会計が迅速に済むか、ポイントがたくさん貯まるか、お得なキャンペーンがあるかなど、スマホ非接触決済サービスを選ぶ基準は様々だ。そういったいくつもの条件を総合的に見て、もっとも満足度の高いサービスとは、いったい、何なのだろうか?
MMD研究所はこのほど、「2022年1月スマートフォン決済(非接触)利用動向調査」においてスマホ非接触決済サービスの6サービスのメイン利用者18歳~69歳の男女900人※を対象に2022年1月1日~1月5日の期間で「2022年1月スマートフォン決済(非接触)の満足度調査」を実施した。調査結果は以下のとおり。
※モバイルSuica(n=150)、iD(n=150)、楽天Edy(n=150)、QUICPay(n=150)、nanacoモバイル(n=150)、モバイルWAON(n=150)(「2022年1月スマートフォン決済(非接触)利用動向調査」の利用者数順に表示)
スマホ非接触決済サービスを知ったきっかけの上位は「公式サイト」「店舗の案内やポスター」「関連アプリ上での案内」
スマホ非接触決済サービスの6サービスをメイン利用している18歳~69歳の男女900人を対象に、現在メインで利用しているスマホ非接触決済サービスを知ったきっかけを聞いたところ、「公式サイト」が17.6%、次いで「店舗の案内やポスター」が13.6%、「関連アプリ上での案内」が10.2%という結果になった。
これをサービス別(各n=150)に上位5位までの項目を抜き出してみると、モバイルSuica、iD、楽天Edyのトップは「公式サイト」、QUICPayは「関連アプリ上での案内」、nanacoモバイル、モバイルWAONは「店舗の案内やポスター」という結果になった。
スマホ非接触決済サービスを使い始めた理由は?
スマホ非接触決済サービスの6サービスをメイン利用している900人を対象に、メインで利用しているスマホ非接触決済サービスを使い始めた理由を聞いたところ(複数回答可)、「会計がスピーディーに終わるから」が32.6%、次いで「ポイントがたくさん貯まるから」が28.0%、「クレジットカード登録をすればカードを出さなくて済むから」が22.7%となった。
これをサービス別(各n=150)に上位5位までの項目を抜き出してみると、モバイルSuica、iD、QUICPay、nanacoモバイルのトップは「会計がスピーディーに終わるから」、楽天Edy、モバイルWAONは「ポイントがたくさん貯まるから」という結果になった。
スマホ非接触決済サービスの利用頻度が最も高いのは「iD」「モバイルWAON」
スマホ非接触決済サービスの6サービスをメイン利用している各サービス利用者(各n=150)に、そのサービスの利用頻度を聞いたところ、「1週間に1回以上利用する」という回答は各サービス別で、「iD」と「モバイルWAON」が68.0%、「楽天Edy」が66.0%、「モバイルSuica」が62.0%、「QUICPay」が60.0%、「nanacoモバイル」が54.0%となった。
スマホ非接触決済6サービスの総合満足度1位は「モバイルWAON」
スマホ非接触決済サービスの6サービスをメイン利用している各サービス利用者(各n=150)に、メインで利用しているスマホ非接触決済サービスの満足度を「お得部門」「アプリデザイン部門」「利便性部門」「信頼部門」の4部門においてそれぞれ聞いたところ、お得部門、信頼部門は「モバイルWAON」、アプリデザイン部門、利便性部門は「モバイルSuica」がそれぞれ部門トップとなり、総合満足度は「モバイルWAON」がトップとなった。
各部門で聞いた項目は下記となる。
「お得部門」…キャンペーンの頻度、ポイント還元率、還元されるポイントの分かりやすさ
「アプリデザイン部門」…操作の分かりやすさ、利用した金額(残高)の分かりやすさ、見た目の良さ
「利便性部門」…使える場所(店舗・EC)の多さ、店員の理解度、チャージ方法の豊富さ
「信頼部門」…セキュリティ、企業の信頼性、使える場所の分かりやすさ
スマホ非接触決済6サービスのNPSは-37.4、NPS1位は「モバイルWAON」
スマホ非接触決済サービスの6サービスをメイン利用している各サービス利用者(各n=150)に、メインで利用しているスマホ非接触決済サービスを家族や友人におすすめしたいかどうか10点満点の点数をつけてもらい、NPS(ネット・プロモーター・スコア/顧客推奨度)を出したところ、9点から10点をつけた推奨者は12.2%、7点から8点をつけた中立者は38.1%、0点から6点をつけた批判者は49.7%となり、推奨者から批判者を引いたNPSは-37.4となった。サービス別のNPSは「モバイルWAON」が-31.3で最も高い結果となった。
おすすめの点数を付けた理由をフリー回答で聞いているため、一部抜粋して紹介。
