猫のひげ、世界中でお守りとして重宝されるその理由
みなさんは、“お守り”って持ってますか?
神社で購入できる護符や、お寺でもらえるお札など、一般的にお守り扱いされるものはいくつかありますよね。人によっては天然石でできたアクセサリーを、お守りとして大事にしているというケースもあるはずです。
お守りって大抵は所有している人にとっては大切なものですし、持っているだけで何らかの加護があると信じている方も少なくないことでしょう。
そして実は、私たちにとって身近な動物である猫。この猫のひげが、かなり古い時代から、お守りとしても認知されているんですよね。
今回は、そんなお守りの一種として昔から数えられている、猫のひげ。これについて、ちょっと掘り下げていきたいと思います。
猫のひげは各国で縁起物扱いされている?
猫のひげって、なかなか普段はそこら辺に落ちているものではありませんよね。完全室内飼育をしていて、日々床に目を落としてみても、実際にひげを発見できることって、そうそう多くありません。
猫のひげは時期が来ると自然に抜け落ちてしまうのですが、なんせその頻度は決して高くないため、なかなか抜け落ちたひげにも気付かないまま、掃除機などで吸ってしまっていることも珍しくないでしょう。
つまり、猫のひげって、結構なレアアイテムということにもなります。
そのためか、日本だけではなく、世界のいたるところで、これを幸運のお守りと認識する風習が生まれたそうです。
具体的にはひげの色でも招き入れる幸運は違うようですが、たとえば欧州では猫のひげは、恋愛のチャンスを増やすなんて効果が長年ささやかれていたのだとか。
これに関連してか、シソ科の植物「ネコノヒゲ(花が猫のひげに似ている)」も、欧州では恋愛運をアップさせる幸運の媒介として認識されています。
猫のひげはどんな効果のあるお守りと考えられてきた?
前述のように、欧州では猫のひげは恋のお守りとして認識されているようですが、日本ではいくつかのバリエーションに分かれています。具体的にはひげの色で、招く幸運が違ってくると考えられてきたんですね。
たとえば黒いひげは、厄除け。
それ以外のひげは概ね財運を招くなんて言われていますが、これも一定してはいません。
ただ漫然と「猫のひげは幸運を呼ぶ」とささやかれてきた、ということになります。
「イワシの頭も信心から」という言葉がありますけど、そんな感じで民間では長年うっすらと縁起物として重宝していた、というレベルの話なのでしょう。
筆者も財布の中に、猫のひげを入れていますが、別段金回りが良くなったような実感はありません(笑)。
おわりに
ちなみに、猫のひげがお守りとして効果を発揮するのは、あくまでも抜け落ちたものだけに限られるそうです。無理矢理引っこ抜いたり、はさみで切ったりといった乱暴で手に入れても意味がないということですね。
悲しいことに、以前ひげを明らかに作為的に切られた地域猫を見たことがあります。目的は不明ですが、こんなことをしたら猫が可哀想ですし、相当なストレスをあたえてしまいます。
猫のひげが欲しいときは、地面を、目を皿のようにしてサーチするに限るということです!
文/松本ミゾレ