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「破竹の勢い」という言葉の由来は三国志だって知ってた?

2024.04.29

プロスポーツ観戦が好きなら、スポーツニュースで破竹の勢いという表現を聞いたことがあるでしょう。

正しい意味を理解できれば、自分でも話の中で使うことが可能です。破竹の勢いの意味や由来、類義語・対義語について解説します。

破竹の勢いの意味

破竹の勢いとはどのような言葉なのか、まずは意味をしっかりと理解しておきましょう。使い方が分かる例文も紹介します。

止められないほど勢いが激しいこと

『破竹(はちく)の勢い』とは、止めようとしても止められないほど勢いが激しい様子を意味する言葉です。少しでも割れ目が入った竹は一気に縦方向へ割れていくことを由来としています。

破竹の勢いは、スポーツニュースで耳にする機会が多いでしょう。あるチームがリーグ戦で連勝街道を突き進む様子は、まさに破竹の勢いという表現がぴったりです。

ビジネスでも、急成長している会社や他を押しのけて出世する人に対し、破竹の勢いが使われます。単に勢いがあるだけでなく、周囲が追い付けないほどの勢いを持つ点がポイントです。

破竹の勢いを用いた例文

言葉の正しい使い方を覚えるためには、例文をチェックするのがおすすめです。破竹の勢いを使った例文を紹介します。

  • シーズン開幕当初は最下位もあり得ると思っていたが、破竹の勢いで首位チームと1ゲーム差にまで迫ってきた。今日の試合に勝てばついに同率で首位に並ぶ
  • あのベンチャー企業は、今年に入ってから破竹の勢いで業績を伸ばし続けている。今期だけで比較すれば、売上高は名だたる同業他社が足元にも及ばないほどだ
  • 現在我が軍は各地を次々と制圧しており、破竹の勢いがある。あと数日もすれば、敵軍の本拠地も陥落させられるだろう

破竹の勢いの語源は?

(出典) photo-ac.com

破竹の勢いは、中国の古典に由来する故事成語の一つです。語源となった故事の内容について詳しく解説します。

三国志に登場する晋の武将・杜預(とよ)の故事から

破竹の勢いは、晋の武将であった『杜預(とよ)』の故事『晋書・杜預伝』を由来としています。晋とは三国志の後半に登場する新興国です。

三国志では、最終的に晋が呉を滅ぼして三国統一を成し遂げています。晋の政治家として活躍していた杜預は、武将としても呉を倒した名将として知られる人物です。

なお、唐の時代の中国で活躍した詩人『杜甫(とほ)』は、杜預の子孫とされています。杜預自身も、学者として史書の研究に時間を割いていました。

原文では「譬如破竹(ひじょはちく)」と表記

『晋書・杜預伝』では、晋が呉を攻めている際の様子が描かれています。夏場の疫病を防ぐためにいったん様子を見るべきという意見がある中で、杜預は呉の勢いが弱まっていることを察知し、一気に進軍すべきと主張しました。

杜預の言葉は、原文では『今兵威已振、譬如破竹』と表記されています。「我が軍は今や威勢をふるい、例えるなら竹を割るかのような勢いがある」という意味です。

「竹に数節の割れ目を入れれば、刃を入れるだけで簡単に割れてしまう」と続け、攻め続ければ今の呉は滅ぼせると進言しました。晋は呉を、まさに破竹の勢いで攻略したのです。

破竹の勢いの類語表現

(出典) photo-ac.com

破竹の勢いと意味が似ている言葉には、『飛ぶ鳥を落とす勢い』や『日の出の勢い』があります。破竹の勢いと一緒に覚えましょう。

覚えておきたい類語表現

飛ぶ鳥を落とす勢い

破竹の勢いと似た意味の表現には、『飛ぶ鳥を落とす勢い』があります。飛んでいる鳥さえも落とせるほどの勢いがあるという意味です。

ライバルがいるシーンで使われることが多い破竹の勢いと異なり、飛ぶ鳥を落とす勢いは競争相手がいなくても違和感なく使えます。非常に勢いがある点ではどちらも同じです。

『商品が飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている』『あのバンドの人気が飛ぶ鳥を落とす勢いで高まっている』のように使います。勢いがあると感じたときに使いやすい表現です。

日の出の勢い

破竹の勢いの類語としては、『日の出の勢い』も挙げられます。朝日が勢いよく昇り続ける様子から生まれた言葉です。

日の出の勢いは『旭日昇天(きょくじつしょうてん)の勢い』と呼ばれることもあります。旭日は朝日、昇天は天に昇ることです。

会社の業績がアップしていることを表す際にも使えるため、スピーチで役立つでしょう。自社や他社が順調に成長している状況を表現できます。

破竹の勢いの対義語は?

(出典) photo-ac.com

勢いが衰える様子を意味する表現は、破竹の勢いの対義語として扱うことが可能です。代表的な2つの言葉を紹介します。

覚えておきたい対義語

衰退の一途をたどる

破竹の勢いと反対の意味を持つ言葉には、『衰退の一途(すいたいのいっと)をたどる』があります。『衰退』とは勢いが衰えることです。

『一途をたどる』という表現は、ある方向へ常に進行し続ける状態を意味します。衰退の一途をたどるは、単に衰退するのではなく、勢いが衰えていく一方であることを指す表現です。

『崩壊への一途をたどる』や『破滅への一途をたどる』など、一途をたどるは衰退以外にもネガティブな意味の言葉とセットでよく使われます。

斜陽

勢いが衰えていく様子を意味する表現としては、『斜陽(しゃよう)』も挙げられます。太陽が傾くと書くことからも分かるように、栄光から転落していることを意味する言葉です。

長期にわたり需要に減少傾向が見られる産業を『斜陽産業』といいます。

他にも、勢いや活力がある状態から衰えつつあるものには斜陽が使えます。斜陽の代表的な類語は衰退・没落・低迷です。

構成/編集部

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