 | 4/10~4/12 ※7都道府県の緊急事態宣言後 |
5/29~6/2 ※緊急事態宣言解除後 |
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テレワーク実施者 | 13.2% | 27.9% | 25.7% |
テレワーク非実施者 | 86.0% | 70.3% | 72.3% |
業務自体が無い | 0.8% | 1.7% | 2.0% |
出典:緊急事態宣言解除後のテレワークの実態について調査結果を発表 テレワーク実施率は全国平均で25.7%。4月に比べて2.2ポイント減少|パーソルHDのプレスリリース
人材・経営のソリューション企業であるパーソル総合研究所のアンケート調査によると、6月に入ってテレワークが終わり通勤が再開した社会人が増えているということがわかります。
考えてみてください。コロナの自粛期間中、昼も夜も一緒にいて四六時中かまってくれていた飼い主さんがまた突然半日近くも自分の元からいなくなってしまう犬たちの気持ちを…!
きっと、理由のわからない恐怖や不安でいっぱいになってしまうのではないでしょうか。
これは愛犬家にとってはものすごく難しいことかもしれませんが、今はテレワークで一日中家にいられるとしても、「かまいすぎない・甘やかしすぎない」のも大切なんです。
テレワーク終了後、愛犬を不安にさせないために
筆者の友人に、真っ白でもこもこの毛並みが可愛い「ギンちゃん」という愛犬と暮らしている子がいます。ギンちゃんは、独りぼっちが怖い分離不安症を抱えています。
犬の分離不安とは?
飼い主と離れることに過度な不安を覚え、ストレスで精神・肉体に不調をきたしてしまうこと。大きな声で吠える、粗相をする、部屋を荒らす、下痢、嘔吐、自傷行為、食糞など、犬によって症状は異なる。 |
友人の家は3人暮らしで、3人とも働いているため、以前は少なからず家に人間がいない時間もあったといいます。
しかし、新型コロナウイルスによる自粛生活がスタートしてから友人はテレワークになり、家に人がいない時間はぐっと減りました。もちろん、ギンちゃんはこれを心から喜んでいました。
もともと甘えん坊で人が離れることを極端に嫌っていたギンちゃんですが、テレワーク開始からさらにその傾向は強まったといいます。お母さんのことが大好きなギンちゃんは、お母さんの姿が見えなくなると途端に不安になり、代わりに友人の傍を片時も離れなくなるのだとか。
滅多にないそうですが、近所への買い物など家族全員が外出してしまうと、たとえほんの少しの時間でも遠吠えをして必死のアピールをするらしいのです。(ちなみに、友人の家には室内飼いのネコチャンも同居していますが人間の姿がないとダメなのだそう)
現在はまだテレワークが続いている友人ですが、今から出社再開後のギンちゃんのことが心配だと漏らしていました。
テレワーク終了後、再びお留守番生活がはじまる愛犬を不安にさせないために、今飼い主にできることはあるのでしょうか?
犬が一人でいることに慣れている場合は、日中は犬をそのままにしておくようにし、対処能力を「失わないように」してください。
出典:Dogs Trust issues advice to prevent separation anxiety “ticking time bomb”|Dogs Trust
イギリス最大の動物保護団体Dogs Trustでは、意識して犬と離れる時間を作ることが必要だとアドバイスしてます。
大切なのは、できる限り愛犬にとってのルーティーンを保ってあげること。散歩やご飯はテレワーク前と変わらない時間にする、仕事に集中したいときは愛犬と部屋を分ける、ひとり遊びをさせておく、など。
ついつい一緒に行動したくなってしまう気持ちはわかりますが、生活必需品など買い出しの際には自分1人で出かけてあえて愛犬をお留守番させるのも有効だとか。
1日のうち数時間でも、少しずつでも離れる時間を増やしながらアフターコロナに備えることが重要なのだということです。
飼い犬を可愛がっている人ほど傍にいれば撫でてやりたいし、手が空いている時間はできるだけ遊んでやりたくなってしまうもの。
これから先もずっと同じ生活を続けられるなら別ですが…
テレワークが終わり、日常が戻ったときの愛犬の心の平穏のためには、離れる時間も必要なのだということをどうか心に留めておいてください。
それに、あんまり四六時中愛犬と一緒にいることに慣れてしまうと、離れるのが辛くなってしまうのは人間の方も同じなのでは?コロナが収束して出歩けるようになった途端、犬も人も寂しくてストレスを感じる生活になるなんてもったいなさすぎますよね!
ただ、愛犬の体調や気分の変化にこれまで以上に気がつくことができるのは、一緒にいる時間が長い今だからこそ。今のうちにお気に入りのおもちゃや寝床の好みを徹底的に探ったり、自分がいない時間も楽しめるように身の回りを充実させておいてあげるのも愛ですよ!
文/黒岩ヨシコ
参考サイト
Don’t over-indulge your dogs while you self-isolate, scientists warn|BBC Science Focus Magazine
Dogs could get extreme separation anxiety when quarantine ends, experts say|NEW YORK POST
Dogs Trust issues advice to prevent separation anxiety “ticking time bomb”|Dogs Trust
テレワークの難敵はペットという声 猫さまに抗えないけれど思いがけない落とし穴も?|Yahoo!ニュース