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ビジネスシーンでも使えることわざ「雨後の筍」とはどういう意味?

2024.08.28

『雨後の筍』は日常会話だけでなく、ビジネスシーンでも使える言葉です。
言葉の意味や由来、使い方を例文とともに紹介します。意味が似ている言葉の使い方もチェックすれば、状況に合わせて柔軟な表現ができるようになるでしょう。

ことわざ「雨後の筍」の意味と由来、読み方は?

『雨後の筍』という言葉を聞いても、何のことか分からない人もいるのではないでしょうか?意味や由来を知って、言葉への理解を深めましょう。

雨後の筍の読み方は「うごのたけのこ」。漢字の表記も合わせてチェック

『雨後の筍』は『うごのたけのこ』と読みます。たけのこは『竹の子』と表記することもありますが、このことわざの場合は『筍』と表記することを覚えておきましょう。

雨後の筍の意味は「物事が次々に起こること」

『雨後』は漢字から想像できる通り、『雨が降った後』という意味です。『雨が降った後の筍』を『物事が次々に起こること』にたとえて使われます。
『筍』は『竹』と『旬』が組み合わさった漢字で、『旬』には『10日間』という意味があります。筍は成長が早く10日ほどで竹に成長して食べられなくなるため、『雨後の筍=成長が早い』と思われがちですが、実際には意味が異なるため誤用に注意しましょう。

雨のあと次々に出てくる成長の速い筍の性質が言葉の由来

『雨後の筍』の由来は、筍の性質と深い関わりがあります。筍は雨上がりに生える植物です。晴天続きだと収穫量が減り、前日に雨が降ると翌日の収穫量が増えるといわれています。
筍が雨の後に次々と生えることから、『雨後の筍=物事が次々に起こること』の比喩として用いられるようになったのです。雨上がりに地表から顔を出した筍たちをイメージすると、言葉の意味が分かりやすいでしょう。

知っていると便利な慣用句「雨後の筍」の使い方と例文

(出典) photo-ac.com

『雨後の筍』は、実際どのように使われるのでしょうか?使い方を日常とビジネスシーンに分けて紹介します。例文も覚えておくと、状況に合わせてアレンジしやすいでしょう。

雨後の筍の一般的な使い方

『雨後の筍』は、物事が次々に起こる様子を表したいときに使います。後に『~のよう(に)』を付けて使うのが一般的です。例文をいくつか見てみましょう。

  • 若者の間では、雨後の筍のように新しい言葉が生まれており、流行語になることも珍しくない。
  • 副業が認められるようになり、まるで雨後の筍のようにネットビジネスを始める人が増えた。

また、ネガティブなニュアンスを含む場合もあります。

  • 近年は、高齢者をターゲットにした悪徳商法が雨後の筍のように増えている。
  • ネットショッピングが主流になり便利になったのはよいが、雨後の筍のように小売店が潰れていくのは悲しいことだ。

悪いことが次々に起こるときには、それを悲観する・批判するような文脈でもよく使われる言葉です。

ビジネスシーンにおける雨後の筍の使い方は?

ビジネスシーンでは、類似品や類似店が続々と出てくる様子を表すときに使われることが多いでしょう。かしこまった場面では、古語である『~のごとく』という言い回しも使われます。

  • 最初に我が社が目を付けて販売し始めたスーパーフードが、テレビで海外セレブに人気だと紹介された途端、雨後の筍のごとく各メーカーが類似品を販売し始めた。
  • 大人気のカフェをまねて雨後の筍のごとく似た店がオープンしたが、ブームはあっという間に去り期待外れの結果に終わった。
  • さまざまなニーズに合う商品が雨後の筍のように生まれている。数ある商品の中から選ばれるためには、どうすればよいのか考える必要がある。

商売の世界では、各社がしのぎを削って自社に利益が出るよう動いています。現代では新しい商品・サービスや店が台頭するサイクルが速く、『雨後の筍』がぴったりなシーンが多くあるでしょう。

「雨後の筍」の類語・言い換え表現

(出典) photo-ac.com

言い換えられる言葉を覚えておくと、表現の幅が広がり状況に合わせて的確に使い分けられるようになります。主な類語の意味や使い方を、例文とともに確認しましょう。

雨後の筍の類語1:雨後春筍(うごしゅんじゅん)

『雨後春筍(うごしゅんじゅん)』にも『似たようなことが次々起こること』という意味があるため、雨後の筍に言い換えて使えます。

  • 珍しくよく晴れた休日だったこともあり、ビーチには人が雨後春筍のように現れ、座る場所を確保するのも大変なほどだった。
  • トレンドの街として注目され始めたことで、雨後春筍のごとく新しいお店が進出している。

例文を見ても分かる通り、『~のように』や『~のごとく』を付けて使うのが一般的です。ただ、少々硬い表現なので、カジュアルな日常会話にはなじまないかもしれません。

雨後の筍の類語2:ひっきりなし

『絶え間なく続く様子』を表す『ひっきりなし』は、日常会話でもよく登場します。実際に使ったことがある人もいるのではないでしょうか?
『ひっきりなし』は、『手前に引くように切る』という『引き切り』が語源とされています。それが『切れ目』や『区切り』を指すようになり、さらに『なし』という言葉から『切れ目や区切れがない状態』という意味になったと考えられています。

  • 激しい雨がひっきりなしに降り続いているので、なかなか出かけられずにいる。
  • SNSで誤った情報が拡散されたせいで、朝からひっきりなしに苦情の電話が鳴り響いている。

『雨後の筍』と同じく、よくない出来事に関してネガティブなニュアンスで使う場面もあります。

雨後の筍の類語3:相次いで(あいついで)

『相次いで』は、『次々と』『後に続いて』という意味があるため、雨後の筍の類語にあたります。ニュースや新聞で耳にすることも多いでしょう。

  • 異常気象の影響で野菜類が相次いで値上げされており、家計が苦しくなった人が増えているようだ。
  • 今朝のニュースで、昨夜の雪のせいで路面が滑りやすくなって事故が相次いでいると耳にした。

日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使える表現です。『雨後の筍』や『雨後春筍』がしっくりこないシーンでは、『相次いで』に言い換えるとよいでしょう。

雨後の筍の類語4:矢継ぎ早に(やつぎばやに)

『矢継ぎ早に(やつぎばやに)』は、『続けざまに早く行うこと』という意味の言葉です。雨後の筍とは若干ニュアンスが違いますが、短い時間で立て続けに物事が起こる様子を表せます。

  • 責任者が記者から矢継ぎ早に質問され、困惑している様子が見て取れた。
  • 矢継ぎ早に自分の意見を述べるだけでなく、相手の声にも耳を傾けることが大切だ。

もともとは『矢を弓の弦にあてがう動作が素早いこと』を指していました。そこから転じて、短時間のうちに次々と起こるという意味合いになっています。

ことわざや慣用句には、日常生活やビジネスシーンで誰もが感じるちょっとした「あるある」「わかる」という感覚をうまく言い表したものが多くあります。知っていると、人間と言葉への解像度が上がって、毎日を少し楽しくすごせるかもしれません。
この機会に他のことわざ・慣用句もチェックしてみては。

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構成/編集部

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