夜鳴きには、理由がある。猫の夜鳴きはもはや宿命!
猫って、見た目も、やることなすことも、全部可愛い動物ですよね。何なら、そんな素敵な生き物と一緒に暮らせることを、神に感謝したくもなってしまいます(筆者は仏教徒ですが)。
さて、猫が生きている以上は、意志がありますし、猫なりに欲求があると声で訴えようともするものです。猫の上げる鳴き声というのは、大体にして理由と意味を持つものなのですが、人によっては「飼い猫の声がうるさくて眠れない」と嘆くことも……。
「猫の夜鳴きがうるさい!」そんなこと言われても猫も困っちゃう…
先日も、「猫が夜鳴きしてばかりで眠れない。どうにかならないか」といったような相談を個人的に受けたばかりです。
そしてこの手の相談って、これまでに何度も耳にしてきました。
場合によっては「犬は吠えてうるさいから猫を飼ったのに、猫もうるさくてこのままではノイローゼになりそう」みたいに深刻そうに言ってくる方もいます。
もしかすると、同じような理由で今、犬ではなく猫を飼いたいと考えている方がこのコラムをご覧になっているかもしれません。
ですのではっきり宣言しておきます。猫は黙らせることは難しい動物です。鳴き声については、ぶっちゃけ諦めてください!
というか、猫にしたって理由もなく夜鳴きはしません。意味なく一晩中わめいてられるほど、彼らだって暇でもないんですよね。
夜鳴きが酷いと嘆く前に、どうして鳴いているのかを探るほうが建設的です。
たとえばですが、トイレが汚れている可能性はありませんか?
ご飯の時間なのに、飼い主があたえ忘れていませんか?
また、その猫が避妊・去勢をしていなければ、発情期にはわめくのも当然です。
もっとも多いのは、環境に慣れていないという状況から来る夜鳴き。
大体「猫の夜鳴きが〜」と嘆く方って、猫を迎え入れて日が浅いことが多いんですが、猫にしてみれば慣れない環境に押し込められたばかりで、気が動転しているわけです。
当然夜鳴きだってするでしょうし、なんなら起きているあいだ、ずっと大声で叫んでいることだってあります。
そうそう。個体によってはそもそも鳴き声が単純にめっちゃでかい猫もいます。夜鳴きが耳に付くには、さまざまな理由があるんですね。
わめくにはわめくなりの理由が大体転がっているもの。
その理由を把握せずに「うるさくて困る」と言われても、きっと猫たちも困っちゃいますよね……。
夜鳴き対策なんて簡単!今夜から試したい対処法
大抵の猫は鳴き続けるには相応の理由がありますので、その理由を発見して対処すると、割と静かに落ち着いてくれます。ただし、先ほども少し触れたように、家に来てまだ日が浅い猫の場合は、不安からしばらくのあいだ鳴き続けます。それこそ、声が枯れるまで鳴きます。
こういう場合は飼い主としてもやってあげられることがないので、夜鳴き対策に打って出ましょう。
対策と言っても、非常に簡単です。
たとえば部屋がいくつかある場合は、猫と別の部屋で寝ましょう。それでも夜鳴きが耳障りという場合は、壁に貼り付けるタイプの吸音マットを使うことをオススメします。
一番手軽なのは、ノイズをシャットアウトしてくれる高価な耳栓をつけて寝ることですね。
この場合は目覚まし時計の音が聞こえにくく、遅刻の原因にもなるので一長一短ではありますが……まあ、アラーム音を最大にしていれば、さすがに起きられるはず、です……。
たったこれだけの対処法を試すだけでも、猫の夜鳴きはほとんど気にならなくなりますよ。
おわりに
繰り返しになりますが、猫だって理由なく夜鳴きするわけではないんですよね。
以前こういうことがありました。筆者が生まれる何十年も前、祖父母が夏場に寝ていると、普段おとなしい飼い猫がしきりに枕元で夜鳴きを始めました。
「うるさいよ」と注意しようとして起きると、なんだか泥のような匂いが鼻をつきます。
驚いて灯りをつけると、近場の堤防が大雨で決壊し、床下スレスレまで水が迫っていたそうです。慌ててボートで逃げ出したということですが、もしも猫が夜鳴きして知らせていなかったら、きっとえらいことになっていたでしょう。
夜鳴きには、理由がある。
これだけおぼえておくと、猫が何を伝えようとしているのか汲み取ろうという姿勢になれますし、夜鳴き自体に嫌悪感も持たないようになるのではないでしょうか!
文/松本ミゾレ