日本人と犬の歴史はいつから始まったの?
犬の祖先である「ミアキス」は今から約6500万年~4800万年前に生息していましたが、私たち日本人と犬が共存するようになったのは、それよりも後の縄文時代初期頃だといわれています。
弓矢で日々の食べ物を得ていた縄文人にとって、犬は欠かせないパートナーとであり、猟犬や番犬としてだけでなく、ペットとしても大切にされていました。
例えば、昭和11年に横浜市港北区西の谷貝塚で発掘された犬の遺骸や1962年に愛媛県の上黒岩岩陰遺跡から発掘された2体の遺骸は丁寧に人間の手で埋葬されていたのです。
こうした事実からも、人間と犬は遥か昔から共存してきたことが分かります。
また、この時代の犬は現在とは少し違った見た目をしていました。
具体的には現在の日本犬の小や中型程度大きさで、下顎の骨に厚みがあったとされています。
顔も細長く、額から鼻先にかけての線がなめらかでストップ(前頭部と口もとの接続部にあるくぼみ)もはっきりとはっきりとしておらず、四肢の骨も現在の犬より頑強であったため、オオカミに近い見た目をしていたのではないかと考えられているのです。
さらに、この時代の犬たちは立ち耳や巻尾を兼ね備えていたことがはにわや土偶、青銅器時代の銅鐸から判明しています。
私たち人間と犬には深い歴史があります。犬がたくさんの愛情を振りまいてくれるのは、もしかしたら過去から築きあげてきた信頼関係が体と心に刻まれているからなのかもしれませんね。
文/古川 諭香