もっと知りたいトイプードル!歴史、性格、飼い方を学んでみよう!
現在、日本では国内産、外国産問わず数多くの品種の犬が暮らしています。犬は長年人間と共に歩んできたパートナーですが、その長い時間の中で、しばしば品種改良を施されて、より飼いやすく、より丈夫な品種も登場することになりました。
中でも、近年ではおなじみとなった小型犬は、日本の手狭な住居環境にも適した存在と言ってもいいでしょう。そして小型犬の中にもまた、より人との暮らしに適応しやすい品種を目指して生み出された犬種も少なくありません。
今回は、ペットとしても根強い人気を持つトイプードルについて、さまざまな情報をご用意いたしました。これからトイプードルと一緒に暮らしたい方。またはトイプードルのことをもっとよく知りたいみなさま。是非とも最後までご覧いただければ幸いです。
■トイプードルの歴史が知りたい!
トイプードルのことをもっとよく知るため、手始めにそもそもトイプードルがいつごろ、どういった経緯で誕生したのか。その経緯について学んでいきましょう。
基本的には彼らも、他の品種と同じく品種改良を重ねて誕生した犬になりますが、その基となったのはいうまでもなくスタンダードなプードルです。元々プードルはヨーロッパで古くから狩りや、しっかりとした体格を頼られて荷物の運搬などの仕事を任されてきた品種です。
プードルを品種改良して誕生したバリエーションの一つ、トイプードルですが、それらしき犬の誕生の示唆は、15世紀には確認されています。それがドイツの版画家にして数学者、アルブレヒト・デューラーの版画です。
アルブデヒトはルネッサンス期に活躍した芸術家で、しばしば野ウサギやサイなど、動物をモチーフにした作品に着手していました。
その後、17世紀ごろにはフランスの貴族たちの間で愛玩されることとなりました。この時期のトイプードルは一般庶民にとってはまさに高嶺の花のような存在だったと思われます。が、その後数百年に渡って世界中に輸出され、今日のように比較的メジャーな愛玩犬の地位に座することとなったわけですね。
加えて、そもそもプードルという犬種が犬の中でも比較的知能が高いこともまた、ペットとして多くの国々で愛される一因になったと考えられます。小さく可愛くて、しかも聞き分けがいい犬というのは、犬と暮らしたいと願う人にとっては、非常にキャッチーな特徴と言えるでしょう。
■トイプードルの種類はどれぐらいある?
では次に、トイプードルの種類についても書いていきましょう。トイプードルと一口に言っても、個体ごとに個性は様々、性格も違えば、毛色も異なりますし、カット次第では全く別の犬種に見えてしまうことも珍しくありませんよね。
一番メジャーなものは、毛色が赤味がかった、通称レッドタイプではないでしょうか。ふわふわした巻き毛に、レッドの毛並みはよく馴染みます。この毛色の個体は比較的よく流通していますので、必然と飼育している飼い主も多いということになります。
レッドの毛色のトイプードルは好奇心旺盛、いたずら好きだそうです。とにかく一緒に暮らしていく中で、たくさん触れ合い、色んなことを経験して絆を深めたいという方には、オススメですね。
それから、こちらもやはり多く流通しているのがホワイトと呼ばれる、文字通り白い毛色のトイプードルです。どことなく、他のいくつかの小型犬とも似通ったイメージがあるのですが、これはトイプードル以外にも毛色の白い小型犬が、日本でも多く飼育されているからでしょう。
この毛色のトイプードルは見た目どおり汚れが目立ちやすいため、他の毛色以上にこまめなブラッシングやシャンプーをしてあげることが大切となります。
他にも、アプリコットと呼ばれる薄茶色の毛色をしたトイプードルも、よく見かけるところですよね。性質的にはレッドの毛色のトイプードルと似通っているようで、こちらも好奇心旺盛。人慣れもしやすく、やはり飼いやすいようです。
さらにはブラックのトイプードルもいます。
こちらの毛色の個体は、トイプードルの中でも比較的大人しく、しかもかなり賢い子が多いようです。元々知能の高いトイプードル。その犬種でも随一の頭の良さを誇っているわけですから、躾さえしっかりしていれば、飼い主の手を煩わせることはそうそう起こらないことでしょう。
そのブラックの毛色を、少しだけ明るくしたブルーの毛並みを持つトイプードルも存在しています。こちらの毛色のトイプードルはあまり流通しておらず、なかなかお目にかかる機会は多くありません。
ブラック系のトイプードルの両親から、まれに誕生するとされています。面白いことに子犬の頃にはブラックの毛色だったものが、成長すると徐々に青味がかった毛色に変化することでブルーとなるようです。
トイプードルもまた、他の犬猫と同じく、毛色によって微妙にその特色が異なっています。
■トイプードルの主な性格について知ろう!
