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猫にとっての真夏の気温レッドラインは何度なのか?知っておきたい危険水域

2020.06.22

猫にとっての真夏の気温レッドラインは何度なのか?知っておきたい危険水域

毎年、日本の夏はペットの動物たちにとっては過酷な状況を招くもの。
犬や猫たちにとって、高温多湿な真夏というのは被毛に覆われている彼らの体力を暑さと湿気でじわじわ削っていく。

幸いにも室内環境だけに目を向ければ、エアコンを設置さえしていれば気温も湿度もある程度は理想の数字に落ち着かせることはできる。

しかし、しばしばエアコンを使うのがもったいないのか、扇風機で粘っている飼い主さんを見ることもある。
逆にエアコンをフル活用してしまい、猫が寒さに震えてしまっているというケースも散見されるところだ。

今回は、夏場の猫たちが快適に過ごせる気温・湿度について。
そして猫にとっては適切でない気温と環境について説明をしていきたい。
あわせて、そういう適切でない環境での生活を強いられる、飼い主のいない猫たちの実情についても、僕が知っている限りの話もしていく所存である。

夏場に限らず単純な高気温には割と強い!それが猫

夏の窓辺にいる少年と猫

猫というのは、ご存知の方も多いように単純な高気温にはある程度の耐性がある動物だ。
元々紀元前からエジプトでも愛玩されていたように、イエネコという品種は気温が高い環境でもそれなりにやり過ごすぐらいの強さを持った動物。

ただし、それでも無敵と呼べるほど暑さに強いわけでもない。
実際、健康面に影響をおよぼさない気温となるとせいぜい30度未満ぐらいまで。レッドラインとなる数字は、別に人間と比べてもそこまで高くはないのだ。

室内では28度前後と、人間がエアコンで温度設定するには少しだけ暑く感じる程度。
そのあたりが夏場の猫にとっての適切な気温という形になる。
このように猫は、人間よりも少しだけ“気温の高い状況”にも強いというだけで、本来はか弱い動物であることは忘れないでおきたい。
しかも日本の場合、夏場は気温も高けりゃ多湿でもある。

この湿度が猫にとっては大きな障害になってしまう。

日本の夏は気温よりも湿度が猫にとっては問題…

ソファの背もたれにぶら下がる猫

猫という動物は、高気温にはある程度我慢できても、湿度にはあまり強くない。
ジメジメとした暑い環境では、どうにも体調を悪くしてしまうことが多いのだ。

猫と暮らしている方の多くが、室内に湿度計を置いているはず。
湿度の目安は猫を飼う上で常々意識しておきたいものであるが、具体的に猫が不快感をおぼえない湿度の上限はせいぜい60%ぐらい。
この60%って数字は、エアコンをドライ設定で常に動かしておいて、やっと夏場にもキープできるようなレベルである。

ちょっとでも油断すると、湿度80%とかになっちゃってるなんてことは、日本の夏ではよくあること。
エアコンの冷房運転だと、たとえ室温を25度設定にしていても湿度がなかなか下がらない。これでは猫にとっては肌寒いし湿気は多いしで辛い環境だ。

そういう状況を招かないためには、やはりエアコンはドライ設定で、28度にしておくこと。
これなら飼い主は少し暑い思いをするが、猫にとっては適した気温になるし、湿度も50~60%あたりに落ち着かせることも難しくない。

猫のためにも、夏場は屋外の気温を感じさせない生活をさせよう!

ところで、ご存知のとおり日本の夏は本当に地獄のような蒸し暑さを招く。
ほとんど亜熱帯のような気候になってしまう地域もあるほどで、屋外では40度近くの気温を記録する場合もしばしばだ。

当然、そういう気候を飼い猫に経験させると、夏バテや熱中症でダウンさせてしまうというリスクを高めてしまう。

こういうことを招かないためには、やっぱり室内で安定した気温と湿度を提供すること。
これしかないだろう。
僕は猫の飼育については一貫して室内だけで完結する状態を推奨しているが、その理由の中には「夏場に高気温に飼い猫を晒すことは飼い主としても心配だから」もある。

実際、屋外で夏場に暑さで息も絶え絶えな個体を見た事もある。
そういう猫を見てきたため、「たかが夏、たかが高温多湿」と侮ることはできない立場だ……。

真夏の野良猫、地域猫の気温対策の実例

夏のコンクリートで休む猫

僕は地域猫の暮らしている公園に出入りして猫たちの様子を観察するという趣味を持っているんだけど、夏場に屋外で暮らす猫たちは本当にしんどい思いをしていることがよく理解できる。

木陰に横たわり、暑くて暑くて眠れもしないので、ずっと薄目を開けて日暮れを待っている猫。
水辺まで出向き、水を飲んで体の熱を少しでも下げようとする猫。
投薬治療が必須だけど、暑さで食欲も沸かずにボランティアさんによって動物病院に搬送されてしまう猫。

本当に夏場は、屋外で暮らす猫も体調を悪くしがちなのだ。

まして誰からもサポートを受けることのない野良猫となると、もっとしんどい思いをしているだろう。
人間ですらダウンしてしまうぐらい暑い日本の夏だ。野良猫たちはそもそも栄養状態も悪いので、余計にその気温の高さと湿度が体に堪えるはずである。

彼らができる気温と湿度への対策なんて、木陰にこもるか、水を飲むか。それぐらいしかない。
かなり過酷な日々を送っている。

おわりに…

夏に限らず、気温に影響を受けない飼育法で猫を労わろう
猫を日本の夏の気温の高さから守るには、やっぱりエアコンの活用が欠かせない。
これがないと、そもそも安心して暮らしてもらうという基本的な前提すら崩れると僕は考えている。

現代日本で猫に安全かつ快適な生活を送ってもらうには、しっかりと気温と湿度を管理した環境を用意してあげるほかない。

外の過酷な環境とは別次元の素晴らしい飼育環境を以て、飼い猫を大切に労わって飼育していきたいものだ。

文/松本ミゾレ

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