テレリモ総研「コロナ禍における飲み会に対する意識の変化に関するアンケート調査」
上司や部下、同僚とのコミュニケーションを図る目的や、あるいはクライアントとの関係構築に用いられる飲み会。日本におけるビジネスシーンでは仕事の一環と捉えられる傾向があった。
ところが、近年の新型コロナウィルス流行に伴い、会食が難しい世の中に変化してきた。コロナ化で急速に飲み会が減少したことにより、人々の意識にも変化があったのだろうか。
そこで、LASSIC(ラシック)が運営するWEBメディア「テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)」は、コロナ禍における飲み会に対する意識の変化に関するアンケート調査を全国20歳〜65歳の男女を対象に実施した。
■「飲み会に参加しない」割合が2倍に。新型コロナ流行後、参加頻度は激減
新型コロナ流行以前、流行後の飲み会の頻度について、結果はそれぞれ以下の通りとなりました。
新型コロナ流行以前
新型コロナ流行後
新型コロナ流行以前は、月に1回以上飲み会に参加している人が4割を超えていた。一方、流行後は、飲食店での飲酒の規制、自粛の影響などを受け、飲み会の頻度が大幅に減少し、全体の1割程度にとどまった。また、「飲み会に参加しない」と回答した人も男女ともに2倍に増加していることが分かった。
対面での飲み会が制限されたことで、自宅から参加できる「オンライン飲み会」が一時話題となったが、実施方法にかかわらず飲み会に参加しない人が増えているようだ。コロナ禍を機に、飲み会に対する意識が変化してきていると言えそう。また、飲み会に参加しないことへのハードルが下がったと感じている人も多いのかもしれない。
■消極的な意見が多数派も、20代、50代~60代の4割 頻度を戻すことに前向き
続いて、「コロナ流行収束後、流行以前の飲み会頻度に戻したいか」についてアンケートを実施した。年齢別の調査結果は以下の通り。
20代、50代、60代は「頻度を戻したい」「どちらかといえば頻度を戻したい」と回答した人があわせて4割を超えた。30~40代と比較し、飲み会の頻度を元に戻したいと回答した人の割合が多く、その理由として次のことが推測される。
20代は新卒をはじめとした若手層ということもあり、社内外問わず人間関係構築を必要としている層。飲みニケーションを利用して同僚や上司との関係性を深めたいという背景があるのではないだろうか。
また、50代~60代は、飲みニケーションが盛んだった世代ということもあり飲み会に抵抗が少ない、もしくは仕事の一環と感じている割合が多いのかもしれない。
一方、30代~40代はすでにある程度の人間関係が構築されている場合が多いこと、また子育て世代に該当することから、コロナ禍で飲み会がなくなり家族と過ごす時間が増え、今後もその時間を確保したい、プライベートを優先したいと考える人が増えていることが影響しているのではないだろうか。
全体総括
今回のアンケート調査の結果から、コロナの流行以前と比較し、「飲み会に参加しない」という考えの方が増えていることがわかった。飲み会参加による感染リスクを避けるためと推測される。流行終息後も「飲み会の頻度を戻してほしくない」と考えている人は3割以上にのぼり、「参加しない」を含めると6割を占めている。
その一方、「飲み会」を有効活用したい、復活させたいという人も一定の割合を占めていることが分かった。年代ごとのニーズや立場の違いも明らかとなっている。
テレワークの広がり、新型コロナの流行によって「飲み会」に対する考え方にも変化が生じつつある。仕事上のコミュニケーション促進を目的とした飲み会を必要と感じる人もいれば、そうでない人もいる。
コロナ禍によってそれが浮き彫りになったのではないだろうか。終息後は、世代ごとの傾向や、個人の考えを踏まえ、飲み会の在り方をそれぞれの企業、組織に最適化することが求められているのかもしれない。
調査概要
調査期間:2021年8月30日~2021年8月31日
調査対象:全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1035名
調査方法:インターネット調査
関連情報:https://www.lassic.co.jp/
構成/DIME編集部