もっと知りたい、Z世代。 ~情報・人との接し方とは~
今マーケティング業界で注目の「Z世代」。ネオマーケティングでは過去2回にわたり、Z世代と他世代との比較調査をおこない、「完璧を求めない」「独自のスタイル・ダイバーシティを重視する」「保守的」等といった独特の考え方や行動の実態を明らかにしてきた。
今回はZ世代の理解をさらに深めるため、高校生・大学生・社会人1~3年目のZ世代のみに対象を絞り、購買に関する意識・行動や情報への接し方、余暇時間の使い方や友人・家族との連絡手段等といった、より細かな実態を調査した。
普段チェックする情報源・情報源への信用度:チェックする情報源TOPはSNS。信用度はテレビ番組/CMがTOP
チェックする情報源としてはSNSがTOPになったが、一方で、情報源への信用度については、「テレビ番組/テレビCM」を「信用している」「やや信用している」と回答した割合が61.7%でTOPとなった。
また「ラジオ番組/ラジオCM」や「新聞の記事/広告」を「信用している」「やや信用している」割合も、それぞれ51.3%・47.0%と半数に近い割合を獲得している。Z世代であっても、テレビやラジオ・新聞といった従来のマスメディアへの信用度合いは比較的高いことが分かる。
日常生活における「暇な時間」は、就寝前。「暇な時間」で行なうことは:「ネットショッピング」16.6%
「暇な時間」として最も多く挙げられたのが「就寝前」だったが、その時間に「買い物(楽天やAmazon等のECサイト)」をする割合が16.6%を占めた。Z世代がネットショッピングをするタイミングとして、就寝前の時間は重要であるといえそうだ。
普段チェックする情報源
「SNS(YouTube等動画共有サイト含む)」が普段チェックする情報源として79.8%、さらに最もチェックしている情報源としても55.8%を獲得し「テレビ番組/テレビCM」と41ポイントの大差を付けた。
情報源への信用度
上のグラフは、「信用している」「やや信用している」の合計割合が高い順に表示している。
「テレビ番組/テレビCM」への信頼度合いについて、「信用している」「やや信用している」と回答した割合は61.7%となり、最も高い割合となった。次いで「ラジオ番組/ラジオCM」51.3%、と半数に近い割合を獲得している。
Z世代であっても、テレビやラジオといった従来のマスメディアへの信用度合いは比較的高いことが分かる。
一方で、「友人・知人・家族のクチコミ」を「信用している」「やや信用している」と回答した割合についても48.0%を獲得しており、この信用度合いは書籍や新聞の信用度合いを上回っている。身近な人のクチコミは、信用できる情報源としてとらえているZ世代は多いようだ。
また、世代別にみると高校生から社会人になるにつれて、それぞれの情報源に対する信用度合いが下がっていくことがわかる。
特に「テレビ番組/テレビCM」「SNS(YouTube等動画共有サイト含む)」を「信用している」「やや信用している」と回答した割合は、高校生でそれぞれ64.8%・46.2%、社会人で57.3%・35.1%となり、その信頼度合いに約7ポイント~11ポイントの差が生じている。
普段利用しているSNSの利用時間
利用時間「1時間以上」が最も多かったのが「YouTube(ユーチューブ)」で54.6%、そこに「Instagram(インスタグラム)」が36.1%、「LINE(ライン)」が35.6%と続いた。
これらと比較して「TikTok(ティックトック)」の利用率は下がるものの、1時間以上利用する方が17.3%と5番目に多い結果となった。
普段相談することがある相手・最も信頼している相談相手
普段相談することがある相手としても、最も信頼している相談相手としても「母」が最も高い割合に。この割合は「親友(特に親しい友人)」よりも高く、最も信頼している相談相手としては32.9%を獲得し、親友の25.0%と7.9ポイントの差をつけた。Z世代の、母との親子関係の深さがわかる。
世代別にみると、高校生から社会人になるにつれて母への相談割合は高まる傾向がわかった。一方で、高校生の相談相手として「インターネット上の友人」が11.6%占めている点にも注目だ。
