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ほぼ無料で買える!コスパ抜群の最新スマホ「Galaxy A22 5G」を使ってわかった○と×

2022.02.23

■連載/石野純也のガチレビュー

 わずか2万2000円で手に入るGalaxy。それが、2021年12月にドコモから発売された、「Galaxy A22 5G」だ。「A22」という型番が示すように、このモデルはGalaxyの中でもスペックを抑えたモデル。いわゆるエントリーモデルと呼ばれる端末で、フィーチャーフォン(ガラケー)からの乗り換えや、初めてスマホを持つユーザーなどをターゲットにした端末だ。2万2000円は、通信契約に紐づいた割引の上限で、限界いっぱいまで割引すれば、理論上はほぼ無料で入手できる。

 エントリーモデルといっても、ハードウェアとソフトウェアの双方にGalaxyらしさがあるのが、このモデルの特徴。名称のとおり、5Gにも対応しているため、廉価な端末ながらも下りの最高速度は2.1Gbpsと非常に高速だ。初めてのユーザーを対象としていることもあり、メニューを簡略化した「かんたんモード」にも対応する。

 とはいえ、Galaxyにはやはりハイエンドモデルの印象が強く、あまり安いと性能に不安を覚える向きもあるだろう。価格の安いモデルの中には、パフォーマンスを抑えているがゆえに、操作性に難があるモデルもある。では、Galaxy A22 5Gの使い勝手はどうか。そのパフォーマンスや使い勝手をレビューしていきたい。

2万2000円と破格の安さを誇るGalaxy A22 5G

コストダウンの跡がわかるデザインながら、仕様は充実

 最先端の機能を詰め込み、ハイエンドスマートフォンではトップクラスのブランド力を誇るGalaxyだが、Galaxy A22 5Gはそのエッセンスの一部を受け継いだエントリーモデルという位置づけ。ディスプレイは5.8インチとほどほどの大きさで、解像度もHD+と、ミドルレンジ以上のモデルに比べると、文字や写真などの精細感は一段落ちる。ただし、本体と顔の距離をきちんと離せば、液晶のドットが目視されるレベルにはないことを付け加えておきたい。

 サイズは高さ150×幅71×厚さ8.9mmで、大型化が進むスマホの中では、ほぼ標準的なサイズ感。さすがにこの価格になると、背面の素材は樹脂になってくるが、フレームには剛性の高い金属が採用されており、チープな印象はない。インカメラは水滴型で、ディスプレイまわりのベゼルも細くなっている。映像を全画面表示した際に一部が欠けてしまうのは残念だが、実用性とデザイン性をある程度両立させた結果といえるだろう。

背面は樹脂でガラスなどは使われていないが、金属のフレームは剛性が高い

 エントリークラスならではなのが、生体認証。その外観からもわかるように、指紋センサーは備えていない。生体認証はインカメラによる顔認証のみで、iPhoneのFace IDのように顔を立体的に捉える仕組みもないため、やや不安は残る。コロナ禍ならではの不満点として、マスク姿でロック解除ができない点も挙げておきたい。エントリーモデルとはいえ、画面のロック解除は1日に何回も行う動作。コストとの兼ね合いはあるが、指紋センサーは搭載してほしかった。

生体認証は顔認証のみ。セキュリティレベルが一段低いため、dアカウントの認証などには利用できない

 一方で、USB端子はUSB Type-Cだったり、ハイエンドモデルでは一部を除いて軒並み廃止されている3.5mmのイヤホンジャックを搭載していたりと、ポートなどの仕様は最新といえる。Wi-Fiもきちんと5GHz帯に対応しており、混雑の影響を受けづらいのもうれしいポイントだ。モバイル通信が5Gに対応しているため、エリア内なら高速に通信できる。実際、アプリをダウンロードしてみたが、短時間でインストールまで終わった。エントリーモデルではあるが、こうした使い勝手は悪くない。

3.5mmのイヤホンジャックを備えているほか、底面にはUSB Type-Cを搭載する

エントリーモデル以上のパフォーマンスと、使い勝手のいいソフトウエア

 レスポンスも、エントリーモデルの中ではサクサク動く部類に入る。Galaxy A22 5Gには、メディアテック製の「MT6833V」(Dimensity 700 5G)が搭載されているが、これはクアルコム製のSnapdragonで言うと600番台から700番台に相当するチップセット。メモリ(RAM)は4GB搭載されており、アプリの切り替えも比較的スムーズだ。Geekbench 5で取ったスコアは以下のとおり。エントリーモデルとしては比較的高い数値で、普段使いならストレスを感じることは少ないだろう。

