キャットフードの総合栄養食と一般食の違いって?
大切な家族の一員である猫さまのために、おいしいご飯をご用意するのが我々、下僕(飼い主)のつとめ。それぞれのご家庭にいらっしゃる猫さまの健康状態や年齢、好みなどでキャットフードを選ぶ基準は異なると思います。そこで、総合栄養食と一般食の違いだけでも知っておくと、今後の猫さまの体調管理に役立つかもしれません。
キャットフードには総合栄養食と一般食という種類があるんです!
一言で、キャットフードといっても、通称「カリカリ」と呼ばれるドライフードや通称「ナマナマ」(うちだけかも?)と呼ばれるウェットフードやスープなどなど、種類がたくさんあるのは、皆さんご存知の通り。
普段、何げなく購入しているキャットフードですが、ドライフードでもウェットフードでも実は「総合栄養食」と「一般食」の2つに区分されているんです(ほかにも、「副食」や「おやつ」といった表記もあります)。いつもあげているキャットフードはどちらに区分されるかを調べるには、キャットフードの裏部分を確認しましょう。
猫さまの毎日のご飯のメインとなるべき「総合栄養食」とは、猫に必要な栄養をバランスよく摂れる「主食」となるフードで、人間でいうと朝食、昼食、夕食にあたります。猫の年齢や体重、フードメーカーによって与える量は変わってきますが、水と一緒に毎日与えることで、1日に必要な栄養を効率よく摂取することに役立ちます。
フードのパッケージに「総合栄養食」と表記するためには、各事業者が定められた試験を行うことが必要で、その試験をパスしないと「総合栄養食」という表記をしてはいけないのだそうなので、信頼できますよね。
主食となる「総合栄養食」に対して「一般食」という表記があるものは、猫に必要な栄養を一定の基準で満たしたもので、パッケージには総合栄養食と共に与えるよう、記載されています。
つまり、猫ちゃんの食いつきがいいからといって一般食だけ与えていると栄養に偏りが出てしまう恐れも。本来ならば、総合栄養食と新鮮なお水があれば、猫ちゃんの食生活において、栄養分の不足はないと考えていいそうです。
「一般食(副食)」とは別に「おやつ(間食)」というフードもありますが、こちらはその名の通り、おやつです。これまた、おやつだけでは、栄養に偏りが出てしまうので、総合栄養食をメインに、ご褒美として「一般食」や「おやつ」を与えるのが望ましいそうです。
缶詰やレトルトパウチには総合栄養食が少なめ(筆者の経験談)
うちのちょこちょこ食いの長男は、カリカリよりも缶詰派。ならば、今までおやつとしてあげていた缶詰も、総合栄養食にすればよいのでは、と思い立って、ペットフードを取り扱うショップに足を運びました。多くのペットフードメーカーのさまざまなブランドの缶詰が取り揃えてある大型店だったのですが、缶詰の裏の成分表記を確かめていくと、ほとんどが「一般食」でした。
そこで、ショップの店員さんに「缶詰かレトルトパウチで『総合栄養食』が欲しい」と聞いてみたところ、店員さん3人がかりで、缶詰を裏返し、総合栄養食を探してくれたんです(ちなみにそのお店は、ペットフード専門ショップではなく大型ホームセンター的なところでした)。私も含め、ほぼ、全部の缶詰の成分表を確認して、見つけた「総合栄養食」の缶詰は2ケタに満たないほどでした。
店員さんの話によると、缶詰やレトルトパウチのほとんどが、「総合栄養食」の「カリカリ」をメインにしている飼い主さんが多く、缶詰は「カリカリ」を食べない猫の食いつきをよくするためのトッピングや、おやつ、ご褒美に使われることが多いので、缶詰やレトルトパウチの「総合栄養食」は少ないのではないか、というお話でした。
事実、缶詰やレトルトパウチは、見た目は生に近いし、匂いもドライフードよりも、魅力的なものが多いので、猫が好むのもわかる気がします。私自身、子供の頃(今もですが)3食、おやつだけ食べて生きていたいと思うくらいですから、猫だって、好きなものだけ食べていたい気持ちはわからないでもありません。
ただ、栄養面を考えると「総合栄養食」は猫にとって必要なごはん。猫の大好物のおやつも取り入れつつ、栄養管理もしっかりするために、キャットフードを買う際は、成分表をしっかり確認することを忘れないようにしましょう。
文/佐藤玲美