まわりの人との連絡手段
「母」との連絡手段はLINEと電話(音声のみ)で多くを占めた。
「親友(特に親しい友人)」と「友人」を比較すると、「アプリ上のDM(InstagramやTwitterなど)」について、親友の場合は25.0%であるのに対し友人は35.4%、「SNS上での返信・コメント」について親友の場合は16.7%であるのに対し友人は21.1%を占めている。友人の場合、Instagramのストーリーへの反応等からそのままDM上で会話するケースが多いのかもしれない。
普段利用しているSNSについての印象
「つい開いてしまう・見てしまう」と回答した割合はいずれも40%強をキープしており、Z世代にとってはどのSNSも中毒性が高いという印象を抱いていることが分かる。
また、Instagram(インスタグラム)について、「情報収集に便利」と回答した割合が30%を超えている点にも注目したい。
「自分にとってためになる」と回答した割合も18.0%と、Twitter(ツイッター)の16.4%よりも高くなっている。若者のInstagram(インスタグラム)の使い方として、投稿する側の「写真映え」等がフューチャーされがちだが、Z世代にとっては、自分に有益な情報を収集するための検索ツールとしても重要な存在であることがわかる。
SNSの利用目的
TikTok(ティックトック)の利用目的として、「暇つぶしのため」が47.9%を占めている一方で「興味関心のある分野の情報を得るため」は19.1%にとどまった。目的をもって何かの情報を探しにいくのではなく、娯楽として楽しんでいる方の多さがうかがえる。
Twitter(ツイッター)とInstagram(インスタグラム)の利用目的について、「暇つぶしのため」「興味関心のある分野の情報を得るため」「最近のトレンドをチェックするため」が上位に来ている点が共通。
しかし一方で、Instagram(インスタグラム)の場合、「家族や友人・知人とコミュニケーションをとるため」の利用に22.8%を獲得している点においてTwitter(ツイッター)と差が生じている。
日常生活における「暇な時間」
※ここでの暇な時間とは、「手が空いている・間が持たないと感じる時間」と定義し、本来目的の作業をしているが、手持無沙汰であると感じる時間のことを指す。(例:食事中は食事をしているが、暇だと感じスマートフォンを触る)
「就寝前」が54.7%を占め、最も「暇な時間」だと感じていることがわかった。
また、「入浴中」を暇な時間だととらえている方も20%を超えており、この割合は「晩ご飯前後」とわずか0.6ポイント差だった。
「暇な時間」で行なうこと
上のグラフは、前掲した設問【日常生活における「暇な時間」】における上位5つを表示している。
ピックアップした上位5つの「暇な時間」ではすべて、「SNSをチェック」する割合が50%~60%強を占めた。どんなシチュエーションにおいても、手すきの際はSNSのチェックをする傾向にあるようだ。
また「暇な時間」として最も多く挙げられたのが「就寝前」でしたが、その時間に「買い物(楽天やAmazon等のECサイト)」をする割合が16.6%となった。Z世代がネットショッピングをするタイミングとして、就寝前の時間が重要であるといえそうだ。
買い物に対する意識や行動
「見かけより実物(中身)を重視して選ぶ」や「買い物はいつも決まった店ですることが多い」については、6段階中「とてもそう思う」「そう思う」のみで比較しても、40%を超えた。
また、同じく「とてもそう思う」「そう思う」のみで40%以上の割合を獲得したのが「1カ所ですべて買い物ができるほうが良い」、「同じ「買う」なら、高くても、長持ちする商品を選ぶ」だった。
特に前者については「とてもそう思う」と回答した割合が唯一20%を超えており、複数の店舗をはしごせず1カ所でまとめて購入できることがZ世代にとって非常に重要であることがうかがえる
調査概要
調査の方法:ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の15歳~25歳の男女 ※本調査では、Z世代は1996年~2015年生まれと定義する。
有効回答数:6953名
構成/ino.