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2ウェイ2スピーカー構成で明瞭な音像定位と立体的な音場を実現したテクニクスのブックシェルフ型スピーカーシステム「SB-C600」

2022.01.24

明瞭な音像定位と立体的な音場を実現するブックシェルフスピーカー

パナソニックは、同社が展開するテクニクスブランドより、プレミアムクラスのスピーカーシステム SB-C600を2月25日から発売を開始する。メーカー希望小売価格は110,000円(2本1組)。

今回の新製品は点音源・リニアフェーズ思想を受け継いだ2ウェイ2スピーカー構成のブックシェルフ型のスピーカーシステム。新開発の同軸ユニットを採用し、明瞭な音像定位と広いサウンドステージを追求した。

SA-C600との組み合わせイメージ

フロアスタンド型スピーカーSB-G90M2で採用した「重心マウント構造」を同社ブックシェルフ型として初めて採用。同社によれば、振動解析技術や筐体最適化設計により、不要な振動を抑制して、粒立ちの良い音・立体的な音場が得られるという。

さらに流体解析に基づき新たに設計したポートを採用。低ノイズでレスポンスの良い低域再生を楽しめる。

新開発の同軸ユニットにより明瞭な音像定位と広いサウンドステージを実現

テクニクスが追求する点音源・リニアフェーズ思想を踏襲する同軸2ウェイユニット「Advanced Phase Precision Driver」を開発。この「Advanced Phase Precision Driver」は「Linear Phase Plug」や「Smooth Flow Diaphragm」を新たに導入することで、明瞭な音像定位と、コンパクトながら広いサウンドステージを実現しているという。

Linear Phase Plug

ツィーターの前方には高域の位相特性を補正する「Linear Phase Plug」を配置。振動板のドームの高さに起因する位相差を補正する機能、到達時間の速い振動板中心部の波面の進行を遅らせ、振動板周辺部の波面と揃える機能、生成した球面波を整える機能の3つの機能を持つ独自形状となっている。

これにより同軸ユニットの位相ずれが補正され、指向性が広く透明感のある高域再生が得られると、同社では説明している。

広いサウンドステージと滑らかな中高域を実現した「Smooth Flow Diaphragm」

音波は、伝達する面に凹凸があるとその形状によって波面が乱され周波数特性の劣化にもつながる。特に波長の短い高周波ほど特性が影響を受けやすい性質がある。

そこで、同軸2ウェイユニットのウーハー部には浅型振動板を採用するとともに、エッジの形状によって高域の波面が乱され周波数特性が劣化することを抑えるために、ウーハーの振動板からバッフルまでがスムーズにつながる形状を採用した。

浅型振動板には振動モードや周波数応答解析に基づき、外周部に折り返しの補強構造を設けたり中心部にサブコーンを追加したりするなどの工夫を加え、低い周波数で分割共振が発生しにくい構造とした。

振動板素材をアルミニウムとして音色を統一

同軸2ウェイユニット「Advanced Phase Precision Driver」のウーハーとツィーターの振動板素材は、どちらもアルマイト処理されたアルミニウムを採用。音色の統一を図った。

リニアフェーズ思想と相まって、2ウェイスピーカーでありながらフルレンジユニットのようなまとまりの良い音に仕上がったという。

スピーカーマウントバッフルにユニットを重心位置で固定・支持

SB-G90M2と同様の「重心マウント構造」をブックシェルフタイプに初めて採用した。エンクロージャー内部にスピーカーマウントバッフルを設け、ユニットを重心位置で固定・支持している。

重心マウント構造

これにより振動板が振幅したときのユニット自身の揺れを低減し、上下左右にブレの少ない正確な振動板のストロークを実現。

さらに、スピーカーマウントバッフルは振動モード・応力解析などを基に、強度を保ちつつエンクロージャー内部の空気の流れを損なわない形状に最適化された。

独自の強固な構造設計でエンクロージャーの振動を低減

エンクロージャー内部に設けたスピーカーマウントバッフルにより、エンクロージャーの構造もより強固なものとなり、ユニット自身の揺れを低減する重心マウント構造と相まってエンクロージャー全体の振動を低減している。

これにより、従来のブックシェルフ型スピーカーと比べ、設置したラックなどへの振動の伝播も大幅に低減されるため、音や他の機器への影響が抑えられ、設置性を高めている。

流体解析に基づくポート設計により、低ノイズでレスポンスの良い低域再生を実現

この製品はバスレフポートをフロント側に配置。壁などの反射影響を少なくし、壁際への設置などレイアウトの自由度を高めている。

バスレフポートの形状には風切り音などのノイズを徹底的に排除するために、新開発の「Smooth Flow Port」を採用した。

航空機の翼断面形状に着目して流体解析技術を基に空気の流れを最適化した断面形状は、出口付近の流速を均一にしノイズの発生源となる空気の渦の発生を最小限に抑制。

さらに、ポート表面の突起形状(フィン)は、航空機の翼面にあるボルテックスジェネレーターのように空気の渦を細かく分散することで、ノイズ発生や空気の流れの抵抗を低減する。

これにより大振幅時のノイズを低減するとともに、クリアでレスポンスの良い低域再生が得られるのだ。

SB-C600の主な仕様

外形寸法/幅173×高さ293×奥行き283 mm、約6.3 kg(1本、スピーカーネット含む)
使用スピーカー/15 cmコーン型×1(ウーハー)、2.5 cmドーム型×1(ツィーター)
再生周波数帯域/40 Hz~100 kHz(-10 dB)
出力音圧レベル/83 dB/2.83 V(m)、80 dB/W(m)

関連情報

https://jp.technics.com/products/c600/speaker/

構成/清水眞希

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