日本では、SDGsは広く認知されているものの、いまだ関心は低めで、企業イメージ・購買行動への影響は小さい。では、アメリカ・中国ではどうだろうか?
アスマークは、日本・アメリカ・中国の15~39歳男女に「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」としてアンケート調査を実施し、その結果を2月25日に公開した。
日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査
SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択されて以降、2021年頃より一気に認知が広がった。国連加盟193ヵ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことを指すが、そもそも若年層において、どの程度の人がSDGsを認知をしているのか?
また、日本と比べて、アメリカや中国ではどの程度認知されているのか?認知だけではなく、「具体的な行動への関心」「関連企業・商品への印象」「エシカル消費の認知」「エシカル消費関連商品の購入意向」などについても日本・アメリカ・中国の3ヵ国でアンケート調査を実施し、その結果を比較してみた。
全体的に中国が高い印象
日本
SDGsの名称は広く認知されているが、具体的な行動には関心が低く、企業イメージ・購買行動への影響は小さい。
アメリカ
SDGsの名称の認知者は少ないが、具体的な行動への関心は高く、エシカル消費をはじめ協力に前向き。
中国
SDGsの名称が広く認知されているだけでなく、積極的に関わる姿勢が浸透しており、SDGsに関連することによる企業・商品イメージへの影響は大きい。
SDGsの3カ国比較
SDGsの認知について
Q.あなたは、SDGsを知っていますか。あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
日本・中国では広く認知されている。ただしその内訳をみると「なんとなく知っている」「言葉を聞いたことはある」で半数以上を占め、2ヵ国ともに理解度はいまひとつとうかがえる。アメリカは他2ヵ国と比較して認知度が低い。
意識的な情報収集の有無
Q.あなたは、意識的にSDGsに関する情報を収集していますか。あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
アメリカ・中国は情報収集をしている人が半数を超える。特に中国の30代は積極的な様子。日本は他2ヵ国と比較すると意識的に情報収集をしておらず、受け身な姿勢がうかがえる。
SDGs活動実施企業の印象
Q.あなたは、SDGsの取り組みを推奨・実践している企業に対して、どのような印象を持ちますか。(複数選択可)
日本は「何も思わない」が他国と比較して高く、特に20~30代では企業イメージへの影響は小さい。アメリカ・中国は「応援したくなる」「信頼できる」といったポジティブな印象につながっている。
SDGs関連商品の印象
Q.あなたは、SDGsの取り組みがされている商品について、どのように思いますか。(複数選択可)
中国は「応援したくなる」「積極的に購入したい」を筆頭にポジティブな印象につながっている。日本とアメリカは「積極的に購入したい」の割合が中国と比較して低く、購買行動への影響力は小さいと推察される。日本は何の印象も感じない人が多く、特に20~30代で顕著。
「エシカル消費」認知
Q.あなたは、エシカル消費を知っていますか。あてはまるものをお知らせください。(1つ選択)
アメリカ・中国は半数以上が「エシカル消費」を認知。特に中国は9割認知ありと、広く浸透している。一方、日本は「エシカル消費」について聞いたこともないと答えた人が半数以上。
エシカル消費につながる商品・サービスの購入意向
Q.「エシカル消費」についての説明文を読んで、あなたは、エシカル消費につながる商品・サービスを購入したいと思いますか。あてはまるものをお知らせください。(1つ選択)
中国・アメリカは購入に前向きな回答が多い。特に中国は8割が購入意向あり。
日本の購入意向は低水準であり、やや慎重な様子。
エシカル消費につながる商品・サービスの購入意向
調査名 :日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査
調査対象者:※3ヵ国共通
【性別】 男性、女性
【年齢】 15-39歳
【地域】 全国
有効回答数:900サンプル
割付 :国、性別、年代均等
調査期間 :2022年1月21日(金)~1月26日(水)
調査方法 :Webアンケート
調査機関 :アスマーク
構成/ino.