助かった犬と飼い主とともに最期を迎えた犬
1912年4月15日、豪華客船タイタニック号が沈没した悲劇は多くの人が知っていると思います。タイタニック号には約2,223人が乗船していましたが、その中にはペット連れの人たちも多く、数十頭の犬が船内にいたと言われています。しかしその中で生き残ったのは、たった3頭のみでした。
なぜ、この3頭は助かったのでしょうか。
それはこの3頭が小型犬で、飼い主たちが自身のコートの内側や毛布の中にくるんで、こっそりとペットを連れボートに乗ることが出来たからです。この3頭のうち、2頭は資産家ロスチャイルド家のポメラニアン、3頭目はニューヨークの出版社を経営するハーパー家のペキニーズでした。
他の数十頭の犬の飼い主たちは、救命ボートまでペットたちを連れて行き、「一緒に乗せてほしい」と頼みましたが人間優先のなか同乗を許されず、愛犬だけを残していきたくないと、愛犬と共にタイタニック号に残った乗客も多かったと言います。
助かった3頭の犬たちは本当にラッキーでしたが、飼い主に愛され、最後まで飼い主と一緒にいることのできた犬たちも幸せだったのではないでしょうか。
文/大原絵理香