事故を未然に防いで、楽しいツーリングに【カブガールが行く】
バイクって、楽しいけれど危険がいっぱい。
今回はこれまでバイクに乗ってきて危険を感じた事例や、事故を防ぐために気を付けた方が良いポイントをご紹介します!
ライダーは常に危険と隣り合わせ
自動車と違い、バイクは生身で乗る乗り物。
プロテクターやヘルメットを正しく装着することで怪我のリスクを軽減できますが、ひとたび事故が起きればその衝撃が直接ライダーに降りかかってきます。
事故には過失割合があり、中にはライダー側にほとんど過失がない事故も存在します。しかしどんなに相手が悪かったとしても、怪我をするのはライダー自身。防げる事故はなるべく防ぎたいところ……。
そのためには、事故が起きやすいヒヤリハットなシーンを知っておくことが大切だと思うのです。
ヒヤリハットな状況をわかりやすくお伝えする方法はないかな?と考えていたところ……自宅にスーパーカブのプラモデルと、トヨタRAV4 PHVのミニチュアがあるのを思い出しました。
カブのプラモデルは、以前の記事(https://dime.jp/genre/1214832/)にて作成したフジミ模型製。1/12サイズなのにディテールに至るまで本物ソックリに作られたお気に入りです。
ヒヤリハットを再現してみた
まずはリビングにて、写真撮影から。
照明にはDIME2021年9・10月号付録のLEDリングライトPREMIUMを使用しました。モバイルバッテリーから電源をとり、暗くなりがちな室内でもきれいにライティングできるため愛用しています。
様々な角度から撮影すればデータの準備はOK!さっそくライダーのヒヤリハット事例をご紹介いたします
車の死角に注意しよう!
車には死角があります。
死角とは、特定の位置からは見えない場所のこと。事故の防止を考えるにあたって避けては通れない要素です。
画像のピンクの部分は、運転席から顔をまっすぐ向けた状態での視界です。
そして透明な部分は、目でもミラーでも見えていない範囲。つまり、画像のように透明な範囲の中にバイクがいた場合、車の運転手からはまったく認識されていない可能性があるのです。
車が車線変更や右左折をする際、本来であれば顔を横に向け、目視にて死角部分を確認する必要があります。
ところが残念なことに、すべてのドライバーが目視をしているわけではないようです。死角にバイクがいることに気が付かないままに車線変更・右左折し、ぶつかってしまうという事故は少なくありません。
私自身、バイクに乗り始めたばかりの頃に死角に入ったまま運転し続けてしまい、車線変更してきたトラックと事故を起こしそうになった経験があります。
ブレーキをかけてトラックの後ろに移動することでなんとか避けましたが、もう少しで大きな車体に跳ね飛ばされていたかもしれないと思うとゾッとしました。
今は危険性を理解して常にドライバーの視界内に、そして車の挙動に対応できるよう十分な車間距離をとって運転するよう心がけています。
逆に自分が車を運転する際も、死角に誰もいないことをしっかり目視で確認する習慣ができました。
道路の合流地点で車とぶつかりそうになり、ヒヤリとした経験もあります。
過失の多くは相手にある状況ですが、自分の過失も0ではありません。事故をするぐらいであれば、道を譲ってあげるような気持ちの余裕を持って運転したいですね。
ブラインドカーブの先に注意!
ブラインドカーブ、つまり先が見えないカーブにもヒヤッとさせられることがあります。
交通量が多いカーブにはミラーが設置されている場合が多いのですが、恐ろしいのはミラーがないポイント。市街地、山道、バイパスなど、ブラインドカーブは意外といろんな場所に存在します。
以前とある峠道を走っていた時、カーブを曲がってすぐの場所で道路をふさぐように車が停車していたことがありました。
幸運にも急ブレーキで転倒せずに止まることができましたが、少しでも操作を間違えていれば事故を起こしていたかと思うと、心臓がバクバクしたことをよく覚えています。
車中ではスマホを構え、景色を写真に収めようとしているカップルの姿がありました。
「なぜこんな場所で停まるんだ…」と怒りを覚えましたが、すべてのドライバーがマナーを守って運転してくれるとは限らないのが一般道。ぶつからなかったことを神様に感謝しつつ、今後気を付けようと心に決めた思い出です。
万が一カーブの先に車が停車していた場合、追突してしまったら無事では済みません。慌ててブレーキをかけても、タイヤがスリップして転倒する危険もあります。
また車だけではなく、落石があったり砂利が浮いたりしていることもあるでしょう。
このことからも、カーブではスピードを出し過ぎないように気を付けています。……しかし、あの日のように転倒せずに止まれるかどうかは自信がありません。
「この先に障害物があるかもしれない」と思いながら運転することに意味があると信じています。
死亡事故も多い右直のワナ
直進する車両と右折する車両による交通事故を、右直事故と言います。
バイクは車体が小さいため、実際の距離よりも遠くに認識されることが多く、右直事故の被害者になることが少なくありません。
実際に私の友人でも数名、右直事故で車に轢かれたという話を聞きました。
友人たちに状況を聞いたところ
・夕方 夕陽を背に走っていたところ、対向車からは逆光でバイクが認識できず、右折してきた
・夜間 車通りが少なかったためスピードを出して走っていたところ、対向車が距離を見誤り右折してきた
といった感じ。特に夕方から夜間にかけての事故を多く聞きました。
対策としては、万が一対向車が右折してきた時に対応できるよう、スピードを出し過ぎないこと。
対向車線に右折待ち車両がいた場合、もしかすると曲がってくるかもしれないと心と操作の準備をしておくことも大切かもしれません。
それでも走るのを止められない!
事故のことを考えると「バイクってなんて恐ろしい乗り物なんだ!」と思ってしまいそうですが、自分の注意次第で多くの事故を未然に防ぐことができます。
それでも100%の安全なんてものはあり得ないのですが、バイクにしか味わえない楽しさがあるのも事実。気を付けて乗りつつも、まだまだ走るのを止めることはできそうにありません。
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.