Geekbench 5のマルチコアスコアは約1700で、エントリーモデルとしては高い数値だ

 チップセットがよくても、操作感がいまいちな端末はあるが、そうした欠点をあまり感じさせないのは、ソフトウエアをきちんと最適化しているためだろう。スクロールした際の追従性がよく、キーボードの立ち上がりなど、ローエンドのスマホでは引っ掛かりがあるような部分も滑らかだ。細部に渡ってチューニングが行き届いているのは、長年、多数のAndroid端末を作り続けてきたサムスンならではだと評価できる。

 ソフトウエアという観点では、サムスン独自のカスタマイズも、使い勝手を高めることに貢献している。サムスン製のホーム画面「One UI」はその1つだが、情報がきちんと整理されており、片手でも操作がしやすい。設定メニューなどをスクロールさせていくと、上部にスペースができ、タップ可能な項目が画面下まで移動するためだ。「電話」や「ギャラリー」といった基本アプリも、UIに合わせてデザインされており、統一感がある。

One UIで基本アプリや設定メニューに統一感があり、操作もしやすい

 個人的には、上位モデルと同様、きちんと「ボイスレコーダー」が搭載されている(厳密にいえばショートカットがあり、Galaxy Storeからインストールできる)点も評価している。Androidの中には、こうしたアプリがプリインストールされていない端末があり、サードパーティのアプリを使わざるをえない場合がある。端末やマイクとの相性があるため、やはりきちんと検証されているアプリが用意されていた方がいい。

ボイスレコーダーも搭載する

 ほかにも、スクリーンショットをスクロールして取ることができたり、Windows PCに通知などを表示できる「Windowsにリンク」機能が組み込まれていたりと、かゆいところに手が届くカスタマイズが加えられている。LINEなどのメッセンジャーアプリを2つに分け、アカウントごとに使い分けることを可能にする「デュアルメッセンジャー」にも対応する。こうした機能は、ハイエンドモデルのGalaxy譲りで、使い勝手が非常にいい。

「Windowsにリンク」など、かゆいところに手が届く機能が多い

カメラの画質はイマイチだが、価格以上の完成度

 ただし、ほかのエントリーモデルと同様、カメラはシングルカメラで、超広角や望遠カメラなどは備えていない。スペック的には、画素数が1300万画素で、サイズは1/3.0インチ。レンズのF値は1.9となり、特筆すべきような個所はあまりない。スナップ写真をサッと撮るためのカメラで、ハイエンドモデルやミドルレンジモデルのような豪華な機能は搭載されていない。

シングルカメラで、スペックはあまり高くない

 とはいえ、シーン別にAIで写真を最適化する「インテリジェント機能」は搭載されており、スマホならではのコンピュテーショナルフォトグラフィーで、ある程度画質は底上げされている。夜景をより美しく取る「ナイトモード」があったり、シングルカメラながら「ポートレートモード」に対応していたりと、ハードウエアスペックの低さをソフトウエアで補っている印象は受ける。明るい場所であれば、Galaxyらしいやや発色が強めでキレイな写真が撮れる。

AIでシーンに合わせて画質を最適化する機能は搭載されている

 一方で、どうしても暗所ではハードウエアの弱さが出てしまう。ナイトモードに設定しても、暗い場所にはかなりのノイズが乗るため、あまりクオリティが高いとはいえない。通常モードで撮っても、この傾向は変わらなかった。カメラに期待して購入するような端末ではないことは承知しているものの、動作速度などのパフォーマンスがいいため、もう一段、高いクオリティを求めたくなるのも事実だ。

暗所での撮影には弱かった。ノイズが多く、あまりキレイとは言えない

 それ以外は、あまり欠点らしい欠点がなく、2万2000円の端末とは思えないほど、完成度の高い端末に仕上がっている。Galaxy A22 5Gという端末はグローバルで販売されているが、日本版はスペックや形状が大幅に異なるドコモ専用モデルだ。そのため、ローカライズも徹底されている。例えば、おサイフケータイへの対応はその1つ。グローバルメーカーの端末ではあるが、日本メーカーの端末と同様、安心して利用できる。

 バッテリーが4000mAhと大容量で電池の持ちがよかったり、防水・防塵に対応していたりと、この価格帯の端末としては満額回答と言える出来栄えだ。初めてスマホを持つユーザーはもちろん、ブラウジングやメールなど、基本機能を中心にスマホを利用するユーザーにとっても、コストパフォーマンスが高い1台だと評価できる。

【石野’s ジャッジメント】
質感        ★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★
音楽性能      ★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
*試作機のため、ネットワーク周りやFelicaなどが使えず評価不能です

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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