内臓系疾患がある場合、異変は口臭から察知できる場合も…
歯周病について、人間も猫も日頃のケアが大事だと書いたように、猫も人間も、内臓に不具合が生じると、口臭がキツくなることもあります。
筆者の祖父は病院で亡くなったのですが、内臓にがんが出来ており、体力的にも手術はできない状況となってからほどなくすると、口臭が酷く匂うようになりました。
お医者さんいわく、肝臓や胃、それから食道付近に疾患が出来ると、部屋に匂いが染みつくレベルの悪臭が口から出てしまう場合もあるとのことでした。
猫も同じで、やはり臓器に疾患を抱えてしまうと、体内で毒素が分解もできなくなるために、口からそのせいで臭い息が出てしまうようになることも。
歯周病系の口の匂いも相当な臭さですが、内臓の疾患から来る異臭はさらに強いようです。匂い自体はかなり鼻をつくレベルですので、一発で「ただごとじゃない!」と気付くことだとは思いますが、それに加えて猫に元気がなく、毛艶も悪くなったりした場合は、すぐに獣医さんに診てもらいたいところですね。
歯周病であれば飼い主が察知することもできますが、時には口臭の原因が歯周病ではない場合もあります。
「この匂いは歯周病だろう」と思い込んで、内臓が悪くなった猫に歯ブラシをあてがうのは大きな負担となります。早合点をせず、飼い猫の口臭がいつもよりもキツいと感じたら、とにかく動物病院に連れて行ってあげましょう。
おわりに
飼い猫を健康で長生きさせるのは、飼い主の責任です。
猫は自分で歯磨きもできませんし、内臓が痛くてもなかなかそれを伝える術がありません。
そう考えると、口臭は猫の体調を知るための貴重なバロメーターということになります。猫があくびをする瞬間には、できるだけその際の吐息を嗅ぐようにしてみましょう。
いつものような、健康的な臭さであれば問題なし。
そして仮に普段よりもキツい匂いだった場合には、すぐさま口臭の原因を探すための行動に移すことができます。どんな病気もそうですが、初期段階で対処できれば、それだけ体への負担は抑えられます。
文/松本ミゾレ