飼い主なら知るべき。猫アレルギーは犬にはないの?
猫はかわいいですが、猫が近くにくるだけでくしゃみや痒みが出てしまう猫アレルギーの人も多く、「かわいいけど飼えない」という悩みを持つ人もいるでしょう。しかし、猫アレルギーは人間のみなのでしょうか?近年は猫と犬を一緒に飼っている家庭も増えてきていますが、犬には猫アレルギーは起こるのでしょうか?
あなたの犬は大丈夫?
結論から言えば、稀ですが猫アレルギーを持つ犬もいるとのこと。アメリカのエリザベス博士がコーネル大学の獣医学部で猫のフケに対して、犬に血液検査をしたところ、彼女の患者の犬の20匹に1匹がアレルギーに陽性反応があったと言います。犬の猫アレルギーの症状は、他の食べ物やノミアレルギーと同様、皮膚の痒みや赤みなどの症状がみられ、ときに咳やくしゃみなど呼吸器系の症状がでる犬もいるとのことですが、人間ほど猫アレルギーの症状がでるわけではなく、非常に稀なケースだと言います。
猫アレルギーにはどのように対応するのよいの?
犬に限らず動物が持つアレルギーを根本的に治す方法はありませんが、アレルギーによって起こる症状が、たとえば皮膚の痒みの場合はステロイドなどの塗り薬、眼に症状がでれば目薬などがあります。ただし、ステロイドは長期利用すると副作用の恐れがあるため、皮下注射など体に負担がかかりにくい治療方法がおすすめとのことです。
家で予防する方法はある?
猫アレルギーを出にくくする方法はいくつかあります。たとえば、皮膚のバリア力を高めために、EPAなどのサプリメントを利用したり、週に数回シャンプーをして皮膚および毛からアレルゲンを除去する方法もあります。ただし、犬種や症状により予防方法は異なるので、かかりつけの獣医にまず相談するのがよいでしょう。また、猫アレルギーと判断された場合、一緒に飼っている猫をお風呂に入れたり、湿った布で拭き清潔に保つことも予防に役立ちます。
アレルギーは遺伝的要因で決まることが多いですが、最近の研究ではそうとも言えない部分もあるとのこと。アメリカのフォーク医師は「以前は猫がいる家庭で育った子供は、猫アレルギーになりやすいといわれていましたが、それは間違いで反対に、猫がいる家庭で育ったほうが猫アレルギーになりにくいということを発見。そのことを踏まえると犬も同様、猫と一緒に暮らすほうがアレルギーになりにくいのではないか」と言い意見もあります。
アレルギー症状は6か月から3歳ぐらいの若い時期に発症しやすいと言われています。猫と一緒に犬を飼っている家庭で、犬のアレルギー原因がわからない場合は、一度猫アレルギーではないか獣医に相談してみるのがよいでしょう。
参考
Can a Dog Be Allergic to Cats? [PETMD]
文/舟津カナ