東海汽船は2022年2月1日から3月27日までの約2か月間、東京(竹芝客船ターミナル)から館山(渚の駅たてやま)間のジェット船「セブンアイランド」の季節運航を開始している。
実はこの路線、新型コロナ感染拡大の影響もあって2年間ぶりの再開。しかも、かなりお得な割引や特典があることで注目されている。
高速ジェット船の魅力
ジェット船の魅力は、船体が水中翼で浮き上がって航行するため、波の影響を受けずほとんど揺れないこと。その名の通り、ジェットエンジンにより約80㎞/hのスピードを出せるので、東京から館山への航行時間は約75分!
列車で同様の区間(東京駅~館山駅)を利用すると軽く2時間以上。マイカーでアクアラインと館山道を休憩なし+渋滞なしで走っても1時間30分以上かかるため、時間の優位性は明らかだ。
高速で航行する宿命上、デッキに上がって海風を感じることはできないものの、快適なシートに座り、東京湾を航行する他の船を眺めるなどしていれば、あっという間に着いてしまう感覚だ。
*東海汽船は高速ジェット船を「セブンアイランド」として、カラーリングの異なる4隻(結・愛・友・大漁)運航している。当日、どの船が割り当てられるかはお楽しみに。
往復予約が絶対お得
気になる運賃は、東京~館山の片道正規で4610円(3月は4490円)。つまり、往復すれば9000円越えになってしまうが、事前予約による東京発着の往復きっぷ4日間有効)なら約45%オフの5000円という破格値が設定されている。
さらに、特典として館山で電動アシスト付き自転車の無料レンタル(要予約、8台限定)が付いているので、現地の手軽な足として利用することができる。
観光協会では花海街道サイクリングと銘打ち、初心者向け(約12㎞)から上級者向け(約120㎞)まで8コースを紹介しているので、そちらを参考にするのもいいだろう。
市内の下町交差点から南房総市和田町までの海岸線沿いの約46㎞は房総フラワーラインと呼ばれ、とくに洲崎灯台から先の伊戸~相浜までの約6㎞は美しい花々が沿道を彩ることも覚えておきたいポイントだ。
渚の駅たてやまの楽しみ方
館山での発着に利用される「渚の駅たてやま」は、館山を訪れた人々の交流拠点施設として整備されている。到着してすぐ現地情報を得ることができるほか、館山湾を一望する展望デッキ、500mもの長さを誇る館山夕日桟橋からの眺めも最高。
房総の漁業に関する文化などを紹介する「渚の博物館(旧県立安房博物館)」、館山湾に生息する生き物を展示する「海辺の広場」、駅の名誉館長、さかなクンの「ギャラリー」などの見学施設。
房総の産直品が並ぶ「海のマルシェたてやま」や、「なぎさ食堂」もあるので、お土産選びにも役立つ。
乗り継ぎで大島観光もOK
なお、東京から館山行きのジェット船の最終目的地は大島なので、館山発着大島往復きっぷ(往復5000円、有効期間4日間)も用意されている。ほか、館山~大島のジェット船に加え、大島でのバス1日乗車券とお弁当が付いた「椿まつりフリーパック」(8000円)など、各種お得なツアーがあるので、詳細は東海汽船や館山市のホームページから確認を。
*新型コロナ感染対策として営業制限のある施設もあります。最新情報は同施設のホームページで確認を。
取材・文/西内義雄