突然、飼い猫の目に濁りが…これって何?
突然ですが、猫同士のじゃれあいって見ててハラハラしませんか?
じゃれあうにしても、結構どたばたと取っ組み合いをするものですし、時にはお互い意地になっていつまでも戦い続けていますし……。果てはどちらかが降参する頃には、どっかしらに傷ができているなんてことも、正直そこまで珍しい話ではありません。
まあ、大抵の場合はそこまで酷い怪我を負うほどの戦いには発展しないのですが、心配なのは目の怪我です。
猫は顔に対して目の比率が人間より大きい生き物ですが、ご存知のように猫の4本の脚の先には鋭い爪が備わっています。
時として、この武器が目を直撃してしまうこともあります。
猫の目の濁りは若い個体の多頭飼育の宿命かも…
実際我が家でも、しばしばじゃれあいの果てに目を負傷してしまう猫がいます。
そしてこうなると、この画像(※このあたりに「図2」を挿入していただけると助かります…)のように、片目だけ黒目の色合いが薄くなり、白内障、緑内障のように見えてしまうようになってしまいます。
十太郎の場合は向かって右側、左目が怪我によって黒目が薄く濁ってしまっていることが確認できると思います。
また他にも、目を怪我した猫をよくよく観察すると黒目と白目の境が曖昧に見えたり、眼球の表面近くに濁ったような傷も見ることができます。
特に目の濁ったような傷は、猫の目を横から確認すると分かりやすいでしょう。このような怪我は、まだ若くて活発な個体を数頭飼育している世帯においては、なかなか完璧には防げないものかもしれません。
若い個体。特にオス猫の場合は、去勢していてもじゃれあいや軽いケンカに至る頻度も高く、何度も目を怪我しても懲りてくれません。
この画像の黒猫、十太郎はこれまでに、もう何度も他の猫たちにケンカを吹っかけては目を怪我してしまい、同じような症状を見せています……困った奴です。
ケンカで負った目の傷、大体はすぐに治るものの、気になる場合は動物病院へ!
さて、十太郎の目の濁りですが、この写真を撮影してから数日後にはすっかりなくなって、元通りの黒目に戻っていました。
一応以前に獣医さんから貰っていた目の治療に使う軟膏を塗ってはいましたが、点眼薬の効果は素晴らしいですね。まだ若くて怪我の治りも早い部分はあるにせよ、あっという間に完治していました。
ケンカが原因の浅い傷であれば、そこまで心配しなくてもさっさと治ってくれると考えておいても良いかもしれません。
ただ、安心しすぎるのも禁物です。
時には目の怪我が深く、このために失明に至ることもありますし、軽い傷でも、それが原因で緑内障を若いうちから発症してしまう猫ちゃんもいないわけではありません……。
怪我をする場所が場所なだけに、心配なら獣医さんに診てもらうと良いでしょう。
それから、注意したいのはケンカもしていないのに目が濁っていた個体に対して「どうせまたケンカしたんでしょ」と油断してしまうことです。
特に、ケンカによる目の濁りがこれまで何度もあったような個体ほど、本当は別の理由で目に異常が出ているのに深刻視されにくくなってしまいます。
ケンカをしていないのに目が濁っていて、実際は緑内障の初期症状だったというようなこともないわけではないということですね。
ですので、目の濁りを発見したのに、ケンカの現場を目撃していないという場合は、万が一のことを考えて診察を受けさせるぐらいは慎重になっておくのが良いでしょう。
おわりに
猫の目は決して人間ほど良くもありませんが、獲物やおもちゃを追いかける際には欠かせない部位です。
できることなら、一生しっかりと機能してもらうに越したことはありません。
そのために飼い主ができることは、猫の目をしっかりと毎日観察し、異常な濁りがないかを確認することでしょう。
そしてもしも異常が生じたら、すぐにかかりつけの獣医さんに診せるぐらいの手間は惜しみたくないところですね。
文/松本ミゾレ