猫が窓の外を見て「カカカ!」とクラッキングする理由とは?【ねこのはてな】
猫って、色々な声色で状況に応じて鳴き声を変えますよね。飼い主に甘えるときは甲高い声を出しながらすり寄ってきますし、何か不満があるときは低く唸るように鳴きます。
しっぽの動きとあわせて鳴き声を聞き分ければ、猫の喜怒哀楽はかなり的確に理解できるようになりますし、要求も手に取るように分かってきます。
ただ、そんな猫の鳴き声の中でも異質なものが一つあります。それが、空を飛ぶ鳥を眺めたときに発する「カカカ!」や「コカカカ!」という小刻みに声を発する鳴き声。日常的に猫と暮らしている人にとっては割とおなじみの不思議な、あの鳴き声です。
ですが猫を飼ったことがない人が、窓の外の鳥を見て「カカカカ」と鳴く様子に遭遇すると、かなり驚くようですね。かなり特徴的な鳴き声なのですが、そもそもあの声ってどんな意味合いを持つのでしょうか。
今回は猫が鳥を見て「カカカカ!」と鳴く理由と、その際の猫にしばしばみられる、ある特有の行動について、紹介したいと思います!
■「カカカカ!」と鳴くその理由とは、ズバリ○○だとされている!
早速、この特徴的で奇妙な鳴き声を発する理由について書いていきましょう。実はこの鳴き声、“クラッキング”と呼ばれる、れっきとした猫の習性の一つなのです。なんだか怪獣みたいな名称ですね(笑)。
クラッキングしている猫の様子をつぶさに観察していると、特に窓の外を悠々と飛ぶ鳥を凝視しながら、小刻みに口を動かして「カカカカ!」と鳴いていることに気づきます。
ではなぜこんな特徴的な音を出すのかというと、筆者がかかりつけでお世話になっている獣医さん曰く、若い猫や去勢済みの猫、野良経験のない猫は特にこれをやるそうで、獲物を見て興奮したり、目で追うだけの状況にイライラして、クラッキングをすると話してくれました。
言われてみれば、うちの飼い猫も元々野良だった個体はクラッキングをしないのですが、子猫の段階で保護した個体は毎日クラッキング三昧です。
■クラッキングの最中、猫は何を考えているのか…?
現在、猫を完全室内飼いしている世帯はどんどん増えています。これも猫の安全な生活のためだと、頭では理解しているのですが、窓の外を自由に飛ぶ鳥をまじまじと見つめてクラッキングする猫の背中を見ていると、いろいろと思うところはありますよね。
ひょっとすると、彼らは室内で暮らすより、危険は多くても屋外で暮らし、存分に獲物を追いかける方が幸せなのかもしれないと感じる瞬間も多いものです。
特にクラッキング中の猫は、大抵しっぽをぶんぶん左右に振っています。犬とは違い、猫がしっぽを振るのは不満を感じているときですので、「カカカ」と鳴きながら外を眺める猫は、現状に不満を持っているようにも見えてしまいます。
実際筆者も、多頭飼いの世帯の場合、猫がしばしば鳥を目で追って「カカカ」と鳴いた後、同居猫に八つ当たりをすることもあるという事例もいくつか見聞きしています。
クラッキング中の猫が本当は何を思っているのか。これは人間には分かりません。何も考えてないかもしれないし、「外に出たいぜ!」と思っているかもしれませんね。
ただ、猫はたとえ避妊・去勢をしていても、屋外では在来の動物を捕食する存在ですし、交通事故や喧嘩による病気の感染や負傷リスクも身近です。
安全に一生を全うさせるのが飼い主の責務ですから、その根本は忘れないようにしたいところですね。
■おわりに
このコラムを書いているあいだにも、うちの猫たちが一列に並んで、窓の外を飛ぶカラスにクラッキングをしつつ釘づけ状態でした。普段そりが合わない猫同士も、この瞬間だけはお互い密着して「カカカ!」と鳴く様子は、猫の不思議な生態の一部を垣間見たような気にさせるものです。
あ。そういえば先日、筆者の自宅にガス探知機を設置するために業者さんが入ったのですが、その業者さんを見てクラッキングをする猫がいました。
さすがに業者のおじさんは獲物としては大き過ぎるよ……。
文/松本ミゾレ