<モバイルSuica>
●推奨者
「鉄道にも買い物にも使えてすごく使い勝手が良いから。(20代・男性)」
「幅広い場所で使えるから(20代・女性)」
●中立者
「非常に便利。でも、QR決済などと比べて、ポイント還元などがないので、少し残念。(40代・男性)」
「つかえる場所が多いのと、チャージが楽だから。(30代・女性)」
●批判者
「ポイント管理に必要なサイトの登録とアカウント連携が複雑だし2つ以上のアカウント作成は気軽に勧められない。ポイント還元を無視すれば簡単に使えるがオトクさがなくなる。そういう面倒なところが理由。(50代・男性)」
「アプリが不安定で、使い勝手が悪いから。特に電車内でグリーン券を購入してタッチするときにしばらく時間がかかったり、店舗でチャージするときに時間がかかる。(40代・女性)」
<iD>
●推奨者
「会計処理の早さがよい(40代・男性)」
「財布を出す必要が無くて楽(20代・女性)」
●中立者
「クレカ連携で財布がいらないので便利(60代・男性)」
「ドコモユーザーでドコモポイントを貯めているが、それをiD残額に当てることが出来て便利。(30代・女性)」
●批判者
「セキュリティが心配(30代・男性)」
「利用報告がメールで送られてくるのが遅いので。カードのタッチ決済なら30分以内には送られてくるけれど、iDは遅いと3日くらいかかるので、利用した金額がわからなくなってしまいます。(60代・女性)」
<楽天Edy>
●推奨者
「楽天グループでのポイントとの連動もあり、使いやすくて、支払いもタッチで楽だから(40代・男性)」
「楽天ポイントがたまりやすい(20代・女性)」
●中立者
「使いやすいが還元率が今一つ(50代・男性)」
「まだまだ田舎では使える所がすくないから(50代・女性)」
●批判者
「楽天ポイントを貯めていないとメリットがない。(60代・男性)」
「普段で使えるところがそんなに多くない(40代・女性)」
<QUICPay>
●推奨者
「一番使いやすく還元率が高いので選択しない理由がない。(50代・男性)」
「だいたいどこのお店でも使える(40代・女性)」
●中立者
「音が可愛すぎるので、もう少し大人な感じにして欲しい。(30代・男性)」
「現金で支払うより関連サービスでポイントが貯まるからいい(20代・女性)」
●批判者
「たまに接触が悪いし急いでる時は面倒(20代・男性)」
「お得さが足りない(30代・女性)」
<nanacoモバイル>
●推奨者
「従来のnanacoカードを出して支払う手間が省け、残高がいつでも確認できる。また、ポイントも溜まり、支払いにも使用できるところが良いと思ったから。(20代・男性)」
「セキュリティ面でも信頼できるし、とても利用しやすいからです。(40代・女性)」
●中立者
「使いづらいが、ポイントを増やす機会が多いから(40代・男性)」
「セブンイレブンとイトーヨーカドーをよく利用する人には良いと思うが、利用が少ない人はあまり利点がないように思うので。(30代・女性)」
●批判者
「使える店に限りがあるので、積極的に勧めるものでもない(30代・男性)」
「イトーヨーカドーに行けばほとんどの店で使えるが、街中の店で使えるところはあまりない。(60代・女性)」
<モバイルWAON>
●推奨者
「イオンに行く人は使わない理由が無い。ポイントも貯まるしお得になる(30代・男性)」
「楽に操作できる(40代・女性)」
●中立者
「ポイント還元など自己操作で出来るので、とっても便利(60代・男性)」
「使えるところが限られる(60代・女性)」
●批判者
「使い勝手はいいがアプリデザインが少しオシャレじゃないから。(20代・男性)」
「カードを持ち歩かなくても良いことと非接触で買い物ができることはいいが、クレジットカードはイオンカードしか選べないこととポイントがたまらないことが不満(50代・女性)」
※NPSはBain&Company、Fred Reichheld、SatmetrixSystemsの登録商標。
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
<調査概要>
「2022年1月スマートフォン決済(非接触)の満足度調査」
調査期間:2022年1月1日~1月5日
有効回答:900人
モバイルSuica(n=150)、iD(n=150)、楽天Edy(n=150)、QUICPay(n=150)、nanacoモバイル(n=150)、モバイルWAON(n=150)
調査方法:インターネット調査
調査対象:18歳から69歳の上記スマホ非接触決済サービスをメイン利用している男女
設問数 :9問
出典元:MMDLabo株式会社
https://mmdlabo.jp/
構成/こじへい