普段のトレーニングから、マラソン大会まで使える使い勝手の良さ、快適な履き心地、さらには耐久性にも優れたシューズ「ナイキ ズーム フライ」。4世代目になり、さらに快適性がアップしたランニングシューズを合計20㎞ほど走って体感した。
“箱根”で活躍した機能性を継承
今年の箱根駅伝でも活躍を見せたナイキのランニングシューズ。他のブランドの躍進もあり、昨年よりはシェアを減らしたものの、今年も多くの選手たちの足元にスウッシュのロゴが輝いていた。彼らが履いていたのは「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2(以下ヴェイパーフライ)」などのトップモデルだが、それを一般ランナーが履きこなすのはなかなか難しい。しかしナイキはランナーに合わせて、トップモデルと”同じように”履けるシューズがラインナップされている。
ここで紹介する「ナイキ ズーム フライ 4 」は、弾むように走れるヴェイパーフライのテクノロジーを継承しつつ一般ランナーが履きやすい機能をもったシューズだ。
特徴は”反発”を得られる2つの素材を採用したソールユニット。ナイキの中で最高の反発力をもった「ナイキ リアクト」に加えて、ヴェイパーフライと同じ形状のカーボンファイバープレートを内蔵。弾むような走り心地を実現している。このナイキ リアクトはクッション性も高い素材。柔らかく着地できるので長距離のランニングでも快適で疲労を感じにくい。
軽量のメッシュと伸縮性のあるナイキ フライニットを組み合わせたアッパー素材も快適さを高めている。中足部はソックスのように全体的に足が柔らかく包まれる感覚があって心地よい。前モデルから重量は10g程増加しているがフィット感が高いせいか、まったく重さは気にならない。ソックスのようだがホールド感はしっかりあり、ランニング中でもズレる感じもない。
一方、つま先部分はあまり伸縮しない軽量メッシュを採用。足先をホールドしつつ、大き目のメッシュとすることでシューズ内部の熱気を排出してくれる。
かかと部分に採用された厚手のクッションもホールド感に寄与しているポイント。かかとが抜けないだけではなく、アキレス腱周りを保護してくれる。
脚へのダメージが少なくスピードが出る!
実際に合計で20㎞ほど走ってみたところ、”ちょうど良い”反発性とクッションを感じる走り心地だった。トップモデルのヴェイパーフライと比べると、少し重い感じはするもののほとんど気にならない。日本のほとんどのランナーの特徴である「かかと寄りの着地」でも蹴り出しまでの動きはスムーズ。着地時の衝撃を吸収してくれた後に「トン!」と足を押し出してくれる感覚がある。
もちろん足の前方、中足部で着地した場合のほうが強い反発は得られるが、かかと着地でも十分にスピードに乗ることができる。
また、つま先とかかと部分の落差が大きく、前方に倒れ込むような感覚があるので、疲労がたまってきても前への体重移動がしやすい。このあたりの設計が初・中級者でも履きこなせるポイントと言えるだろう。
あとはなんといってもフライニットが極上。速く走れるシューズは軽さを出すためにアッパー素材が薄く、ひもを締めると足が痛くなりがち。でもこのフライニット、多少重量はあるものの足を優しく包む感触が心地よくて、ずっと走り続けたくなるほどだった。
さらにヴェイパーフライと大きく違っているのが、耐久性の部分。上の画像の黒い部分が直接地面に接触するアウトソールになるが、つま先&かかと部分厚めに取り付けてあるので、使用回数・距離が増えても問題ない。またミッドソールのリアクトもヘタレない素材のため、日々のランニングで使ってもクッション性と反発性を長期間保ってくれる。
ズームフライ 4は、トップモデルのヴェイパーフライネクスト%2と比べると約80gくらい重量があるが、ソール全体の耐久性が高く、程よい反発性も得られる。スピードを上げた練習ができるし、そのままマラソン大会にも出場できる機能をもつ。またクッション性も高いのでケガを防ぎつつ、ランニングを楽しめるシューズになっている。まさにレベルを問わず履けるランニングシューズだ。
ナイキ ズームフライ 4
1万8700円
www.nike.com/jp/
今 雄飛(こんゆうひ):ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン