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周辺の施設も充実!沖縄に住む海洋生物をテーマにした「沖縄美ら海水族館」の歩き方

2022.01.29

沖縄美ら海水族館には別施設も。沖縄だけではなく世界の海洋生物に会える場所

はじめまして、動物園・水族館・植物園を専門に撮影取材している動物園写真家の阪田真一(写真家/ライター)です。

沖縄といえば、「沖縄美ら海水族館」と答える人も多いのではないだろうか。この「沖縄美ら海水族館」は「国営沖縄記念公園 海洋博覧会地区(海洋博公園)」の敷地内に建てられている。「国営沖縄記念公園」には「海洋博覧会地区(海洋博公園)」の他に、「首里城地区(首里城公園)」がある。このふたつの公園の管理を任されているのが、「一般財団法人 沖縄美ら島財団」である。

この財団は、1975年開催された「沖縄国際海洋博覧会」の翌年に、その会場の跡地を国営公園として整備することが決まり、それを機に「財団法人 海洋博覧会記念公園管理財団」として設立された組織である。201210月に今の「一般財団法人 沖縄美ら島財団」へと名称を変更した。

今回はその「沖縄美ら海水族館」以外にも「国営沖縄記念公園 海洋博覧会地区(海洋博公園)」に含まれる施設の魅力をご紹介しよう。

実はこれらは「沖縄美ら海水族館」とは別施設

「沖縄美ら海水族館」といえば、大水槽を悠々と泳ぐジンベエザメのイメージが強い。また来館したことのある人は、この海岸沿いにあるマナティー、ウミガメ、イルカの施設を訪れ楽しい南国の一日を過ごしたのではないだろうか。しかしよく思い出してもらいたい。

マナティー、ウミガメ、イルカの施設には入場ゲートや券売機はないのだ。

駐車場から「沖縄美ら海水族館」の入る建物の入り口で入館料を払って入館する。館内を見て回り、最後に博物館のようなクジラの骨格標本や学びのスペースを抜けるとオフィシャルショップが現れる。

しかしこのエリアは「総合休憩所(美ら海プラザ)」という名称の無料スペースであり、すでに有料エリアを出た後にある。当然その先にあるこれから紹介する施設は「沖縄美ら海水族館」の外である。

メキシコ政府から寄贈された「アメリカマナティー」はマナティー館で

2021616日、母親である「マヤ」が第二子にあたる、雄のマナティーを出産した。

食事タイムには葉物野菜に前肢を添えて食べる姿がとても愛らしい。前肢には爪のようなものがあるのが見て分かる。水中をその前肢で支えて水槽の底を移動する姿は陸上生物の歩みにも似ている。

マナティーは塩分濃度の大きな変化にも適応しており沿岸域や、流れの緩やかな河川などの淡水域にも生息している。不思議な生き物である。

世界8種のウミガメのうち5種が同時に見られるウミガメ館

8種類!そんなにウミガメに種類があるの?」と思う人も多いはず。その飼育されているウミガメたちは、タイマイ、アカウミガメ、アオウミガメ、ヒメウミガメ、クロウミガメとなる。ウミガメ館では多くのウミガメが泳いでいる光景を水上や、水中(地下階の観覧面)の2つの視点からその姿をじっくり見て観察することが出来る。

隣接するプールには小さなウミガメたちがせわしく泳ぎ回る姿をとても微笑ましく見ることが出来る。

この施設ではウミガメの産卵やその生態についての研究がなされており、近年の海洋プラスチックなど、海洋生物との関係性についても調査している。

オキちゃん劇場とイルカラグーンではハクジラの仲間たちが飛ぶ

オキちゃん劇場では、オキゴンドウ、ミナミバンドウイルカ、バンドウイルカ、シワハイルカがショーで活躍している。この活躍している彼らは、ハクジラの仲間に分類される。

実は、「イルカ」も「クジラ」も生物学上は「クジラ目」の仲間で、その中で大きく2つのグループに分かれる。

皆が「クジラのヒゲ」と呼んでいる部位にあたる「ヒゲ板」といわれるというものを持つのがヒゲクジラの仲間(ザトウクジラ、セミクジラ類)と、歯があるハクジラ(バンドウイルカやオキゴンドウなど)の仲間である。一般的には、ハクジラの中でも小さな体の種の一部を「イルカ」と呼んでいるのだそうだ。

