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コーヒー豆の麻袋や豆かすのリユース事例に学ぶサステイナブル消費のヒント

2022.02.24

普段、何気なく飲んでいるコーヒー。あまり考えないものだが、コーヒー生産の過程で、廃棄物が多く出ている。例えばコーヒーを運搬する際の麻袋やコーヒー豆のかすなどがある。SDGsのための活動が活発化する中、これらの廃棄物のリユース活動も積極的に行われている。今回は2つの事例について紹介する。

1.コーヒー豆を運搬する麻袋

●コーヒー豆の麻袋とは

生産地で生産されたコーヒーの生豆は、運搬する際に麻袋に入れて運ばれる。

コーヒーメーカーの一つ、UCC上島珈琲株会社では、生豆が海外から運ばれる際に利用されている麻袋が、年間100万枚以上になるという。役目を終えた麻袋は、畑での霜よけや除草、ほぐしてフエルト材などの原料になるほか、自治体が焼却時に熱源としてリサイクルするなど、有効活用しているという。

一方で、活用がされないまま、廃棄をされてしまうものもあるという。このような状況を少しでも改善したいと、新たな有効活用方法を模索する中、NICO(一般社団法人天然繊維循環国際協会)とコラボレーションを行い、コーヒー生豆の麻袋を再利用してプランターを作り、商店街の緑化を地域と共に行うプロジェクトを始めた。

●コーヒー豆の麻袋の特徴

そもそも、麻袋はどんな特徴あるのか。NICOの担当者は次のように話す。

「古くから麻袋はコーヒー生豆、その他農産物の運搬や保管に最適であるとされてきました。その理由として挙げられるのは、通気性が良く湿気が溜まらないことから食品の変質が起きにくいこと、そして非常に丈夫であることです」(NICO担当者)

その麻袋を再利用するということは、それだけ価値があるということだ。どんな価値があるのか聞いたところ、次の4つがあるという。

(1)素材

麻袋はジュートやサイザル麻等の天然繊維100%でできていること。マイクロプラスチックにならず、使う過程で環境に負担がかからない。

(2)イメージ

多くの人に愛されるコーヒーが入っていた袋ということや、輸入品の外国感があり多くの人にとっておしゃれなイメージがあること。

(3)デザイン

輸出国名、生産地名、コーヒーの銘柄、品種、等級、入出港の名前など、多種多様なデザインがあり、そのままインテリアにできること。

(4)丈夫さ

重い生豆を運んでも耐えてきたしっかりした素材であること。

●コーヒー麻袋の再利用とファッション消費の廃棄削減

NICOとUCC上島珈琲の共同プロジェクトでは、コーヒーの麻袋と、分別回収した廃棄衣服の天然繊維の生地を縫い合わせてプランターへと生まれ変わらせ街を緑化する。

「プランターは設置環境によりますが、役目を終えた後は土に還すことができます。その方法は回収をしたのち、コンポストによる分解と炭化による土壌改良剤として役立てる方法を予定しております。炭化の場合、CO2を土中に固定化することができます。これにより、天然繊維としての新たな価値が生まれ、焼却時よりもCO2削減に貢献できるものと考えます」(NICO担当者)

本プロジェクトでは、コーヒーの麻袋の内側に廃棄される衣服を組み合わせてプランターにするという。廃棄される衣服についても近年、問題視されている。

「大量廃棄は、ファッション産業が抱える大きな問題です。その廃棄量は日本で年間75万トン、その内の50万トンは焼却処分されているのが現状です。世の中の衣服の60%が化学繊維であり、膨大な量の石油が使われ、CO2排出にもつながっています。

本プロジェクトでは、天然繊維と化学繊維に分別をして天然繊維を緑化に再活用することで、消費者の意識を高めて廃棄衣服の量を減らします。それだけでなく、同時に地域の自治会が再活性化することで自治会の役目を見直し、防犯や防災などの社会問題の解決につなげることができます」(NICO担当者)

