猫を優しく防御する美術館の警備員さん。すごく気になったので話を聞いてみた
猫との攻防がツイッター上で話題となった尾道市立美術館の警備員さん。侵入しようとする猫への反響はもちろん、対応する警備員さんにも「やさしい手つきですね」「警備員さんのお顔が優しい」と多くのコメントが寄せられ一躍有名人に!
もしかしたらこの警備員さんには猫を惹き付ける不思議な力があるのかもしれない…。勝手にそう思ったので、今回お話を伺いました。
–お名前と年齢を教えて下さい
「馬屋原定雄(うまやはら・さだお)と言います。もう69歳になりましたわ〜」
自己紹介だけで柔和な人柄が伝わる。微かな方言も素敵♪
–いつから美術館の警備員に?
「尾道市立美術館は5、6年ぐらい前ですかね。私は一年のうち約5か月間、特別展のときだけ警備を担当しております」
そんな馬屋原さん(通称・馬さん)と猫との攻防が話題になったのが今から2年前。
始まりは2017年3月22日。
奇しくも「猫まみれ」特別展開催中のこのツイートでした。
https://twitter.com/bijutsu1/status/844408907250483200
2018年には黒猫ケンちゃんに続き、新客が登場!
–それぞれどんな猫ですか?
「黒猫ケンちゃんは飼い猫だけあって人に慣れてるねぇ。美術館の裏に行こうとするとついてくることもあるしね。甘えた声も出せる、頭のいい子ですよ」
「ゴッちゃんは突入するときも、まだ恐る恐るって感じかな。でも、近づくとスリスリしてくれるから可愛い(笑)」
その後も攻防は続き、2018年11月には両者が続けざまに突入を試みるスペシャルウィークもありました。
そして今年2019年4月には黒猫ケンちゃんが『駄々っ子』という最大の武器を披露!
これらの攻防にSNSでは「警備員になりたい」との声も上がるほど。しかし、実際に警備をしている馬屋原さんにはこんな苦悩も。。。
「ほんとは可愛いから入れてやりたいんだけどねぇ。猫って普通ならあまり懐かないじゃないですか?でも2匹は2か月ぐらい会わなくてもちゃんと覚えててくれるし、寄ってきてくるから可愛いんだよねぇ」
分かります、その気持ち。ツンデレな猫に懐かれた時の幸福感は他に例えようの無い喜びを与えてくれます。警備員さんには警備員さんなりの苦労があったんですね。
そんな馬屋原さんと攻防を繰り広げた茶トラ猫ゴッちゃんが先日引退。飼い猫として新たな人生を送ることに。
「ゴッちゃんがいなくなることは電話で聞きました。寂しいですよ。今でも警備をしてる時にゴッちゃんの仕草がふと頭をよぎることがあって。でも、幸せに暮らして欲しいですね」(馬屋原さん)
猫を愛し、猫に愛される警備員・馬屋原さん。最後にこんなことを聞いてみました。
–馬屋原さんはやっぱり、猫を飼ってるんですか?
「私はトイプードルを飼ってます。もともと犬派なんですよ笑」
–え!?
「猫も大好きですが、ウチのボーちゃんはかわいいんですよ。でかけるときも私にしがみついて一緒に行きたがるし。でも、ちゃんと仕事の服装の時は大人しくお見送りしてくれるんですよね。それがまた可愛い!」
…馬さん、まさかの犬派(笑)。
今回は残念ながら愛犬の写真を入手することはできませんでしたが、馬屋原さんは「犬好きだけどいろんな仕草を見せてくれる猫も魅力的」と語ってくれました。
これからも、馬屋原さんは猫との微笑ましい攻防を見せてくれるはず!お体に気をつけてお仕事頑張って下さい。いつまでもお元気で!
※次回、馬屋原さんは、7月6日(土)から開催の特別展「絵本原画ニャー!猫が歩く絵本の世界」から警備します。あらたな攻防がはじまる予感。。。
尾道市立美術館 公式ツイッター
https://twitter.com/bijutsu1
取材・文/太田ポーシャ