お尻のトラブル見逃さないで
お尻の異変4つのチェックポイント
愛犬のお尻から気になるにおいがしたら、病気のサインかもしれません。お尻まわりのチェック法、しぐさによるお尻の異常を知る方法や肛門嚢の絞り方を覚えて、お尻の健康に気を配りましょう。
犬はお尻で情報交換する
犬は他の犬と出会うと、お互いのお尻のにおいを嗅ぎ合う行動をします。これは犬同士の挨拶で、犬が自分の情報を相手に知らせるために行われています。
犬の“お尻の挨拶”は、人間でいうところ名刺交換のようなものと考えると、わかりやすいと思います。
このように、犬にとってお尻は情報源となる、とても大切なところなのです。
お尻の異変チェックを習慣にしよう
愛犬の顔まわりの変化は気付きやすいですが、お尻の変化となると気付きにくいものです。「愛犬のお尻から、どうも気になるにおいがする…」と感じたら、くれぐれも放置しないこと。
愛犬のお尻に異変がないか、日頃からチェックしましょう。
◎お尻のチェックポイント
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- お尻を舐めていないか
肛門のまわりが炎症を起こしていると、そこが化膿して、嫌なにおいを発生することがあります。
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- お尻のまわりが赤くなっていないか
お尻を気にしていたり、お尻を舐めていたりする場合、病気の可能性があります。犬がお尻のどの部分を舐めているのか、注意深く観察しましょう。
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- お尻のまわりが汚れていないか
排泄物が肛門やお尻の被毛に付着していると、それがにおいの元になることも……。排泄物が被毛に付着したままにしておくと細菌が繁殖するので、濡らしたタオルですぐに拭き取りましょう。
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- お尻のまわりにしこりがないか
お尻のまわりにしこりがある場合、腫瘍の可能性も考えられます。すぐに動物病院で診察を受けさせましょう。
お尻を地面に擦り付けるしぐさにも要注意!
犬はしぐさによって、“お尻の異変”を飼い主に知らせることもあります。
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- 尻尾を追いかけ回す
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- お尻をしきりに舐める
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- 抱きかかえようとすると嫌がる
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- お尻を触られるのを嫌がる
その他に、地面にお尻を擦りつけるしぐさをすることも。
この場合、原因としてまず考えられるのが、肛門嚢の分泌物が出づらくなっていることです。分泌物は、魚が腐ったような強烈なにおいを放つのでわかりやすいと思います。
肛門嚢の分泌をする排出口が詰まるなどすると分泌物が溜まって、細菌感染を起こしやすくなります。予防には、定期的な肛門絞りが有効です。
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- 肛門絞りの方法
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- 肛門嚢の分泌物は強烈なにおいがするので、手袋をしましょう。
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- 肛門を中心にして、4時と8時の位置に肛門嚢があります。尻尾の付け根を片手で持ち、もう一方の手の親指と人差し指を肛門嚢に当てます。
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- 肛門嚢に当てた親指と人差し指を、肛門に向かい押し上げて、分泌物を絞り出します。
肛門嚢の分泌物は絞り出すと飛び散ることがあるので、床に新聞やビニールシートを敷きます。また、汚れても良い服装で行うことをお勧めします。もし、肛門嚢絞りを自分で行うのが難しいと感じたら、無理せずにトリミングサロンや動物病院にお願いするのが良いでしょう。
肛門嚢の他に、寄生虫の感染や下痢の長期化の場合も、犬はお尻を地面に擦り付けるしぐさをすることがあります。
愛犬にお尻の異変や、お尻を気にするしぐさが見られたら、動物病院で診察してもらいましょう。
<参考資料>
「かわいい犬の医学辞典」(小学館)監修/長谷川正昭(海浜動物医療センター院長)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310739
文/マルヤマミエコ