顔ツボは脳に刺激を送るから、メンタルの不調に働きかける
リフレクソロジーという足裏マッサージを受けたことのある人は多いだろう。足裏にツボがたくさんあるように、じつは顔にもツボがたくさんあるのだ。
それ故、顔ツボを押す施術は『フェイシャルリフレクソロジー』と呼ばれている。
『美肌をつくる顔のツボ・反射区 綿棒で1分押し! フェイスマッピング』(学研プラス)の著書を持つ美容アナリスト・顔ツボセルフケア研究家の奈部川貴子さんは、世界中の顔のツボ療法やフェイシャルリフレクソロジーを研究し、独自メソッド『フェイスマップ』を開発している。
奈部川さん曰く「顔と脳は近いので、顔ツボはメンタルの不調に対し、よりダイレクトな効果が期待できます」とのこと。
そこで、日々の不調をセルフケアできる顔ツボをたくさん伺ってきた。本稿ではまず、自律神経に効く顔ツボを紹介していこう。
スマホは見ているだけで自律神経を酷使する
奈部川さん「フェイスマップでは、ツボの効果を“自律神経バランシング”であると考えています。なぜなら、私たちは自律神経を酷使し、自律神経疲労に晒されているからです。
自律神経には、緊張スイッチといわれる『交感神経』と、リラックススイッチといわれる『副交感神経』があります。
ストレス社会では、交感神経のスイッチがONになりっぱなしだといわれていますよね。特にスマホやパソコンを長時間眺めていると、自律神経がMAXに疲れてしまうのです。
その理由は以下の通りです。
1.スマホを見るときは距離が近いので、副交感神経が優位になる(近くにいるのは家族など安らげる存在だから)
2.しかし、ブルーライトなど光により、交感神経が優位になる
3.スマホの中身にいろいろストレスを感じ、交感神経が優位になる
このように、スマホを見ているだけでも、交感神経・副交感神経を共に酷使し、自律神経が乱れることに……。
また、昼間は交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になります。ですが、夜型で深夜でもギンギンなライフスタイルの方は、ずっと交感神経スイッチがONになりっぱなし。
そこで、顔ツボセルフケアで刺激し、副交感神経を優位にするのがフェイスマップの目的です。
顔面部の神経、特に顔の表情筋を動かす顔面神経は運動神経で、いくつかの枝のうち数本が副交感神経性。
この副交感神経性の顔ツボ押しをしていると、不思議とウトウト眠くなってきます。現代人は常に交感神経スイッチオン状態なので、副交感神経スイッチをONするような習慣を持つといいですね」
そもそも『フェイスマップ』って何なの?
奈部川さん「フェイスマップで用いるツボは、中医学の頭頸部療法で使われるツボを軸に、いくつかの特殊鍼灸で用いられるツボや、内臓反射点というツボ、鼻鍼治療のツボ、顔の筋肉との関わりが深い顔筋ツボ、海外のアイケアセラピーで使われているツボ、アーユルヴェーダのマルマセラピーのツボ、などなど、複数の流派のツボを検証して考案しました。
では、具体的にツボの密集地点をピックアップしてみましょう。
じつは、顔ツボセルフケア(ツボ押し)には「メンタルがやられた~」というときの、お助けツボがあります。皮膚感覚を通じて、ダイレクトに脳へと刺激を送っているのです。
胃がキリキリと痛くなるような感覚がスーッと癒えていく。そんな不思議な心地よさを、ぜひ体験していただきたいです。
以下の場所を5~10秒くらい、綿棒や、私が作成したツボ押しのツールで押してみてくださいね」
奈部川貴子(なべかわ・たかこ)さん
美容アナリスト。顔ツボセルフケア研究家。ディエンチャン顔反射療法アドバンスセラピスト。ソレンセン式顔反射療法セラピスト。望診法初級指導士。長年、美容ジャーナリストとしてスキンケアを取材。現在はサロンワークやワークショップの他、国内外の化粧品メーカーへの講演指導などを行っている。
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取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥
雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。