猫をリードに繋いで散歩することに大反対したい。
犬を飼う場合、必須なのが毎日のお散歩。犬は運動量も多い生き物だし、ずっと家に縛り付けておくとストレスも抱えてしまう。ストレスを抱えれば無駄吠えなどをしてしまうので、周囲にも迷惑をかけてしまう。犬にとってお散歩は欠かせない。
では、猫の場合はどうか。
極論になるが、猫は散歩に連れ出す必要はない。僕が猫を飼育していて散歩をさせる必要性に遭遇したことはないし、猫をお散歩させる飼い主さんはたまに見かける程度で、基本的にはそういうことはさせる風潮にもない。
それに、猫を散歩させるってのは人間が考えている以上にリスキーだ。今回は、この点について詳しく説明していきたい。
最初に書いておくけど、僕ならあんな恐ろしいことはできない。
猫を散歩させるなんて…もしものときにパニックになるのが猫!
ここのところ、愛護センターの動物たちの収容情報を見ていると、首輪にリードを付けているまま収容されている猫が目に付くことがある。
リードを付けているということは、おそらく散歩中の逸走ということになるはず。
そして実際、SNSなんかを見てみると「お散歩中に逃げ出して…」という感じで迷子になった猫の情報提供を求めるアカウントを見ることもある。
猫に散歩をさせるというのは、こういうリスクが伴っているということだ。だけど人間、自分のやっていることで失敗がないとどうしても安心してしまうもの。
人によっては「毎日猫にリードを付けて屋外を散歩させているけど、何にも問題ないよ」と考える場合もあるだろう。でもその安心って、気付かないうちに“慢心”になってないだろうか?
猫は犬と違って三次元的な動きをする動物。横軸に走ることもあるし、縦軸に飛び上がってしまうこともある。そして猫は急な環境の変化でパニックを起こす。
たとえ通い慣れた散歩道であっても、突然後ろからバイクが走ってきただけで身を硬直させる猫もいるし、たまらず猛ダッシュする猫もいる。
僕も猫をリードにつないで散歩させる人を見ることがあるけど、やっぱり突然の騒音なんかですぐにパニックになって暴れるのが猫だ。おっかなくて見てられない。平気なのは飼い主だけだ。
散歩中に騒音でパニクってる猫を見るのはつらい。
飼い主さんは無頓着っぽいけど、あれは相当なストレスになっているはず。実際リードを持つ手を振り切ってでも逃げちゃう猫がいるのがその証拠だ。
筆者は猫の散歩は反対!でもどうしてもしたいなら、せめてこれをやってくれ!
前述のとおり、猫を屋外で散歩させるという行為はリスクが大きい。ここまでの論調で分かる通り、僕は明確に猫を散歩させることには反対だ。
リード1本程度では絶対に、アクシデントはいずれ起きると思うべきなのだ。
でも、批判ばかりでは芸がないので、どうしても飼い猫を散歩させたいというのであれば、せめてこれぐらいはすべき、という方針についてはアドバイスしたい。まず、リードぐらいで猫が御せると思うのは間違いと認識しよう。
リードに加えて、猫の胴体にハーネスを装備させておくべきだ。
つまりこの時点で飼い主の手元には、リードとハーネス、この2つとつながっている2本のヒモが握られることとなる。
これぐらいやれば、まあそうそう逸走を許すことはない。しかし、まだこれでも不安だ。
僕はそのうえでさらに、猫をキャリーに入れることでやっと安心して外出できるものだと主張したい。
「それでは散歩にならない」という声が出るかもしれないが、それを言われたら「そもそも猫は犬じゃない」と返すほかない。
猫については家の中でも十分ストレスを与えずに運動をさせることは可能だし、飼い主の努力と少しの出費でそれは可能になる。
元から散歩させる必要も薄いので、家でのんびりさせてあげるほうが安全でリスクもないのだ。
おわりに
これはもう、毎回思うことなんだけども、猫の散歩ってメリットがほとんどない。猫の気分転換のために散歩をさせてるという方もいるけど、猫の気分転換は室内で代替することができるものばかりだし、外はやっぱり危ない。
細いリードで外出させている飼い主さんを見ると、本当にひやひやするし、実際脱走を許している飼い主さんもいるのが事実。
「自分は脱走させないし、うまくやる」と考えてる飼い主さんもいるかもしれないけど、脱走されちゃった飼い主さんもみんな、そういうことを考えていたはずなのだ。
それでも猫は時にリードを振り切って散歩中に遁走する。
そういう動物なんだから、愛猫との100%安全なお散歩ライフという幻想に、あまりこだわらないほうがいい。
猫を散歩させたことでアクシデントが起きて後悔してしまう飼い主さんなんて、僕も見たくないし……。
文/松本ミゾレ