メルセデス・ベンツは、ベストセラーモデル新型C クラスの3番目のボディタイプとなる「C220d 4MATICオールテレイン」を1月18日より発売すると発表した。
C220d 4MATICオールテレインの主な特徴
C220d 4MATICオールテレインは、SUV譲りの高いアイポイントとロードクリアランス、ステーションワゴンの実用性を兼ね備えたCクラス初のクロスオーバーモデルとなる。四輪駆動システム「4MATIC」など、35年以上にわたるSUV開発の歴史の中で蓄積したオフロード技術を採用し、オールラウンドな走行性能を備えている。
さらにC220d 4MATICオールテレインは、新型Cクラスのデザインを取り入れたエクステリアに、SUVの力強さを表現するシングルルーバーのラジエーターグリルをはじめ、前後バンパー下部のシルバークロームアンダーライドガードやブラックのホイールアーチカバーを取り入れることでSUVらしさを強調。また、専用の18インチ5スポークアルミホイールを採用している。
ボディサイズを全長4,760mm、全幅1,840nn、全高1,495mmとステーションワゴンに比べ+約40mmとすることで高い地上高とアイポイント、乗降のしやすさというSUVの特長を持たせながら、ボディサイズを一般的な駐車場に入るサイズにおさめている。
インテリアは、ダッシュボードを上下2つに分割し、上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置されており、スポーティさを演出。下部には大きなインテリアトリムがあしらわれており、センターコンソールからダッシュボードへと途切れなく続いている。
また、ドライバーを重視することでスポーツ感を強調すべく、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けたデザインが採用されている。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える。
コックピットディスプレイとメディアディスプレイは4つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック、オフロード)と3つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)の中から選択することでカスタマイズすることが可能。
シートの調整スイッチやドアハンドルが配置されたフロントドアのブラックパネルは、エッジがクローム仕上げとなり、ドア表面から浮き上がるようなデザインとなっており、アンビエントライトの照明による上質感を演出している。
インテリジェントドライブ
メルセデス・ベンツの自動運転開発の次のステップとなる技術は、一般道での安全運転支援はもちろんのこと、特に高速道路での運転支援機能により、ドライバーにかかる負担を大きく軽減するシステム。C220d 4MATICオールテレインには、新型Sクラスから搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システムを採用している。
「アクティブステアリングアシスト」
ステレオマルチパーパスカメラだけでなく、360度カメラシステムも車線認識に使用することで、多くのカーブに対応が可能で、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持することができる。
「アクティブエマージェンシーストップアシスト」
ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってからかなりの時間が経過していると判断した場合に警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させる。
「アクティブブレーキアシスト」
交差点や曲がり角での右左折の際に、対向、飛び出し、巻き込みなどにより、車、自転車及び歩行者と衝突する危険がある場合、ドライバーに警告したり自動ブレーキを作動させる。
「緊急回避補助システム」
車両前方にいる車道横断中の歩行者などとの衝突の危険を検知すると、システムが正確なステアリングトルクを計算して、ドライバーのステアリング操作をアシスト。また、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知する。
「アクティブレーンキーピングアシスト」
走行している車線を意図せず逸脱しそうな場合に警告、および進路を修正する。
「アクティブブラインドスポットアシスト」
車両の斜め後ろのミラーでは見にくい死角エリアに車両や自転車がいることを警告し、30km/h以上で走行中に側面衝突の危険がある時に危険回避をサポート。また、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能も作動する。
MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)
C220d 4MATICオールテレインには、12.3インチのワイドディスプレイを採用するインストゥルメントクラスターと、11.9インチの縦型ディスプレイを採用するセンターディスプレイの2画面を標準装備している。
対話型インフォテインメントシステム「MBUX」のボイスコントロールは「Hiハイ, Mercedesメルセデス」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応している。
また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることができる。
ARナビゲーション
AR (Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを標準装備。従来、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされるが、それに加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。これにより、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することができる*。
*:オン/オフの切り替えが可能。オフの場合、従来どおり、地図上の道路をハイライトする画面が表示可能。また、オンの場合は、ARナビゲーションと従来のナビゲーションが同時に表示される。
生体認証(指紋、声)によるシートポジション等の設定
C220d 4MATICオールテレインはドライバーの指紋、声のいずれかの生体認証もしくはPINコードによる認証が可能となっている。どちらかの認証により、シート、ステアリング、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末、ナビゲーションのお気に入り設定などを統合して読み込むことができる*。
*:認証せず、全て個別に手動で設定することも可能。
DIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)
左右のヘッドライトの DIGITALライトは、それぞれ照明モジュールを備えている。このモジュールは130万個の微小な鏡により光を屈折させることで照射方向を定める。このため、片側のヘッドライトあたりの解像度は130万画素となるが、鏡が占める面積は親指の爪ほどの大きさ。この革新的なヘッドライトは、凹面レンズ「DIGITAL LIGHT」のレタリング、ブルーのアクセントも装備され、デザイン性も高められている。
ヘッドライト片側で130万のエリアに分割可能な光を照射するため、きわめて正確な配光が可能となった。これにより、ハイビームアシストが対向車や道路標識に光が当たらないように調整する場合の精度が、従来の84画素の光に比べて精度が大きく高まっており、フォグライトモードやハイウェイライト、シティライトなどの照明が最大限効果的なものとなった。
パワートレイン
C220d 4MATICオールテレインには、エンジン単体で200PS(147kW)、440Nmを発生する、2.0リッターのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジンの「OM654M」が採用される。エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISGによって、短時間、最大で20PS(15kW)、208Nm のブーストが可能で、高トルク、省燃費が売りのクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減に寄与。
なお、C220d 4MATICオールテレインでも「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」を備え、1速から9速までの変速比幅が広くエンジン回転数が大幅に低減されることから、優れたエネルギー効率と快適性を実現している。
さらに、スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えるDYNAMICSELECTの中に専用の「OFFROAD」「OFFROAD+」の2つのモードを加えている。「OFFROAD」では、トランスミッションがオフロードモードに切り替わり、雪道や悪路での走破性を高めてくれる。「OFFROAD+」では、急な下り坂での安定した走行をサポートするだけでなく、上り坂の途中で動けなくなった場合にはリバースを選ぶと安全に下ることができる機能も備えている。
サスペンション
C220d 4MATICオールテレインのサスペンションは、Cクラスで定評のあるフロントに4リンク式、リアにマルチリンク式を踏襲し、最低地上高をステーションワゴンよりも約40mm高く設定している。車高調整をする必要のない、オフロードの走破性とオンロードでの直進安定性や操縦性、乗り心地などを高い次元で成立させたセッティングにしている。
【メーカー希望小売価格(税込)】
■C220d 4MATICオールテレイン(ISG 搭載モデル) ¥7,960,000
※上記のメーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格。また、「自動車リサイクル法」に基づく、リサイクル料金が別途必要となる。
関連情報:https://www.mercedes-benz.co.jp/
構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)