■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
千葉・幕張メッセで2022年2月10〜13日に行われた「ジャパンキャンピングカーショー2022」は、300台以上のキャンピングカーが集結する国内最大級のキャンピングカーショーだ。
キャンピングカーのベース車両は居住空間を広くとれるハイエースが主流で、ワイドボディなら幅は1880mm。全長もかなり長く、運転するのに気がひけるという人は少なくない。
そこで幅1700mm程度までの扱いやすいサイズでゆったりすごせる、550万円以下のキャンピングカーを探してみた。
300万円台〜
フラットロングのギャレーが使いやすいタウンエースベース300万円台キャブコン
Stage21「リゾートデュオ バンビーノファミリア L.A.」(359万7000円〜/展示車両391万4680円)
タウンエーストラックをベースとする新型キャブコンが300万円台。
電源はサブバッテリーではなく300Wインバーター付きのポータブル電源となるが、345Wソーラーパネルを装着し、大型バッテリーへのグレードアップも可能だ。外部電源接続端子付きなのもうれしい。
ソファベッドとバンクベッドを利用すれば4名就寝となる。
片側にソファ、反対側に収納とシンクが並ぶレイアウトで、まっすぐ奥まで行けるし、ベッド展開も簡単だ。
大型シンク付きで横に作業台が広がる。フラットロングの作業台が使いやすい。
食事では作業台の下にあるスライド式天板を引き出すことで食卓となる。
オリジナルハイルーフのタウンエースベースは開放感抜群!
エートゥゼット「アンナM」(393万8000円〜/展示車両494万2300円)
運転しやすいタウンエースベースだがオリジナルハイルーフなので全高2400mmとゆったり。
ルーフには1250×1750mmの子ども用ベッドができるので、就寝定員は2名+子ども2名となる。
助手席側にスリムなカウンターキッチンがあり、シャワーヘッド蛇口付きのシンク、給排水タンクだけでなく18Lの冷蔵庫をビルトインされていてスッキリ。
目線には収納がないので圧迫感がない。タウンエースであってもゆっくりくつろげる工夫だ。
350万円〜
外でも使えるテーブル内蔵ベッドフレームが自慢のグランマックスベース
フィールドライフ「ロビー」(352万円〜/展示車両476万6135円)
ダイハツ・グランマックスをベースに、あえて2名乗車・2名就寝にすることで無理なく過ごせるレイアウトになっている。シンクはスリムで大型の収納家具はないが、その分ベッドは1960×1030mmとなかなかの広さを実現。
ベッドフレームは車外に持ち出してベンチとして使えるうえ、ベッドフレーム内側にはテーブルも内蔵されているのがおもしろい。また、後部はクッションフロアだがサイドドア部分は防汚防水フロアなので、土間のように車内に入ってから靴を脱いでOK。
テーブルは引き出し式になっていて、これも車内を広く使えるアイデアだ。
300万円台〜の軽キャンパー
エブリィベースの軽キャンパーが横開きポップアップルーフで居住空間アップ
スマイルファクトリー「オフタイムトラベラー2 ポップアップルーフ」(376万7027円〜/展示車両409万9227円)
人気軽キャンパーにポップアップルーフを採用し、軽キャンパーではあるものの4人乗車・4人就寝を実現。しかも4WDでサブバッテリー、FFヒーターヒーター、走行充電、外部電源という充実ぶりで家電も使える。
下段ベッドは1800×1200mm、ポップアップルーフベッドは1800×1070mm。どちらも高さは1000mmで、ポップアップをベッドにしないなら立ち上がって着替えられるほどの大空間となる。
ポップアップルーフは横開きなのでどちら側でも頭を向けられる。微妙に傾斜しているときにありがたい。
500万円台〜の軽キャンパー
マリーンズファンのためのN-VANベース車中泊カー
ホワイトハウス「N-VAN COMPO POPCabin マリーンズキャンパー」(532万4000円〜/展示車両539万円)
N-VANベースのキャンピングカーに定評のあるホワイトハウスが作った、千葉ロッテマリーンズ仕様の車中泊カー。ユニフォーム同様、白地に黒のストライプとエンブレムが目印。ルーフにもカモメのプライマリーマークが描かれている。
ホワイトハウスが得意とする反転する運転席と助手席により、ベッドサイズがぐーんと伸びる。FFヒーターヒーターとマリーンズ仕様のカーテンも装備されており、冬の車中泊も安心だ。
サブバッテリーは42Ah。オプションで電子レンジや冷蔵庫も取り付けられる。1〜2人の旅では十分すぎる装備だ。
夏の車内泊にうれしいゲートネットもマリーンズ仕様。
400万円台〜
エンジンを切ってもポカポカあたたかいエアヒーター搭載のベルランゴベース
ホワイトハウス「ベルランゴ キャンパー・ソレイユ POPHOT」(449万3500円〜/展示車両515万7900円)
シトロエン・ベルランゴのキャンピングカーは、サブバッテリーで作動するクリーンなエアヒーターを搭載しており、冷え込む朝夕もポカポカ快適に過ごせるのがうれしい。
スライド式のアウトギャレーを装備しており、屋外でのびのび調理ができる。屋外では寒く思えるが、サブバッテリー搭載で電気ポットの利用もOK。寒い時期はあたたかい食堂に立ち寄って熱々の料理をたべると割切るなら、これで十分だ。
ワイドボディのハイエースよりもコンパクトだからこその使い勝手を活用
ワイドボディのハイエースよりもコンパクトな車両では、なんでもかんでも装備を盛ると窮屈に感じてしまうので、あえて割切るのも手。バッテリーの容量や電子レンジや冷蔵庫などの装備が本当に必要かどうか、よく考えたい。
また、ポップアップルーフ搭載ならベッドメイクの手間をかけずにすむし、ルーフを持ち上げただけでベッドにしない状態なら高さをかせげる。軽自動車であってもかなり広く感じることもありがたい。
ただし、人気のためポップアップルーフモデルは納車までにかなりの時間を要する。
ポップアップなしモデルのほうが比較的納車は早いそうなので、できるだけ早く手に入れたいならハイルーフ車から選ぶのも手だ。
取材・文/大森弘恵