小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

日本の企業にイノベーションが生まれにくい理由

2022.02.13

イノベーションの仕組みを整えている企業は少数

 イノベーションというのは、なにも新製品だけではありません。モノや仕組み、ビジネスのやり方などにも、新しいアイデアや技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会に変革をもたらすことを指します。今注目されているDX(デジタル・トランスフォーメーション)も、デジタル技術を使ったイノベーションといえます。

 イノベーションを起こすのは企業に限ったことではありませんが、GAFAのようなアメリカのIT企業が実現した数多くのイノベーションに代表されるように、一般的には企業が率先してイノベーションを生み出す努力をしています。

 しかし、日本の企業においては、本当のイノベーションを起こしているところは少ないように思えます。

 アメリカの大手経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループによるイノベーションに関する調査レポートの最新版『Most Innovative Companies 2021』(2021年4月15日発表)では、「イノベーション企業ランキングトップ50」において、日本企業はソニー(9位)、トヨタ自動車(21位)、ファーストリテイリング(33位)、三菱商事(45位)の4社がランクインしているのみです。

 またそのレポートでは、日本企業におけるイノベーションの成熟度について「日本企業はイノベーションの重要度は理解しているものの、実際に投資を増やし、イノベーションの仕組みを整えている企業は少数にとどまる」と報告しています。

 なぜこのような状況が起こってしまっているのでしょうか。

イノベーションの強敵は「うちの会社のやり方」

 これは一言でいうと、日本の企業は同質性が高い文化、または同質性を高めないとその場にいにくい文化になってしまっているためです。

 イノベーションというのは、その定義からして、今までと違うことを発想として持つだけではなく、その新しい発想を企業の中に浸透させ、事業として発展させていかなければいけないものです。

 新しい発想を思いついた人がそれを実行するためには、会社およびその内部の人たちに対して、それまでの自分たちがやってきたこととは180度違うことを提案することになります。それくらい違わなければイノベーションとは呼べません。

 しかし、日本の企業のほとんどには「うちの会社のやり方」というものがあり、それは実際のところ海外の企業も同様なのですが、海外企業と比べても、日本の企業は自社の企業文化ややり方に対してこだわりがさらに強い。そのこだわりが強い中で違うことをやろうとすると、もはやそれが必要か、正しいことかどうかではなくなります。違うことをやろうとすること自体に対する反発や注目の集まり方が半端ではなくなる、という意味です。

 同質性が高い文化の中では、発想も似通ってくるため、そもそも新しいアイデア自体が生まれにくい状態です。多様性というのは、国籍や性別に配慮しようという意味で必要なのではなく、まさに新しい視点を入れたイノベーションのための戦略なのだと、正しく理解されている日本企業はまだまだ少ないと言えます。

 その上、新しいアイデアが浮かんだとしても、下手なことを言って反発されたくないな、変な注目を集めたくないなという思いが出てしまい、そのアイデアを口に出すこともなく終わってしまいます。そうすることが、その企業でこれから長く働いていくためにも、一番楽だからです。そのため、企業におけるイノベーションの種は、芽が出ないままに終わってしまうわけです。

 同質性が高い企業文化というのは、チームワークやコミュニケーションなどにおいては良い面も多いのですが、ことイノベーションに関しては、弊害が多いといえます。

自分を「強制リセット」する

 では、新しいアイデアを考えついた人が、または自らイノベーションを起こしたいと考えている人が、同質性が高い企業文化の殻を打ち破ってイノベーションに向かって進んでいくにはどうしたらいいでしょうか。

 一つの方法として、社内での自分を「強制リセット」をすることが挙げられます。

 このままでは自分自身が会社の企業文化に染まりきってしまって、新しいことができなくなってしまうと思ったら、部署の異動願いを出したり、社内のジョブポスティング(社内で人材を募集したいポジションの公募制度)に応募したりするなどして、仕事の流れを変えるのも手です。もしそれが無理だったら、転職を考えてもいいでしょう。

 そのようにして、これまでとは違う部署の仕事を体験することで発想の引き出しを増やし、同じようにイノベーションに前向きになっている仲間を探してみてください。

 そういう人とお互いに自分が発想したことの話をすると、一人だけで考えていた時とはまた違った新たな発想が出てくるだけでなく、仲間がいるという心強さから、社内からの反発に対する恐怖心も薄れてくるはずです。

 そもそもイノベーションとは一人だけでできるものではなく、周りを巻き込んで初めて達成できるものです。ぜひ、社内に多くの同じ意志を持った仲間を増やしていってください。

文/太田信之

OXYGY株式会社 代表取締役/アジアパシフィック代表パートナー。1966年、東京都出身。国際基督教大学卒業後、ソニーに入社。イタリア駐在時にマーケティング部門でマネジャーを務める。その後、GEにて事業開発や事業統合の業務を経験。複数のコンサルティングファームを経て、外資系コンサルティングファームのValeocon Management Consultingのアジア代表に就任。同社経営陣の一員として、M&AによりOXYGYを設立、アジアパシフィック代表を務める。2019年から現職。専門セクターは、ライフサイエンス、製造業(特に素材、部品、食品)。実施内容は会社、事業単位でのトランスフォーメーション

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2022年6月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「LEDテープライト250」! 特集は「超快適ウエアラブル」「最新EV図鑑」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。