オキちゃん劇場では、このハクジラの仲間たちのショーを楽しむことが出来る。

これらの3施設は『無料』で観覧することが出来る。

こんなに素晴らしい生き物たちを間近で見て観察し学ぶことが出来るのはとても贅沢な環境である。

沖縄美ら海水族館館内は沖縄の海を幅広く感じることが出来る

沖縄の海をコンセプトにまとめられた「沖縄美ら海水族館」。入館してすぐ、サンゴ礁への旅というテーマでイノーの生き物たちという水槽があり、振り返ると沖縄の様々なサンゴ礁とそこを住み処にしている小さくてキラキラした魚たちの泳ぐ、大きな水槽が目の前に現れる。

奥へ進むと熱帯魚の海という水槽があり沖縄に住む、色とりどりの魚たちを見ることが出来る。餌やりタイムには餌に群がる魚たちが天井から降り注ぐ自然光に照らされ、万華鏡のように様子の変わる水槽である。室内でありながらスキューバダイビング気分を体感出来る。

沖縄の魚たちの色々

熱帯魚の水槽や深海エリアに展示されている色とりどりの個性豊かな特徴を持つ魚たちを紹介しよう。

1種類でも覚えておけば、水族館での会話のネタにはなるだろう。そこからほかの魚たちにも興味を広げることも面白い。

a. センネンダイ/ b.ワモンフグ / c. タマカイ/d.メガネモチノウオ / e.アカタマガシラ / f.ヒシダイ / g.クルマダイ/ h.マツバラカサゴ属の一種)

ここで一部を紹介しよう。

c.「タマカイ」は、ハタの仲間なのだが、そのハタの仲間の中でも最大のハタなのだそうだ。「熱帯魚の海」で暮らしているのだが、この水槽には同じハタの仲間で「ヤイトハタ」という似た種も暮らしている。どっちがどっち?という会話に花が咲きそうだ。

d.「メガネモチノウオ」は、通称「ナポレオンフィッシュ」と呼ばれており、ベラという魚の種に分類される。
ナポレオンフィッシュは幼魚の頃は、このエメラルドグリーンの姿では無いそうだ、成魚は「熱帯魚の海」幼魚は、「サンゴ礁への旅個水槽」で展示されている。それを意識しながら探して回るのも楽しいだろう。

e.「アカタマガシラ」は、青い照明を当てると目元や体の一部が黄色く光るとても不思議は深海魚である。実は、別名「アカシチュー」と言われ沖縄では食材としても流通している。「海のプラネタリウム」水槽にて実際の発光を見ることが出来る。実物はちょっと不気味だ。

f.「ヒシダイ」は、その名の通り横から見ると菱形の形をしている。しかし正面から見るととても薄くてスリム。こんなに見る角度で表情を変える魚がいることにとても驚きを感じるだろう。「深海への旅個水槽」で実際にその薄さに驚いてほしい。

「沖縄美ら海水族館」では、展示している魚たちをデジタル図鑑として公開している。今回一部の魚たちについてご紹介したが、是非、このサイトでほかの魚や、記事で紹介しなかった面白い魚を見つけて見てほしい。

「美ら海生き物図鑑」https://churaumi.okinawa/fishbook/

コロナ禍において、イノーの生き物たちとの触れ合いが出来なくなって生まれた展示の工夫

コロナ禍においてどこの水族館でも見かけるタッチプールという展示は行えなくなってしまった。

それでもタッチプールで過ごす生き物たちのことを知ってもらいたいという飼育員さんらの取り組みを取材時に発見し感動した。

普段は砂地を這うように暮らすヒトデだが、少し離れたところからプールに目をやると浅いプールのガラスを飾り付けるように綺麗に等間隔で張り付いていたのだ。

近寄ってみるとそれは、ヒトデのエサの時間。わざと水槽の内側にエサを張り付けて、ヒトデがどのように食事をするのかじっくり見ることが出来る工夫がされていたのだ。

その食事シーンはとても興味深く、横にたてられている案内板を読んでから見るとさらに面白い。たかがヒトデかもしれないがじっくり観察することで生き物の不思議に触れることの出来る良い展示である。

ここだけではなく館内には、来館者に伝えたいという思いがあふれている。是非それを見つけてもらいたい。

沖縄美ら海水族館メイン水槽だけじゃない

沖縄美ら海水族館が紹介されると必ず登場するのが、ジンベエザメが泳ぐ黒潮への旅をテーマにした「黒潮の海」の大水槽。実はその大水槽の裏側を見ることの出来るルートがあるのだ。