●コーヒーの麻袋と衣服を組み合わせたプランターの作られ方

【材料】
・コーヒー生豆麻袋
・リサイクル衣類(コットンやリネンなどの天然繊維)

【道具】
・ミシンまたは手縫いの場合は針と糸
(ミシンの場合は太めの針を使用)
・ハサミ

1.外袋を作る

・コーヒー生豆麻袋をサイズに合わせてカットする・作りたい形状に合わせて底面を縫う
・補強のために端になる部分を縫いステッチをかける

2.内袋を作る

リサイクル衣類も上記と同様にひとまわり小さく作り、内袋を作る

3.外袋と内袋を重ねる

固定する場合は外袋と内袋を重ねた上部を何箇所か縫い留める

●コーヒー豆の麻袋の他の展開

今後、麻袋の再利用において、他の展開の予定はあるのだろうか。

「一つは農業資材としての再利用です。今まではビニールで敷いていた農業のマルチシートとして利用されていたものを麻袋に換えて鳥取大学農学部の畑で実施しております。またリサイクル衣類の回収のボックスの袋として利用しています」

現在、このプロジェクトはクラウドファンディングで資金を募っている。リターンも数種類あるのでぜひ支援したい。

2.コーヒー豆かす

●コーヒー豆かすの廃棄について

コーヒー豆を粉にしてコーヒーを抽出した後に残るコーヒー豆かすの廃棄について問題視されている。よく家庭では消臭効果が期待できるとされており、脱臭剤としての再利用がされている。

一方で、業務用においては膨大な量の廃棄となっているといわれる。

●コーヒー豆かすを衣類にリユース

そんなコーヒー豆かすのリユースに目をつけたのが、スペイン発のサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」だ。スペインで2009年にブランドが設立され、日本では2020年3月より三陽商会によって展開されている。「地球環境を守るために服をつくる」という新しい発想のブランドで、すべてのアイテムを再生素材や環境負荷の低い天然素材のみで製造。ペットボトル、タイヤ、漁網などを、独自の技術でリサイクルしてこれまで400種類以上もの生地を開発し、新たな製品をつくり出している。またブランド自らが海のゴミを収集してウエアをつくるなどしている。

日本では直営店として「ECOALF 二子玉川」、百貨店「ECOALF 梅田阪神」があり、ECでも販売している。

2020年9月に第一弾としてコーヒー豆のかすを生地の原料として再利用した「KATMANDU(カトマンドゥ)マルチジャケット」を発売し、2021年9月には第二弾を発売した。

●KATMANDU マルチジャケットの特徴

三陽商会によれば、KATMANDU マルチジャケットは、ブランドが掲げるメッセージの一つ「Waste is only waste if you waste it(ゴミは無駄にするからムダになる)」を象徴するプロダクトであり、1着に約40杯分のコーヒーかすを原料として使用している。コーヒー豆のかすを圧搾・圧縮してペレット状にし、リサイクルポリエステルと混合してつくられているそうだ。

はっ水性と耐水性を備えているため、日常使いはもちろん、アウトドアシーンにも適しているという。

またコーヒー豆のかすは、脱臭効果や速乾性が期待できる素材であることから、このジャケットにもその効果が期待できるという。

ECOALFは、コーヒー豆かす以外にもペットボトルなどさまざまな素材を活用し、衣類やスニーカーなどを作り続けている。

コーヒー好きにとって、持続可能なコーヒー生産や流通を守ることで、将来の美味しいコーヒーを享受することができるだろう。クラウドファンディングに参加したり、廃棄物が再利用された商品を積極的に購入したりすることで、その未来に一歩近づけるのではないだろうか。

【参考】
「クラウドファンディングプロジェクト:日本初 珈琲麻袋と着ない服で作るプランターが原宿&沖縄に登場!珈琲&ファッション業界が地域緑化に挑む」
三陽商会「ECOALF」

取材・文/石原亜香利

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