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ここまで完成度が高いとは!三菱の新型SUV「アウトランダーPHEV」に死角はあるか?

2022.02.12

全方位において、最強のSUVと呼ぶべき、三菱のアウトランダーの新型が登場した。全車PHEV(プラグインハイブリッド)、ツインモーター4WDシステムを核とする新型は、全天候、オールロードで威力を発揮するのは当然として、新世代化したダイナミックシールドを用いた先進的でスタイリッシュな三菱独自のエクステリアデザイン、3列シートを用意した堂々としたボディサイズ、パッケージ、最先端のインフォテイメントシステム、先進運転支援機能などをフル搭載しているのが特徴だ。

そして充電を担う2.4Lエンジンとともに、新制御の三菱自慢の四輪駆動システム=S-AWC、モーター出力とバッテリー容量の増強、先進運転支援システム、SOSコールやオペレーターサービスを含む最新のコネクテッド機能など、あらゆる点で大きく進化。まさに最強・最先端のSUVと呼ぶに相応しい仕上がりと言っていい。その高度なテクノロジーは、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいてテクノロジー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほどである。

さて、ここでは新型アウトランダー(Pグレード)の公道試乗記をお届けする。筆者はこれまで、サーキット、テストコースの試乗も行っているので、初試乗となる公道に加え、公道では試せない領域でのインプレッションも併せて報告したい。

新型アウトランダーは、日産、ルノーとのアライアンスによる新プラットフォームを採用。そのため、パッケージングも一新。その効果をまず感じられるのは、運転席に座った時である。水平基調のインパネを含むインテリア全体の質感は極めて高く、メーターは先代のオーソドックスな2眼メーターから12.3インチの大型フル液晶ドライバーズディスプレィに改められ、ナビゲーションも9インチの大画面スマートフォン連携ナビゲーションが用意されている。頭上には三菱初のSOSコールボタンも備わり、上質感と先進感、そして安心感に包み込まれる前席になっているのだ。

注目すべきは居住感である。先代ユーザーなら、ドライビングポジション、シートのかけ心地が激変していることにも気づくだろう。新型の前席は2層ウレタン構造となり、背もたれのサイズ、サポート部分を大型化(シートバック高は630mmから660mm)。合わせて背もたれ部分の優しく確実なサポート感が絶妙で、かけ心地の良さ、サポート性は劇的に向上。しかも、先代モデルは着座位置が妙にアップライトでインパネを見下ろす感覚で、背もたれは腰の上あたりを不自然に押されているような落ち着きに欠けるかけ心地だったのだが、新型は極めて乗用車的で自然な着座姿勢となっている。先代ユーザーなら、その進化の度合い、違い(ドライビングポジションの低さ、サポート性の良さを含む)に驚くはずである。最上級のPグレードの場合、前席パワーシートのランバーサポートに、断続的に作動し、腰部を刺激してリフレッシュさせてくれるリフレッシュ機能まで付いていたりする。走行中、マッサージをしてくれるようなものである。

先代アウトランダー

その上で、身長172cmの筆者がシートをもっとも低い位置にセットしてもボンネット全体が視界に入り、車両感覚が掴みやすく、全長4710×全幅1860×全高1745mm、ホイールベース2705mmまで拡大されたボディサイズにして運転のしやすさを感じさせるあたりは、道なき道、左右ギリギリの道を安心、安全に走破するための本格SUVに不可欠な機能要件と言っていい。また、前席の乗降性も向上。着座位置から車体外側までの距離が3040mm縮まり、楽な足運びができ、足が地面に着きやすくなったことがポイントだ。しかも、サイドシルガーニッシュを新型は前後席ともにドア側に設けたことで(ドアの下端部がより下までカバー)、雨天、悪路、雪道走行時にサイドシルが汚れにくくなり、乗降時にスカートやパンツの裾を汚すことが防げるようになった点も嬉しい実用性の進化と言える。

前席の頭上スペースは、身長172cmの筆者がシートをもっとも低い位置にセットした場合、サンルーフ付きで先代の140mmに対して170mm。サンルーフなしだと新型は240mmものボックス型ミニバンに匹敵する空間がある。高身長のドライバーも、これなら快適だろう。

3ゾーンオートエアコン(運転席、助手席、後席それぞれに温度、風量調節可)を備える後席にも座ってみる。2列目席は筆者のドライビングポジション背後で頭上に170mm(先代130mm)、膝周りに250mm(先代230mm)もの余裕がある。フロアは4WDにしてほぼフラットだから、足元すっきり。先代の弱点の一つとして指摘されていた2列目席のかけ心地、ホールド感も見事に向上。具体的にはウレタンパッドの硬度、形状、厚み、フレームレイアウトを最適化するとともに、背もたれの高さを610mmから660mmに高めたことで、肩口までしっかり包まれるシート形状になっているからだ。なお、フロアからシート前端までの高さ=ヒール段差は先代と同じ330mmである(着座、立ち上がりのしやすさを考えるともう少し欲しいところ)

