■連載/阿部純子のトレンド探検隊
あの頃のライフスタイルが今のシミにつながっている
朝いちばんで鏡を見たときに、うっすらとしたシミを発見してため息が出てしまう。こんな経験をお持ちの方も多いだろう。日ごろから日焼けケアに気を遣っている人はなおさら、なぜ?と腑に落ちないだろうが、シミができる原因は過去の行動も関わっているということが、エスエス製薬によるシミに関する調査で判明した。
過去の日焼け行動を振り返ると、40代女性の3人に1人は「青春時代、日焼けはファッションだと思っていた」(33・5%)、20代女性の6人に1人は「校則で日焼け止め禁止のルールがあった」(17%)と回答。小麦色の肌がかっこいいとされる青春時代を過ごした40代、理不尽な校則で日焼けさせられた20代と、いずれもシミを育てる要因と推測される。
過去の日焼け行動だけでなく、コロナ禍以降の在宅時間の長さやマスク着用も実はシミができる要因のひとつ。女性の半数がコロナ禍前と比べ「日焼けケアが疎かになった」(47.8%) と答え、 8 割がシミケアにかける時間は「以前と変わらない」(79.8%)と回答。マスク着用や家の中にいる安心感からシミケア意識が薄れつつあるとみられる。
女性の半数以上がシミに悩んでおり、加齢とともにその悩みは大きくなり、40代では約4人に3人(73.0%)が肌悩みの第1位に挙げている。女性を悩ませるシミだが、現在シミ対策を行っているのは全体の41.1%で、具体的には「美白化粧品を利用」(67.1%)、「日焼け止めをこまめに塗る」(64.7%)、「日陰を歩く」(43.0%)などを行っている。
しかし、自分のシミ対策に73.2%が満足できておらず、61.1%が「シミ対策は終わりがなくツライと感じる」と回答。あれこれ実践してはいるものの、満足できる結果が得られず、シミのケアに疲れを感じている傾向が見て取れる。
本格的なシミに育つ前の「隠れジミ」にもアプローチする内服薬が
エスエス製薬が行った調査では、シミ悩みを持つ人は「シミは早めに対策をしたい」、「薄いシミであってもなるべく早く対策した方がよい」など、「シミ早期対策意向」が80%以上もあることがわかった。
こうしたニーズに応えるべく、長年シミの基礎研究を続けてきた同社は、2015年から7年の歳月をかけて本製品の開発を進め、ビタミンB6とL-システインを最大量配合した処方の新製品「ハイチオール ホワイティア プレミアム」(第3類医薬品)を3月に新発売した。
シミができる原因は紫外線や女性ホルモンの変化、活性酸素、虫刺されや肌の摩擦などがあるが、シミは生まれつきではなく後天的な色素沈着であり、濃いものや薄いもの、茶色がかったもの、黒がかったものなどがある。その違いは黒色メラニンの量と皮膚内での深さが関係しており、黒色メラニンの位置が皮膚表面に近いほど茶色調が強まる傾向にあり、メラニン量が増えたり、集積度が高くなるとこげ茶色や黒色に近くなる。
シミを簡単に消す方法はまだ開発されていないが、適切なケアを行うことでシミが増えるのを防いだり、濃いシミを薄くしたりすることは可能だ。
内服薬はシミの原因となるメラニンの生成のしくみに働きかけ、肌の代謝を正常化し体の内側からシミにアプローチする。 メラニンの生成を抑制する「防ぐ」、できてしまったメラニンを無色化する「消す」、ターンオーバーを正常化しメラニンを排出する「出す」がシミに対する3つの作用だ。
同社は長年の研究からシミのできる過程における「メラニンの移行」に着目。メラノサイト(色素細胞)のメラノソームの中で生成されたメラニンは、ケラチノサイト(角化細胞)に移行し蓄積することでシミになっていく。「ハイチオール ホワイティア プレミアム」は、シミ生成の初期段階である肌の奥のメラ二ンにアプローチすることで、シミ、隠れジミ(=薄いシミ)を改善していく。
Q・どんなシミに効果がある?
これまでに浴び続けてきた紫外線の積み重ねによってできるシミに効果。ニキビ跡や虫刺され、マスクの炎症による色素沈着には効果が認められていない。シミの中で一番多い「日光性黒子」(老人性色素斑)のタイプに作用する。
Q・薄いシミと濃いシミは同じように効く?
シミができる生成、移行、蓄積、排出の遅れのメカニズムに着目しており、濃いシミ、薄い隠れジミにも同様の効果を発揮する。配合成分のL-システインがターンオーバーを促進させるので、表皮の最も下の基底層以下の黒色メラニンにも効果を発揮する。
Q・いつ飲めばいい?
医薬品なのでシミが気になったら季節を問わずに使用できる。1日2回、成人(15才以上)は1回2錠、7~14才は1回1錠。時間は問わないが自身の生活リズムに合わせて、バランスよく間隔をあけて服用する。初めて飲む場合、胃が弱い人は食後がおすすめ。また、錠剤も直径9mmと小型化して服用しやすくなっている。
希望小売価格:40錠(10日分)1925円、120錠(30日分)5115円、240錠(60日分)8415円。
【AJの読み】飲むだけで良いという手軽さから継続しやすい
1972年に生まれた「ハイチオール」は今年で50周年を迎えた。もともと二日酔いへアプローチするブランドだったが、年月を経てシミのブランドとして位置づけを変え、現在はシミケアを中心としている。
新発売の「ハイチオール ホワイティア プレミアム」はエスエス製薬の独自研究に寄るアプローチでシミにも隠れジミにも効果を発揮する医薬品だが、シミ・そばかす、日常の疲れやだるさ、二日酔いを感じている人に向けての医薬品「ハイチオール Cプラス2」は、男性にもおすすめだ。
50代も半ばになると、今までさんざんやってきたシミ対策も万策尽き、もはや諦めの境地に至っているが、内服薬なので飲むだけという手軽さもあって、従来品の「ハイチオール Cホワイティア」は飲み続けている。だからこそ、この程度でとどまっているともいえるのかもしれないが……。
肌の代謝ターンオーバーを高める効果を持つビタミンB6や、代謝をサポートし、抗酸化作用を持つアミノ酸のL-システインを最大量配合した新製品の「ハイチオール ホワイティア プレミアム」には期待したい。
文/阿部純子