もはや博物館のような雰囲気のビックボーイ第一号店
赤白のチェックのオーバーオールを着ているマスコットキャラクター「ボビー」が有名な、アメリカ発祥のファミリーレストラン「ビックボーイ」。アメリカ全土に74店舗、日本で200店舗以上展開。知名度抜群のファミリーレストランだが、その原点ともいうべき、世界最古の運営しているビックボーイのランドマーク的店舗を訪ねる。
ビックボーイの名前の由来はユニーク
ボブ・ヴィアン氏がアメリカのグレンデール市にビックボーイの基盤となる店舗「Bob’s Pantry」をオープンしたのは1936年。
今ではビックボーイの名物メニューになっている「ダブルデッカーバーガー」だが、当初はまだ2つのパテが入ったボリュームたっぷりのハンバーガーに人々は馴染みがなく、なかなか受け入れられなかった。
しかし、ひとりの男の子がこのダブルデッカーバーガーの大ファンに!そして、そこ男の子のニックネーム「Big Boy」を店名にいれ「Bob’s Big Boy」に店名を変え、その男の子をモデルにマスコットキャラクターが作られた。その後、だんだんこのハンバーガーが反響を呼ぶようになり、フランチャイズ展開されるようになった。
世界最古のビックボーイレストラン
ビックボーイレストランのなかで、現存する最古のレストランが、カリフォルニア州のバーバンク市にある。1949年にオープンしたこのレストランは、グーギー建築で有名な建築家ウェイン・マカリスター氏が建築。レトロ感がある独特な建物は「カリフォルニアの歴史的建築物」にもなっている。
人目を引き付けるレトロな大きな看板や、ネオンサインは古きよきアメリカを感じ、外観を見るだけでも一見の価値があるが、内装も昔ながらのダイナーの雰囲気が残っており、温かみを感じる。
著名人が訪れたことや映画のロケーション地としても有名
映画の都「ハリウッド」にほど近いバーバンク市には、ワーナーブラザース・スタジオやウォルト・ディズニー・スタジオズなど、映画やテレビ関係のスタジオが多く点在する。
そのため、このレストランも多くの著名人が通っていたことでも有名だ。店内には所狭しと、このレストランにゆかりがある人の写真が飾られている。
その中には1965年新しいアルバムのプロモーションで来米していたビートルズのモノもあり、彼らが座った席は今でも「ビートルズブース」として多くの人がこの席を目当てに訪れている。
また、ロバート・デ・ニーロ主演の映画「ヒート」では撮影のロケ地、コメディー映画「オースティン・パワーズ」では、マスコットキャラクター「ボビー」がロケットに使われていたりと、数々の映画にも登場している。
名物のダブルデッカーバーガーとシェイク
1936年オープン当初より続く名物の「ダブルデッカーバーガー」。今では多くのバーガーショップで販売されているパテ2枚のボリュームたっぷりのハンバーガーもここが原点だ。
また、ここのシェイクも殺人的に甘いが、病みつきになる人も多く、これを好んで通う人も多い。シェイクはオーダーすると、シェイカーのステンレスカップもグラスと共に出される。要するにシェイクのお替り分がステンレスカップに入っているのだ。
普段はあまり甘いドリンクを飲まない筆者だが、ここに来るとシェイクを頼んでしまう。それほど中毒性があり、病みつきになってしまう。
ただし、アメリカと日本のビックボーイレストランのメニューは違うため、残念ながらこれらのメニューは日本では食べれないが、アメリカに旅行に来ることがあればぜひチャレンジしてほしい。
店内には、著名人の写真のほかにも、オープン当時の写真やメニューなども飾られ、ビックボーイ博物館のようになっている。
今でも、店内の片隅にあるギフトショップでマスコットキャラクターの人形型貯金箱が販売されているが、歴代のボビー人形も飾られている。
レトロ感たっぷりのレストラン
毎週金曜日の夜は、昔ながらのドライブインレストランが復活し、「クラッシックカーショー」が行われている。外観、店内を見るだけでも充分レトロ感が味わえるが、この日は駐車場にクラシックカーがずらりと並び、タイムスリップした気分が味わえる。
筆者はアメリカに住んでいるが、実は「ハンバーガー」はあまり好きではない。しかし、ここのハンバーガーは今風の変わった具材やタレを使用しておらず、懐かしい味がする。
常連客も年配の人が多く、レトロ感たっぷりの世界最古のビックボーイ。ちょっとタイムスリップした気分を味わい人はぜひ訪れてみてほしい。
Bob’s Big Boy (ボブズブズ・ビックボーイバーバンク店)
4211 W Riverside Dr, Burbank, CA 91505
文/舟津カナ
編集/inox.