先代のPHEVモデルに設定されていなかった(ガソリン車のみの設定)3列目席はどうか(Pグレードに標準。Gグレードは2/3列が選択可)。想像通り、リアドアのサイドシル高こそ480mmとそれほど高くないものの、2列目席ウォークイン状態での乗降幅は最小約130mmと狭く、かなりアクロバティックな乗降姿勢を強いられる。シートサイズが座面長360mm、幅1040mm、シートバック高440mmとなる格納前提の3列目席に着座しても、筆者基準で頭上に20mm、膝周りは2列目席スライド最後端位置(2列目席膝周り空間250mm)0mm2列目席を前にスライドして、2列目席に大人が無理なく座れるギリギリの膝周り空間にセットすれば110mmのスペースが確保されるものの、フロアは後ろ上がりで足元は窮屈。ヒール段差も270mmでしかないため、膝を抱える体育座り的着座姿勢になる。三菱としては身長160cm以下の着座を推奨としていることもあって、身長172cmの筆者であれば、ごく短時間ならなんとかガマンして座っていられる緊急席レベルと言っていい。子供やペット、荷物スペースとして、あるいは格納してラゲッジスペースを拡大して使うのが正解だろう。どうしても3列目席を実用的に使いたいというなら、PHEVはないものの、クリーンディーゼルの、ミニバンの皮を被ったSUV”と表現できる、3列目席を含めた室内空間のゆとりと走破性を両立した唯一無二のデリカD:5を候補に挙げるべきだろう。

とはいえ、ラゲッジルームの使い勝手で見ると、PGグレードの7人乗り、3列シートでも、2列目席をフラットに格納した状態であれば、ラゲッジルームの使い勝手では5人乗り、2列シートの差はない。寸法としては、開口部地上高780mm(先代720mm)、開口部幅1150mm(先代1020mm)、開口部高790mm(先代780mm)。フロアは奥行き220mm(3列シート3列目席使用時)970mm(3列シート3列目席格納時&2列シートモデル/先代980mm)、フロア幅980mm(3列シート3列目席使用時)1070mm(3列シート3列目席格納時/先代1000mm)、天井高980mm(先代780mm)と、最新の後突安全基準によって、バンパー位置とともにフロア高こそ高まっているものの、ラゲッジルームの容量は拡大。2/3列シートともに、2列目席まで格納すれば、車中泊も可能なベッドスペースが出現する(身長175cmの大人が真っすぐ寝られることを確認済み)

さて、EV走行可能距離がWLTCモードで83km(PGグレード。Mグレードは87km)、実質約6570kmはモーターだけで走れ(EV走行最高速度135km/h。先代は約5565km)、バッテリー満充電+ガソリン満タンで約1000kmの航続距離を誇る、S-AWC+最低地上高200mmの新型アウトランダーの公道試乗である。

走り出す前に確認しておきたい走行モードは多彩で、まず、高級感あるダイヤル式ドライブモードセレクターは左から時計回りにパワー、エコ、ノーマル、ターマック(ここまでが常用)、悪路、雪道用のグラベル、スノー、マッドの7種類。セレクター中央には安心して下り坂を降りるためのヒルディセントコントロールも用意する。

さらにPHEVではおなじみのEVスイッチ、そして三菱初のワンペダル機能=イノベーティブペダルオペレーションモードを完備(完全停止はせず)。もちろん、先代同様、回生レベルをコントロールできる、一般的なパドルシフトのようにも使える回生レベルセレクターをステアリンク奥に配置。そのすべてを的確に使いこなすには時間がかかりそうだが、ドライブモードに関しては、各モードにセットすると走行シーンをイメージできるイラストとモード名がメーター内に大きく表示されるため、分かりやすい。ちなみに回生レベルセレクターは、イノベーティブペダルオペレーションモード、およびACC(アダプティブクルーズコントロール)使用時には機能しない。

ドライブモードセレクターのデェフォルトモードとなるノーマルモードで走り出せば、先代モデルの運転、試乗経験も豊富な筆者としては、まずはすでに報告した、自然なドライビングポジション、シートのかけ心地の良さに加え、高出力ツインモーター4WDによるモーター駆動のウルトラスムーズかつ力強い加速感、圧巻の静かさ、そして先代モデルにあった、良路でも気になるステアリング、ペダル、フロアの微振動が見事に解消されていることに感動するしかなかった。

加速時に2tを超える車重をまったく感じさせず、身軽で爽快なドライブフィールを味わせてくれるのは、もちろん、駆動力となるモーターのパワー、トルクアップの恩恵によるところが大きい。具体的には、エンジンの最高出力が5ps増しの133psとなり、フロントモーターは60kWから85kWに、リヤモーターも70kWから100kWに。また、駆動用バッテリーは13.8kWhから20kWhへと増強しているのだ。

乗り心地にしても、高い車体剛性(部分によって最大40%UP)、足回り剛性の高さを始め、先代のトレーリングマルチからマルチリンクにグレードアップされたリアサス、ワイドトレッド化もあって、255/45R20サイズという大径タイヤ(転がり抵抗と燃費に特化したBSエコピア)を履いていながら、実に滑らかで体にやさしい乗り味を示してくれる。筆者が先代の乗り心地に感じていた乗り味の華奢な感覚もほぼ払拭。車体、足回り剛性の高さはもちろん、本革ステアリングの太さを増した頼りがいあるグリップ形状もその理由と考えられそうだ。