ジンベエザメが泳ぐ「黒潮の海」の裏側

沖縄美ら海水族館には、様々なプログラムで魚たちのことを知ることの出来る取り組みがいくつも用意されている。その中に「黒潮探検(水上観覧コース)」というものがありジンベエザメを上から見ることが出来るのだ。

また、同じエリアではジンベエザメをはじめ、多くの魚たちを海水ごと搬入するクレーンが設置されている。水族館の裏側は、さながら宇宙船の中のようだ。実際に目にすると心躍るだろう。

ジンベエザメだけじゃない、サメの研究では多くの発見が

「沖縄美ら海水族館」に所属する「沖縄美ら島財団」職員も著者として加わり、ジンベエザメの専門書が出版されている。

大学や企業と協力して様々なサメのウロコの拡大模型を作成しサメごとの鮫肌の特徴を展示していたりと、とても面白い角度からサメについて熱く紹介されており、「沖縄美ら海水族館」のサメ推しはマニアも喜ぶ充実ぶりなのだ。

沖縄ならではのグルメも楽しみつつ、ちゅらうみサイダーでシュワッと

「沖縄美ら海水族館」内には、カフェ「オーシャンブルー」がある。ここではジンベエザメの泳ぐ姿を見ながら食事やお茶を楽しむことが出来る。しかし、「沖縄美ら海水族館」周辺にはいくつかのカフェやレストラン売店が点在する。その中で今回はジェラートや、フード、お土産物を紹介しよう。

カフェ「More Mare(モーレマーレ)」

「沖縄美ら海水族館」出口のゲートをくぐった先にある、カフェ「More Mare(モーレマーレ)」では沖縄食材で作られた沖縄らしい色鮮やかなジェラートが楽しめる。海を背景にインスタ映えスイーツを提供している。

南国のフルーツはもとより、ジーマーミー豆腐や黒糖といったジェラートなど、あれもこれも味見したくなるフレーバーがケースに並ぶ。

レストラン「イノー」

「沖縄美ら海水族館」エントランスのモニュメントからすぐに店を構える、沖縄食材を生かしたメニューを味わうことが出来るレストラン「イノー」

レストランから見える、青く光る海とどこまでも広がる青い空の融合・解放感、そして寄せては返す優しい波を見ているだけでも、きっと心癒されるだろう。

今回頂いたのは、沖縄のあぐー豚を使った、「あぐーカツカレー」歯ごたえのある肉質に噛むごとに口の中に広がる肉の甘みが最高である。サラダバーとドリンクバーがセットになっている。ドリンクバーのラインナップの一つには沖縄でメジャーな「35コーヒー」が提供されている。

ショップ「ブルーマンタ」

「沖縄美ら海水族館」オフィシャルショップである、ショップ「ブルーマンタ」では、お土産物がずらりと並ぶ。見て回るだけでも楽しいのだがついついカゴに入れてしまいたくなる可愛いぬいぐるみやキーホルダー、配布用のパッケージにインパクトのあるお菓子などが取り揃えられている。

取材時一押し商品として薦められたのは「ちゅらうみサイダー」だ。グラスに注ぐと沖縄の海を思わせるような明るい青い色をしている。そのソーダの気泡が何とも砂浜に打ち上げる波の泡のようで、「沖縄美ら海水族館」を思い出すお土産として最高である。

沖縄美ら海水族館公式オンラインショップもあるので是非のぞいてみてほしい。

沖縄美ら海水族館の魅力はもっとある

陽が沈む夕暮れ時までその景色に癒される。丸一日いると現実を忘れさせてくれるだろう。

「沖縄美ら海水族館」のある「国営沖縄記念公園 海洋博覧会地区(海洋博公園)」の魅力はまだまだあり、いずれまた「沖縄美ら海水族館」を軸に「一般財団法人 沖縄美ら島財団」の取り組みについてもご紹介したいと思う。

【取材協力】

・国営沖縄記念公園(海洋博公園):沖縄美ら海水族館 HP

905-0206 沖縄県国頭郡本部町字石川424
TEL0980-48-3748 / FAX0980-48-4444

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【写真/記事】

・動物園写真家 阪田真一HP/  Twitter LINK

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