猫の不思議 vol.2
ふと猫の耳を触った時、「熱い!」と感じ、これは病気なのでは?と思ったことがある人もいるでしょう。今回は猫の耳が熱い理由を探っていきたいと思います。
猫の体温は人と違うの?
人の平均体温は36.6度~37.2度ほど。それに対して猫の平均体温は約38度で、人より体温が高いため、猫が足や膝の上に寝ると湯たんぽのように温かく感じます。
その中でも猫の耳は、他の部分のように毛や脂肪が無く、薄く、周りの環境に影響を受けやすい部分になります。ですので、周りが温かい場合は、血管が広がり熱を放出しようとします。逆に寒い時期は、血管が収縮して熱の放出を抑えようとします。
シャム猫の色の違いを見ればわかりやすいかもしれません。シャム猫は生まれたときは白い毛色をしています。しかし、この猫は温度の影響を受ける「サイアミーズ遺伝子」を持っており、この遺伝子は温度によって毛色を変化させます。シャム猫のほとんどが鼻、耳、しっぽが成長するにつれて黒くなるのは、この遺伝子の為と言われ、体温の高いところは白、毛が少なく外気の影響をうけやすいところは黒になると言われています。
暖かい耳は病気?
先ほども述べた通り、猫は人よりも平熱が高いため、人が猫の耳を触った時に熱く感じても、それは病気というわけではありません。
ただし、通常の耳の温かさより熱く感じるときや、ハァハァと口呼吸をしているようでしたら注意が必要です。また、熱が下がりすぎるのも病気の可能性があるので注意してください。猫はルーティーンで動く生き物です。いつもより食べる量が少ないやトイレの量が少ないなど、普段の行動と合わせて体温を日ごろから見ておく必要があります。
通常より耳が熱い場合は?
ウィルス感染をすると熱が出て、耳が異常に熱くなることがあります。また、耳が熱い理由は熱だけでなく、耳の病気の可能性もあります。最も多い耳の病気は外耳炎もしくは耳の感染症で、感染症は耳ダニやカビが原因となることがあります。感染症の場合、耳が熱くなる理由は、痒いため必要以上に掻いたり、こすったりしていることも考えられます。また、耳の感染症は、耳の温度が上がる以外にも、耳の中が黒くなったり、匂いが出たりします。
耳が熱いからといって過剰に反応する必要はありません
猫の耳は優れた機能を持っています。薄いながら筋肉もあり、前や後ろや機敏に動き、耳で感情を表し、環境によって冷たくも熱くもなるので、猫の耳が熱いからと言って過剰に心配する必要はありません。ただし、耳だけでなく、食事やトイレ、猫から放たれる匂いなど総合的に診て、「いつもと違う」部分が多い場合は、獣医に相談したほうがよいでしょう。
参考
Why are My Cat’s Ears Hot? [Catster]
文/舟津カナ