「柴犬」の名前の由来は“小さい”から?
日本原産の犬種で、世界的に見ても人気の高い柴犬。
成長してもさほど大きくならず、ギリギリ小型犬に分類さている柴犬の魅力は山ほどある。
日本の温暖で湿気の高い環境にも適応し、飼い主にはよく懐くがよそ者には警戒する。
そういった性質が古くから日本人にも歓迎されてきたところだが、今では飼い方をよく心得たヨーロッパの人たちにも愛されるようになった。
そんな柴犬には、名前の由来とされるものがいくつかある。
今回はちょっと、ここに焦点を当てていきたい。
柴=小さい!柴犬は小さいから柴犬なのだ!
まずは、柴犬の名前の由来についてもっとも有名な説から挙げてみよう。
ずばり柴犬の「柴」は、古くは「小さい」という意味で用いられたもので、体高の低い柴犬は小さい犬とみなされて「柴犬」と呼ばれるようになったというのである。
現代では古い言葉の大半は文字通りの死語になっているが、ちょうど手元にある古語辞典をめくってみると、たしかに「柴」という項目に、小さいものを示すという意味合いが記載されている。
柴犬は、小さい犬だから柴犬。
単純なネーミングだけど、まあ納得できる説ではないか。
柴藪をかき分けて進むから柴犬なのだ!
また、古来から人は猟をするにも犬を活用してきた。
柴犬は飼い主に従順なので、体は小さいが猟犬にできないこともなかった(今はさすがにそんな柴犬見ないけど)。
それで、昔の人は柴藪をずんずんかき分けて走り、猟の手助けをする姿を見て「柴犬だ」と名付けたという説もある。
これまた単純なネーミングセンスのような気がするけど、まあない話ではないのかもしれない。
毛色が枯れた柴に似ているから柴犬なのだ!
そして最後の由来とされている説だ。
ずばり柴犬のその体の色。毛色の赤っぽさが枯れた柴に似ているから柴犬と名付けられたという話もある。
個人的にはこれが一番すっきりするように思える話だけど、みなさんはどう感じるだろうか。
今はそう見かけなくなったけど、柴犬の基本的な毛色の個体を指して「赤犬」と呼ぶ高齢者って、僕が子供の頃は結構いた。
そしてそういう爺さん婆さんって、枯れ藪なんかを見ては「赤い」と言っていた。
僕からすると「赤くはないだろ」って感じがしたけど、「そんなこと言ったら青信号だって緑だし、深くは突っ込まないでおこう」と子供心に思ったもんだ。
おわりに
可愛い可愛い柴犬。
そのネーミングの由来について3つほど紹介したんだけど、正直今となってはあんまり気にすることはない。
どの由来もこの時代ではピンと来ないものだし、それらの出自をそれぞれ追ってみても、一時ソースがなかなか出てこない。
細かいことは気にせずとも、今そこにいる柴犬が可愛いのだから、それで良いのだ。
ちなみに先日、散歩中に黒柴に遭遇して思いっきり唸られた。
唸り顔すらも可愛いんだから、柴犬は最高である。
文/松本ミゾレ