10月29日に発表された、新庄剛志の日本ハム監督就任。日本シリーズも始まらないタイミングだったが、すべての話題が吹っ飛ぶほど盛り上がった。
だが誰もの心をよぎるのは「新庄が監督で大丈夫?」という不安。何せ監督就任までは長らくバリ島に移住しており、話題になるのは「整形した」といった野球に関係ないことばかり。唯一無二の存在あることは間違いないが、Data1を見ると、これまで監督経験がない人でも9人のルーキー監督が優勝しているのだ。
ちなみに他競技を見ると、プロ野球と比較してルーキー監督が優勝しているケースは少なく、優勝しているのはコーチなどの経験者ばかりだ(Data2)。とはいえプロ野球は80年以上の歴史がある。その分、ほかの競技ではあり得ないことが起きても不思議ではない。
そこで過去のデータをもとに新庄ビッグボスの初年度成績を占ってみる。新庄は今年49歳だが、Data3を見ると新監督としては、ど真ん中世代。Data4では、49歳は4.56位が平均。これらを総合すると優勝は厳しいが、新庄の指導者としての経験値は歴代のルーキー監督とほぼ同じ。ひょっとしたら、ひょっとするかも!?
Data1|2001年以降に就任したプロ野球新監督の初年度成績
2001年以降に就任したプロ野球新監督で初年度に優勝したのは、2021年度のオリックス中嶋監督を含む9人。日本ハム前監督・栗山英樹もコーチ経験がなく就任1年目でリーグ優勝。その点は新庄と全く同じだ!
Data2|野球以外のプロスポーツの初年度優勝監督・ヘッドコーチ(2001年以降)
■ J1リーグ(サッカー)
現日本代表監督の森保一は監督就任まで7年間コーチなどを経験。鬼木達も10年にわたり、育成コーチやヘッドコーチを経験している。
■ Vリーグ(バレーボール)
鳥羽賢二は2年連続優勝チーム、河野克巳と中田久美は前年度準優勝を引き継いでの優勝。南部正司は前年度3位チームを引き継いだ。
■ B1リーグ(バスケットボール)
日本男子バスケットは長らく2リーグが並立する状態が続いていたが、2015年にようやく統一。歴史が浅いので、0人は仕方ない?
■ トップリーグ(ラグビー)
デーブ・ディロンは就任前に他チームでアシスタントコーチを経験。ヘッドコーチ就任後、チームは日本選手権で18大会ぶりに優勝した。
Data3|人生の経験値がものをいう!?プロ野球監督の需要はアラフィフだった
■ 新監督の平均年齢は?
※年齢はシーズン開幕時のもの
年齢による順位の違いにそれほど大きな差はなく、アラフィフ世代が中心に。ちなみに歴代最高齢監督は74歳で監督勇退した野村克也。最年少は32歳で就任した稲尾和久だ。
Data4|アンダー40のほうが上位に!経験値より若さが勝利に導く!?
■ プロ野球年齢別、新監督の平均順位
※年齢はシーズン開幕時のもの
年齢が若いと経験も少ないはずだが、30代と40代前半の平均順位は3位と大健闘。歴代では1960年に西本幸雄が39歳の時に大毎オリオンズでリーグ優勝を果たしている。
取材・文/高山 惠