3G通信サービスは、2022年から2026年にかけて順次停波することが決定しています。3G停波の影響を受けるのは、一体どのようなユーザーなのでしょうか? ガラケーユーザーに必要な対応を案内するとともに、スマホユーザーであっても注意すべき点についても解説します。
3G通信サービスが順次終了
長年親しまれてきた3Gですが、2022年から2026年にかけて順次停波することが予告されています。3Gの停波が決定された背景を確認しておきましょう。
3Gは第3世代のモバイル通信規格
3Gは3rd Generationの略で、第3世代のモバイル通信規格を指しています。アナログ方式の1G、電子メールやウェブに対応したデジタル方式の2Gのあと、より高速な通信を実現する規格として登場したのが3Gでした。
3大キャリアにおいては、ドコモのFOMA、auのCDMA 1X・CDMA1X WIN、Vodafone(現ソフトバンク)のVodafone Global Standardが、3G規格を利用した通信システムとして挙げられます。
10年以上にもわたって提供され続けてきた3Gには、後続の規格である4Gや5Gよりも電波の届く範囲が広いというメリットがあるでしょう。一方、通信速度の面においては、新規格に及ぶべくもないというデメリットが存在します。
通信各社がサービス停止を発表
ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアはすでに、3G通信サービスの提供終了を正式に発表しています。以下、各社の3G停波時期を表にまとめました。
事業者名(サービス名) | 終了時期 |
ドコモ(FOMA) | 2026年3月末 |
au(CDMA 1X WIN) | 2022年3月末 |
ソフトバンク | 2024年1月下旬 |
2022年現在、最新通信規格は5Gであり、3Gは2世代も前の規格です。通信速度も遅く、ユーザーの多くがすでに4G以降の契約に移行しています。利用者の減った古いシステムをいつまでも維持し続けるのは、事業者にとって損失が大きいといえるでしょう。
そのため、これまで3Gに充てていた経営資源を、4Gや5Gといったより新しい規格に転用しようという動きが進められています。
3G停波の影響は?
3G規格のサービスが終了すると、どのような変化が起こるのでしょうか? 3G停波によって影響を受ける対象や、影響の内容について解説します。
原則契約は終了し通話・通信は不可能に
4G・5GやLTE非対応のサービス利用者は、3G停波以降は通話やインターネット通信の利用ができなくなります。4G以上の通信規格に対応している端末や契約に乗り換えるのでなければ、基本的には契約そのものが解除されることになるでしょう。
また、ドコモでは3Gの完全停波が予告されている2026年3月末に先がけて、通信設備の集約が進められています。それに伴い、2022年1月以降、一部エリアにおいて一部機種(2001~2006年にかけて発売されたFOMAプラスエリア非対応の機種)による通話・通信ができなくなる可能性があるでしょう。
ただし、ガラケーがなくなるとの誤解もありますが、今店頭に並んでいるガラケーは4Gに対応しているため、3G停波後も問題なく使えます。使えなくなるのは4G非対応の古いガラケー、スマホ、4Gの音声通話「VoLTE」に対応していない機種となります。
4G端末にも影響あり
3G停波の影響を受けるのは、ガラケー端末だけではありません。LTEや4G以降の通信規格、そしてVoLTEに対応していない端末は、ガラケー・スマホ・モバイルルーターなどの種類の別なく、通話やデータ通信ができなくなります。
ここで一度、用語の解説を挟みましょう。LTEは3Gを進化させた通信規格で、3Gから4Gへのスムーズな移行のために作られました。そのLTE規格で音声のやり取り、つまり通話するために開発されたのがVoLTEです。
4G対応機種であっても、VoLTE非対応の機種の場合、3G停波後は通話ができなくなるので注意が必要でしょう。iPhoneであれば、iPhone5などがこれに該当します。
最新情報・詳細は契約事業者へ確認を
3G停波によってもたらされる影響は、使用している端末のスペックや契約プランの内容によって、ケースバイケースです。停波ギリギリになって慌てずにすむよう、早めに契約事業者に詳細を確認しておきましょう。
3G停波で全てのガラケーが使えなくなるわけではありませんが、停波の影響を受ける可能性がもっとも高いのがガラケー利用者であることは間違いありません。
慣れ親しんだガラケーと操作性が異なるスマホへの機種変更に不安がある場合は、各事業者が用意しているスマホ初心者向けの教室や、初期設定のサポートサービスなどを活用するとよいでしょう。
3G停波までに必要な対応は?
3G停波の前にやっておくべきことをまとめました。停波までの時間に余裕があるうちに、しっかりと対応しておくことをおすすめします。
対策1 4G以上の規格に対応するスマホへ切り替え
3G停波後も携帯電話を使い続けるためには、4G(LTE)以降の規格に対応する端末への切り替えが必要不可欠です。面倒に思えるかもしれませんが、3G停波前のこのタイミングは、ある意味では絶好の買い替え時といえるでしょう。
3G規格のサービス停止は事業者の都合で行われるものであり、機種変更に気が進まない人がいるのは当然です。そんなユーザーにも買い替えを促すため、新規格対応の端末を格安で提供するなどのお得なキャンペーンが、各事業者で実施されています。
スマホ初心者にぴったりのエントリーモデルも多数取り揃えられているため、ぜひチェックしてみましょう。
対策2 お手頃な乗り換えプランを利用
3Gの停波を数年後に控え、利用者が端末やプランの見直しを行う今の時期(2022年1月現在)は、新規ユーザーの獲得を目指す各事業者が互いにしのぎを削り合う時期でもあります。
例えば、ドコモの『はじめてスマホプラン』は、FOMAからの契約変更や他社3G回線からの乗り換えが対象となるプランです。データ量1GB/月で税抜1,650円と、スマホのライトユーザーにとって魅力的な内容となっています。
auの『スマホスタートプラン(フラット)5G/4G』やソフトバンクの『スマホデビュープラン』など、3大キャリアそれぞれが、初めてスマホを利用するユーザー向けのお手頃なプランを展開しています。
自分の利用スタイルに合った、お得なプランを見極めましょう。
構成/編集部