猫を追いかける犬。仲良くさせるための裏技
犬と猫は違う習性を持っていますが、幼少期から一緒に過ごさせていれば種の違いを気にすることなく仲良くしてくれやすいもの。しかし、成犬や成猫になってから新しい子を迎え入れると上手く関係が築けないこともあります。
今回は猫が犬にいじめられてしまっている場合の対処法を解説。愛犬や愛猫の性格を踏まえながら、参考にしてみてください。
まずは犬のしつけを見直そう
猫が犬に追いかけられ、行き場所を無くしてしまっている場合はまず、犬に「まて」や「お座り」をしっかりと覚えさせることから始めていきましょう。こうした訓練をすることで、猫が安心して歩ける環境が作りやすくなります。
犬への訓練が完了したら、次は猫だけが歩ける場所を設け、「追いかけられても逃げることができるところがある」と思わせてあげることが大切。そのために役立ってくれるのが、キャットウォークやキャットタワーです。
最近では賃貸用に、現状回復ができるキャットステップも販売されているので、集合住宅の方はそうした製品を選ぶのもおすすめ。家具と一体化したキャットタワーなら利便性も期待できます。
トイレも高い位置に置こう
猫が一番無防備になるのは、トイレをしている時。普段なら犬に追いかけられても逃げることができる子でも、トイレ中はなかなかそうはいきません。トイレ中に危険を感じてしまうと猫は恐怖心を抱き、トイレに行くことをためらうようになってしまいます。「トイレに行きたくない」「トイレに行けない」という気持ちは下部尿路系の病気や粗相の原因にもなるので、注意が必要。ここは安心できない環境だという認識も強まってしまいます。
こうした事態を避けるには、トイレを高い位置に置くのも有効。少々、猫砂の飛び散りを掃除するのが大変になってしまうかもしれませんが、襲われずに用を足せれば猫は自信が持て、「自分がいる環境は安心できる場所だ」と思えます。
なお、カバーが付いたトイレを設置する時はあらかじめカバーを取り外し、万が一トイレ中に襲われても逃げやすいようにしておきましょう。
キャットウォークはおやつを使って慣れさせよう
設置したキャットウォークを愛猫がなかなか使ってくれない時は、おやつで誘導しながらキャットウォークを歩かせてみましょう。それを何度か繰り返せば、キャットウォークに対していい印象を抱き、怖い場所ではないと認識してくれるようになります。
こうして猫が自信を持つことが出来たら犬と猫を床に置き、犬に「ふせ」を指示した状態で対面させてみましょう。初めのうちはあらかじめ犬を運動で疲れさせてから対面させると、猫に執着しにくくなります。この時、もしも猫が逃げ出してしまうようなら、再度犬の訓練を強化したり、キャットウォークやトイレを安全に使わせたりすることで再度、自信を与えてみてください。
大好きな家族同士がけんかし合ったり、警戒し合ったりする姿を見るのは飼い主さんにとっても辛いもの。そんな状況を改善するには飼い主さんが間に入り、仲を取り持ってあげる必要があります。どんな犬や猫でも安心してご飯が食べられ、リラックスしながら眠ることができるお家で暮らしたいと思っているはず。その願いを叶えてあげるためも、両者の特性や習性を理解し、絆を紡ぐサポートをしていきましょう。
文/古川 諭香