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何と読む?覚えておきたい「黄粉」の読み方と意味

2022.02.12

『黄粉』の字面を見ても、何のことだかピンと来ない人もいるかもしれません。黄粉は大豆を原材料として作られる、日本ではおなじみの食べ物です。老若男女問わず愛される『黄粉』の読み方や意味、さらには歴史や代表的なお菓子を紹介します。

黄粉の読み方と意味

漢字が分からないときは、文字それぞれの意味を考えると、分かりやすいかもしれません。『黄色い粉』とはどのような読み方で、何を意味するのでしょうか?詳細を見ていきましょう。

読み方は「きなこ」

『黄粉』と書いて「きなこ」と読みます。「おうふん」「きふん」などとも読めるので、混乱した人もいるかもしれません。『黄粉』のほか、『黄な粉』と書くこともあります。

黄粉は、和菓子によく使われる素材です。オーソドックスなのはお餅に合わせる食べ方ですが、現代では洋風なアレンジにも使われます。ヨーグルトに掛けたり、牛乳と混ぜて『黄粉ドリンク』にしたり、プリンにしたりと、バリエーション豊かなアレンジが見られます。

黄粉という文字が読めなかった人の中にも、「黄粉大好き」という人は多いのではないでしょうか。

大豆を焙煎して製粉したもの

黄粉の原材料は、大豆です。

黄粉を作るときは大豆を220度前後で30秒ほど焙煎し、その後粉砕します。このとき原材料の大豆を丸ごと使うため、栄養分が損なわれにくいのが特徴です。実際のところ、大豆を煎って作った黄粉と生の大豆の栄養価は、ほとんど変わりません。

また黄粉と同様に、大豆を原材料とするのが『大豆粉』です。ただし大豆粉は、生の大豆を粉砕して作られます。そのまま口に入れるのは不可とされており、必ず加熱調理が必要です。

大豆由来の黄粉と大豆粉は、糖質量が少ないことで知られます。糖質制限したい人・ダイエットしたい人には、ぴったりの素材といえるでしょう。

黄粉と書く由来は?

(出典) photo-ac.com

黄粉プリンや黄粉アイスなど、黄粉はあらゆるものに使われています。

日本人にとっては非常に親しみのある食材といえますが、大豆を煎って作った粉がなぜ「黄粉」と呼ばれるのでしょうか?黄粉と書くようになった由来や、黄粉の色について紹介します。

「黄なる粉」が語源とされる

室町時代の上流階級の人々は、大豆を粉状にしたものを『黄色い粉』、すなわち黄粉と呼びました。これが黄粉の語源とされています。

また、黄粉は元々『黄なる粉』と呼ばれていたという説もあります。時代を経て『黄なる』の『る』が抜け落ちて、現在の「きなこ」という呼び方になったそうです。

平安時代の事典『和名類聚抄』には、『未女豆岐(まめつき)』という食材についての記載が見られます。これは大豆を挽いて粉にしたもので、黄粉の原型といえるでしょう。

黄色以外の黄粉もある

『黄色い粉』と書きつつも、黄粉の色は黄色だけではありません。鮮やかなグリーンの黄粉も存在します。一見すると「着色料が入っているのでは?」と不安になりますが、グリーンカラーも大豆由来の自然な色です。

ごく一般的な黄粉は、原材料に子実の種皮・子葉が黄色の『黄大豆』を使っています。一方、グリーンの黄粉に使われるのは、子実の種皮がグリーンの『青大豆』です。製粉しても鮮やかなグリーンカラーが維持されるため、黄粉といいつつも黄色にはなりません。グリーンの黄粉は、『青きな粉』『うぐいすきな粉』と呼ばれます。

ただし、青きな粉が流通しているのは、主に関東より東です。西部地域は一部を除き黄色い黄粉が主流で、青いきな粉はあまり使われません。

黄粉の歴史と今も人気の和菓子

(出典) photo-ac.com

しょう油・みそ・豆腐など、日本には大豆を使った食品がたくさんあります。黄粉もその一つで、特に和菓子には欠かせない材料の一つとして今も親しまれています。

黄粉の歴史と、黄粉を使った代表的なお菓子を紹介します。

大豆は弥生時代に中国から伝来

黄粉の原材料である大豆は、中国原産です。今から約2000年前の弥生時代に、朝鮮半島を経て日本に伝わったといわれます。ただし当時は、似たり焼いたりといった変化のない食べ方が主流だったようです。

奈良時代に入って中国との交易が活性化すると、大豆の加工法も伝わってきます。これにより日本でも、大豆からしょう油やみそなどが作られるようになりました。ただし当時の大豆は貴重品で、一部の上流階級の人しか食べられなかったといいます。

鎌倉時代に入ると、大豆は貴重なタンパク源としてより広く普及します。当時の人々の多くは、仏教徒でした。食肉は忌避される傾向にあり、肉の代わりに大豆で必要な栄養を補っていたのです。

庶民に親しまれるのは江戸時代から

黄粉が広く庶民に食べられるようになったのは、江戸時代に入ってからです。黄粉を使ったお菓子がたくさん登場し、庶民は多彩な食べ方で黄粉の風味を楽しみました。

江戸時代前までのお菓子は高級品で、上流階級の人々のためのものだったといわれます。しかし江戸時代に入ると、庶民の生活に密着したさまざまなお菓子が誕生しました。現在親しまれている和菓子は、ほとんどが江戸時代に考案されたものです。

例えば、江戸自体に生まれた黄粉のお菓子として、『安倍川餅』や『きな粉ねじり』がよく知られています。

黄粉を使った代表的な和菓子

黄粉を使った和菓子は、『安倍川餅』や『きな粉ねじり』以外にもたくさんあります。

例えば、『赤坂もち』は、求肥の餅に黄粉をまぶしたお菓子です。求肥に黒蜜とくるみが練り込んであり、たっぷりの黄粉とともにいただきます。よく似た銘菓として、黒蜜を掛けて食べる『信玄餅』『筑紫餅』なども有名です。

また黒蜜と黄粉を掛けて食べる葛餅も、黄粉と相性のよい和菓子として広く親しまれています。関西は『葛でん粉』の葛餅・関東は『小麦でん粉』の葛餅という違いがありますが、食べ方は同じです。

構成/編集部

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