犬は猫とは違い、群れで行動する動物です。
そのため、オスも積極的に子育てを行っていると思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、犬の子育てにおけるオスの役割は、少し変わっています。
生後間もない子犬を直接的に面倒みるのは、オスではなくメスの役目です。
メスは生まれた子犬の排泄を手伝ったり、毛づくろいで体を清潔に保ってあげたりします。
一方、父親であるオスは群れでのルールを教えるため、生後2ヶ月頃から子犬と関わりを持つようになるのです。
生後2ヶ月ほどが経過した子犬は社会性の時期を迎え、犬の世界でのルールや振る舞い方を学んでいきます。
このときのオスは子犬に威嚇をしたり、甘噛みをしたりするのが特徴です。
威嚇や甘噛みを通して、オスは立ち入ってはいけない場所や行ってはいけないことなどを教え込んでいきます。
このように、オスに子犬をしつけるという役目がしっかりと備わっているので、群れが乱れずに済むのです。
子犬も父犬からのしつけを受けることで、問題行動の少ない成犬に育っていきます。
だからこそ、母親だけでなく、父親も子犬にとっては欠かせない存在だといえるでしょう。
生後間もなく親と引き離された子犬は、両親から犬としての十分な教育を受けることができません。
そのため、噛み癖のある犬になってしまったり、他の犬と仲良くできなかったりする場合もあります。
こうした場合は、同じ月齢の子犬を集めて開催されるパピーパーティーやドッグランなどで積極的に他の犬と関わらせてあげるのも解決法のひとつだといえるでしょう。
文/古川 諭香