ただし、市街地走行でキツい段差を乗り越えたときの、足回りから入ってくる音、振動は、今や三菱自動車の役員も乗られる三菱のフラッグシップモデルとして、もう少しレベルアップしてほしいと思えたのも事実。また、うねり路で乗員が左右に不自然に揺すられる挙動も要改善点と言えそうだ(稀な特定の路面で発生した)

とはいえ、市街地走行全般では、圧倒的に低く自然になったドライビングポジション、シートのかけ心地とホールド感の良さ、そしてフラットかつ上質で快適な乗り心地と電動車ならではの静かさによって、三菱のフラッグシップモデルとして、先代より2クラス上のSUV、クルマに乗っているかのような気分にさせられたのも本当だ。

高速走行では、速度を高めても比較的軽めのパワーステアリングがしっかりと直進感を維持。ステアリングに軽く手を添えているだけで悠々と直進する。これまでのサーキットやテストコースでの試乗経験から言えば、超高速域でもドライバーの緊張感は皆無に近い。それもまた、全車速域で常に前後輪の駆動力を最適化してくれるS-AWCの威力と言っていいだろう。全グレードに標準装備される先進運転支援=MIパイロットに含まれるACCの作動にもまったく不満はなく、作動時にカーブや標識を認識し、カーブの手前などで車速を自動制御(減速)してくれるナビリンク機能(日産のプロパイロット1.5相当)にも満足できた。なお、新型アウトランダーには、電子パーキングブレーキはもちろん、オートブレーキホールド機能も備わる。

今回の公道試乗では、ドライブモードのエコ、ノーマル、そしてより活発な走りを楽しみたいときにセットすべきターマックモードを試した。エコモードでも一般道の交通の流れをリードできるモーター―パワーを発揮してくれるし、ステアリングを切ると、まるでスポーティカーのように向きを変えてくれるダイナミック感ある操縦性も新型ならではの見どころだ。

さらにパワーモードは直線番長的な強力な加速力を発揮。回生レベルがもっとも強いB5になるターマックモードにセットすれば、アクセルレスポンスが高まり、加速力が増すとともに、パワーステアリングのアシスト量が抑えられ、AYC(S-AWCに含まれるアクティブヨ―コントロール)のゲインを増大させ、最大前後30:70というリア寄りの駆動力配分となる。結果、山道を爽快に走るような場面で生きる、曲がりやすさ、旋回性能をMAXとした、重量級ミドルサイズのSUVらしからぬスポーティかつファンな走り、リアからググッと押されるFRレイアウトのクルマのようなダイナミクスに特化した走りが味わえることになる。

が、ターマックモードでは、自然と走行スピードが高まってしまうことと、S-AWCの制御がほかのモードより早期に入る(開発陣談)ため、タイヤが滑り出している場面で制御がやや唐突に感じられることがある。言い方を変えれば、クルマが一瞬、ヨレるような挙動を示すのだ。これは制御の介入に加え、グリップより転がり抵抗を重視した、エコスペシャルタイヤのBSエコピアのタイヤ特性によるものと思われる。開発陣にその点を聞いたところ、その現象は把握しているとのこと。タイヤのチョイスとともに、制御の調整を求めたいところである。念のために言っておくと、それはサーキットやテストコースのS字路を攻めるように走った時の話であり、一般道でジェントルに運転をしている限りは、まったく気にならないはずの現象と言える。当然、今回の公道試乗では、高速道路のカーブを含め、終始、安定感たっぷりに走ってくれた。

というわけで、新型アウトランダーの進化は目覚ましいの一言だ。車格、デザイン性、室内空間の先進感とゆとり、シートのかけ心地の良さ(1/2列目席)、居心地の良さを始め、乗り心地、電動車ならではの動力性能、快適性、S-AWDによる抜群の操縦安定性、SUVの本領発揮と言える三菱自慢の走破性能、そして装備の先進性、充実度といった全方位において、想像を大きく超えた三菱渾身の新型と言っていい。

PHEVは充電なしでもエンジンによる発電によるハイブリッドモードで走ることができるが、もちろん、充電もできる。その時間は200Vの普通充電で満充電まで約7.5時間。急速充電では約38分で80%の充電が行える(直接的ライバルになりうるRAV4 PHV100/200Vの普通充電のみに対応)

全グレードにAC100V/1500Wコンセントを備え、給電も可能だから、アウトドアや災害時にも、オールラウンダーな動く電源車として大いに役立ち、頼りになってくれることだろう。災害、地震大国の日本において、走りの良さはもちろんとして、なくてはならない最強・最善の日本車であり、絶大なる安全性能、安心感、そしてモーター駆動ならではの快適感によって、家族や仲間、愛犬とともに、どこまでも、いつまでも走り、ステアリングを握っていたくなる1台だと断言できる。選ぶべきはGグレード以上。約500万円からの価格に納得でき、ボディサイズが許容範囲なら、迷うことはない。

三菱アウトランダー
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/outlander_phev/

文・写真/青山尚暉

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