今度はトイプードルの性格に焦点を当ててみたいと思います。トイプードル自体は非常に小さく可愛い愛玩犬を目指して作られた品種ですので、当然その性質もかなり人間にとっては歓迎すべきポイントの多いものとなっています。
具体的には犬の中でも賢い個体が多く、好奇心も旺盛で遊ぶことが大好き。さらには警戒心も高く、飼い主に対して知らない人物が近づくと唸って威嚇するなどの忠誠心を見せる個体も少なくありません。
もとよりプードル自体が、古くから人間と共に暮らし、牧羊、運搬、狩猟などの面でサポートの役割をこなしてきた犬種です。そのプードルから派生したわけですから、まさに性格の良さは折り紙つきと言うべきかもしれませんね。
さらにプードルはサーカスでもおなじみの、複雑な芸を習得し、披露する才能を持った犬です。トイプードルもまた、お手、おかわり以外にも様々な芸を、比較的早期に身につけることのできる、非常に才能豊かな犬種。
性格面ではまさに非の打ち所がなく、小型犬の中でも優等生的な性質であると言えるでしょう。
そして先ほども少し触れましたが、毛色によっても微妙にその性格傾向にバリエーションが異なります。ですので、様々な毛色のトイプードルと触れ合ってみて、直にその性格の違いについて体感してみるのも面白いことかもしれませんよ。
■トイプードルの飼い方は?毎日の散歩は必要?
ところで、トイプードルを飼育するにあたって、特別に意識しておくべきことはあるのでしょうか?犬種によっては飼育の際に、他の犬とは違う配慮が必要な場合ってありますよね。そういうことがあるかどうか、事前に知っておくのも大事なことです。
はっきり書いてしまうと、トイプードルは非常に飼いやすい犬になります。小型犬らしい活発な性格ですから、一緒に暮らしているだけで非常に楽しい日常になるはずですし、また丈夫な体を持っているのも飼いやすさに拍車をかけています。
さて、しばしば小型犬は散歩が不要とする声を聞くことがあります。これについて、特に「トイプードルは別に毎日散歩させなくても大丈夫」と話す飼い主もいるのですが、そこはケースバイケースで考えるべきですね。
活発な性格の犬ですから、運動も大好き。
そんなトイプードルを散歩に連れて行かない日が何日も続くと、さすがにストレスを抱えてしまうこととなります。そしてストレスは万病の元。健康寿命を縮めることにも繋がりかねません。
ですので、できれば毎日でも散歩に連れて行くことを強くオススメします。
また、トイプードルは季節ごとに毛が生え変わることはありません。カールがかかった同じ毛が、ずっと伸び続けています。ですのでブラッシングも毎日愛情こめてやってあげるべきですね。
夏場には短くカットしてあげるのも、トイプードルに快適に過ごしてもらうためのポイントと言えるでしょう。
■トイプードルが患いがちな病気やケガは…?
最後に、トイプードルを知るためにも一番大事なポイントとして、彼らが患いがちな病気やケガについても説明していきましょう。トイプードルはたしかに元気で丈夫な犬ではあるのですが、それでもしばしば、特定の症状に苛まれてしまうものです。たとえば骨折。骨折してしまうトイプードルって、そう珍しくないようですね。
元々運動能力もあり、タフネスも兼ね備えている犬種ではあるのですが、胴回りの太さに比べて脚が細いのがトイプードルのスタイル。そのため、あまりに長時間走り回ったり、フリスビーを使ってのコミュニケーションを続けたりしていると、着地の際に脚を折ってしまうことがあるのです。
骨折までは行かなくても、関節を痛めてしまうこともよくあるため、日々、脚の動きをしっかりと観察して、異常があればすぐに獣医さんに診てもらうことを心掛けましょう。
トイプードルは耳の穴が隠れてているため、雑菌が繁殖しやすく、外耳炎になりやすいことでも知られています。これを防ぐためにも、定期的な耳掃除をしてあげることが大切になります。
特に夏場は雑菌も活性化していますので、より注意してあげたいところです。
トイプードルに限らず、小型犬に共通して発症しやすい病気に、クッシング症候群と呼ばれるものがあります。これは犬の体内で生成される副腎皮質ホルモンの異常分泌によって引き起こされるもの。
症状としてはおしっこの頻度が目に見えて増えたり、疲れやすくなったり、腹部が異常に膨れたり、変則的な脱毛などがよく知られているものです。比較的老犬が多く発症する病気となります。
■おわりに
ということで、今回はトイプードルについて、いくつかの項目に分類して情報を提示させていただきました。人気の犬種で非常に飼いやすいことでも知られているトイプードル。
そんな彼らのことを知ることで、きっと今まで以上に仲良く触れ合うことができることになるでしょう!
文/松本ミゾレ