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香港のローカル飯「焼味」の店が続々とオープンしている理由

2022.03.02

焼味(シュウメイ)

 香港の焼味舗(シュウメイポウ)は、日本の寿司屋や焼き鳥屋と同じ、街のどこにでもある日常食の店。香港の街の様子を伝えるニュースに、ガラス張りの店先に焼いたアヒルを吊るした店がよく映りますが、あれが「焼味舗」です。

 そもそも「焼味舗」の焼味とは、下味をつけた肉を釜で炙り焼きにした料理の総称で、厳密に言えば、普通に火を入れたのが「焼味」で、表面にタレや蜜を塗りながら火を入れたのが「焼蠟」──代表的なメニューは、ご存じ叉焼のほか、焼鴨(アヒルのロースト)、脆皮焼肉(クリスピーポーク)、脆皮鶏(クリスピーチキン)など。

 こうした炙り焼き料理のほかに、ほとんどの店が、白切鶏(パイセイチー〈茹で鶏〉)や、下茹でした肉を滷汁(ルーメイ)と呼ばれるタレに漬け込んだ滷味(ルーウェイ)など、作り置きのきく茹で肉料理も出しています。そして、これらの料理は、白飯にのせてスープと一緒に出せば定食(=焼味飯)になりますし、単品で出せば、最高のビールの友──つまり、焼味舗は町の定食屋でもあり居酒屋でもある、オールマイティーな店なのです。

 焼味は、内側に熱の含みのいい耐火レンガを貼った、人間が1人入れるくらいの大きさの専用釜(右下イラスト参照)の中に肉を吊るして焼きます。この釜があれば誰でも簡単に焼味が作れそうなものですが、実は下ごしらえやタレの塗り方には門外不出のレシピがあり、しかもその日の気温や湿度に合わせて微妙に焼き方を調整しなければならないので、熟練の技が必要だそうです。

 広東料理の世界には、一般的な調理師である「厨師」のほかに、点心専門の「点心師」、焼味専門の「焼味師」という職種があり、どちらも大筋、厨師よりも高給取り。高級店には必ず点心師と焼味師の両方がいて、例えば、2018年に日本上陸を果たした「世界で一番安いミシュラン店」といわれる香港の『添好運』は、香港フォーシーズンズホテル内のミシュラン3ツ星店『龍景軒』の点心師が2009年に独立して出した店ですし、日本の焼味ブームの火付け役になった九段下の『錦福 香港美食』は、銀座『福臨門酒家』(もとは香港の名店)の焼味師が2018年に独立して出した店。

 そして今、香港の高級中華料理店は、政情不安とコロナ禍のダブルパンチで客足を大幅に落としており、高給取りの点心師・焼味師を雇いきれなくなって、彼らが独立するケースがますます増えているといいます。

 香港の「焼味舗」の雰囲気を最初に東京に伝えたのは、六本木のワインバー『祥瑞』のオーナーで日本にワイン文化を広めた功労者の勝山晋作と、写真家で日本に中国茶文化を広めた功労者の菊地和男が、本場香港から焼味師を招いて2013年に青山キラー通りに出店した『楽記』でしょう。

 この店は、今考えればムチャクチャ志が高かったのですが、当時はまだ日本で「焼味」という言葉は認知されておらず、2019年、勝山晋作が逝去すると、惜しくも閉店してしまいました。

 一方、2018年2月には前述の『錦福』がオープンしました。同年4月には早稲田に『香港 華記 焼味&米線』(筆者が知る限りでは店名に『焼味』を使った初めての店)がオープンして、東京でも「焼味」は、徐々に知られるようになります。

『錦福 香港美食』

『錦福 香港美食』は、香港の超有名店『福臨門酒家』の銀座店で13年間焼味師を務めた鞏文財シェフが、2018年に独立して九段下に出店した、東京でも珍しい本格的「焼味舗」。ミシュランガイド東京で、2019年版から、安くて旨い店に与えられるビブグルマンマークを獲得。店の奥のガラス張りの厨房に吊るされたアヒルや豚のローストが雰囲気です。◆住所:千代田区九段北1-9-12 ◆電話:03・3511・2202

コロナ禍以後にオープンした東京の焼味舗

コロナ禍以後にオープンした東京の焼味舗

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