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運転免許の返納を嫌がる親に返納を強制することは法的に問題はない?

2022.02.08

年齢を重ねていくに連れて、自動車の運転に必要な注意力が徐々に低下することは、誰であっても避けられません。

特に、親世代が70代・80代と高齢に差し掛かっている方は、交通事故のリスクを防ぐため、ご両親に免許を返納してほしいとお考えの場合もあろうかと思います。

現行の法律上、運転免許証の返納を強制することはできません。

しかし、自主返納には各種特典が設けられています。

事故のリスク等と併せて、利用可能な特典の内容をご両親に紹介すれば、返納について納得してもらえるかもしれません。

今回は、高齢運転者の免許更新手続きの流れや、運転免許証の自主返納のメリットなどをまとめました。

1. 運転免許証の返納を強制することはできない

運転免許の返納は、あくまでも運転者が自主的に行うものです。

そのため、家族などの判断により、強制的に運転免許証を返納させることはできません。

交通違反によって、免許取消しの事由に該当したために、行政処分によって強制的に運転免許証が失効することはあり得ます。

しかし、そのような事由がないにもかかわらず、家族などの判断だけを根拠として運転免許証を失効させることは、過度な権利の制限に当たる可能性があります。

そのため、家族などの判断による強制返納を法制化することは、現実的に難しいのです。

2. 高齢運転者の免許更新手続きの流れ

高齢運転者は交通事故を起こすリスクが高いという統計データを踏まえて、70歳以上の高齢運転者については、運転免許証の更新時に特別の手続きが設けられています。

2-1. 70歳から74歳の更新時|高齢者講習

70歳から74歳の方が運転免許証の更新を行う場合、高齢者講習を受講する必要があります。

70歳から74歳の高齢者講習は、以下の内容で実施されます。

講習時間は2時間です。

・DVD等による講義
・機材を用いた動体視力、夜間視力、視野の測定
・実際に車を運転している様子をドライブレコーダー等で記録し、映像を確認しながら、指導員から助言を受ける

2-2. 75歳以上の更新時|検査+高齢者講習

75歳以上の方が運転免許証の更新を行う場合、まず認知機能検査を受ける必要があります。

認知機能検査の結果は、以下のとおり、第1分類から第3分類の3段階に分かれています。

第1分類:記憶力・判断力が低くなっている
第2分類:記憶力・判断力が少し低くなっている
第3分類:記憶力・判断力に心配がない

認知機能に問題がない第3分類の場合、その後は70歳から74歳の更新時と同様に、2時間の高齢者講習を受講します。

一方、認知機能にやや問題がある第2分類の場合、高齢者講習の時間が3時間に延びます。

第2分類の高齢者講習では、第3分類の高齢者講習の内容に加えて、運転に関する個人指導などが行われます。

認知機能の低下が進行している第1分類の場合、臨時適性検査または主治医等の診断により、認知症かどうかのチェックが行われます。

認知症でないことが確認できれば、第2分類と同様に、3時間の高齢者講習を経て運転免許証が更新されます。

これに対して、認知症であることが確認された場合、運転免許証の更新が認められません。

3. 交通違反時にも臨時の検査・高齢者講習が実施される場合あり

75歳以上の運転者が、以下のいずれかの交通違反を犯した場合、臨時認知機能検査が義務付けられます。

・信号無視
・通行禁止違反
・通行区分違反
・横断等禁止違反
・進路変更禁止違反
・しゃ断踏切立入り等
・交差点右左折方法違反
・指定通行区分違反
・環状交差点左折等方法違反
・優先道路通行車妨害等
・交差点優先車妨害
・環状交差点通行車妨害等
・横断歩道等における横断歩行者等妨害
・横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
・徐行場所違反
・指定場所一時不停止等
・合図不履行
・安全運転義務違反

臨時認知機能検査の結果、認知能力の低下が見られなければ(第3分類相当)、引き続き免許証を保持できます。

一方、認知能力の低下が見られる(第2分類相当の)場合には、臨時高齢者講習の受講が必要です。

さらに、認知能力の低下が顕著な(第1分類相当の)場合には、臨時適性検査または主治医等の診断により、認知症でないことが確認できなければ、運転免許証は停止または取り消されてしまいます。

4. 運転免許証を返納すると、各種特典あり

運転免許証を自主的に返納すると、「運転経歴証明書」の交付を受けることができます。

参考:
運転経歴証明書について|警察庁

運転経歴証明書は、運転免許証と同様に、公的な本人確認書類として利用できます。

さらに、運転経歴証明書を提示すると、自主返納の趣旨に賛同している自治体や事業者から、各種の特典を受けられる場合があります。

運転経歴証明書の保有者が受けられる特典の例は、以下のとおりです。

・タクシーやバスなどの運賃割引
・金融機関の金利優遇
・百貨店、飲食店、娯楽施設などの優待
・美術館、博物館などの入館料割引
など

以下のサイトでは、都道府県ごとに利用可能な特典がまとめられています。

適宜ご参照のうえ、運転経歴証明書を活用して、ぜひ生活を充実させてください。

参考:
運転免許証の自主返納をお考えの方へ~各種特典のご案内~|高齢運転者支援サイト

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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