猫の排尿トラブルの回復&予防に役立つ、お手軽マッサージ
安定した環境を好む猫は、環境の変化によるストレスに弱い動物です。そのため季節の変わり目や、(今年とても多かった)大型台風や地震などの後に、頻尿、多尿、無尿、血尿、残尿感などの排尿トラブルを起こし、病院に駆け込むケースが少なくないといいます。
実はわが家の猫も、今回の台風19号の後、軽い膀胱炎を発症し、通院中です(保護猫として引き取ってから4年間、全く排尿トラブルは無かったので、きっと台風の影響ではないかと想像しています)。今は投薬で症状は改善に向かっているのですが、飼い主として何かもっとしてあげられることはないかと思い、マッサージをしてあげることにしました。
参考にしたのは「癒し・癒される 猫マッサージ」(石野 孝・ 相澤 まな 著、実業之日本社)という本。中国伝統医療である「経絡(経絡)」ツボマッサージと、西洋医学のリンパマッサージを融合させた手法で、猫の疾患を単なる部位としてではなく肉全体的にとらえ、心身のバランスを整えるために行うものだそうです。
排尿トラブルの原因は、膀胱にたまった熱
東洋医学では、排尿トラブルは膀胱に温熱がたまることが原因で起こると考えられています。そのため、膀胱の温熱を取り除くことで排尿トラブルの回復に役立ったり、予防できると考えられています。これは猫も同じで、猫の場合、以下の6つのツボが排尿トラブルに役立つそうです。※いずれも左右各ひとつずつあります。
1) 三陰交(さんいんこう)…後ろ脚の内側の、くるぶしとヒザを結んだ線上の、くるぶしから2/5のところ
2) 湧泉(ゆうせん)…後ろ足裏の、一番おおきな肉球の付け根
3) 陰陵泉(いんりょうせん)…後ろ足内側で、三陰交から骨を上にたどっていき、止まったところ
4) 崑崙(こんろん)…後ろ脚外側で、外くるぶしの後ろで、アキレス腱の間のへこんでいる部分
5) 腎兪(じんゆ)…一番後ろの肋骨にちぃている背骨から2つ後ろの背骨の両側
■基本のおしっこマッサージのやり方
上記のツボを人差し指で軽く圧迫するほか、以下のマッサージも排尿トラブルにいいそうです。
1) お腹を時計まわりにゆっくりさすります。
2) 後ろ足外側を、太ももからつま先に向かってさすります。
3) 一番後ろの肋骨から、太ももの部分にかけてさすります。
お互いにリラックスしている時に行うことが大切
この猫マッサージは、スキンシップを兼ねてマッサージをすることで病気の治療の補助になり、予防にもなるとのこと。ただし猫に炎症や腫れ、外傷などがある場合、発熱やショックを起こしている時は厳禁。嫌がっている場合はかえってストレスになるので、お互いがリラックスしている時間に、じゃれあったりしながら、少しずつ慣らして行うことが大切だそうですよ。
文/桑原恵美子
参考資料/「癒し・癒される 猫マッサージ」(石野 孝・ 相澤 まな 著、実業之日本社)