小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

使ってわかった!高級コンデジと同じ1インチセンサーを搭載した「Xperia PRO-I」の○と×

2022.01.08

■連載/石野純也のガチレビュー

 ソニーのカメラ技術を結集させたXperiaが、ついに登場した。それが、1インチセンサー搭載の「Xperia PRO-I」だ。同モデルには、ソニーの高級コンデジ「RX100 VII」と同じセンサーを搭載しており、像面位相差オートフォーカス(AF)に対応。瞳AFやAF/AEを追従させながらの秒間20枚連写といった、Xperiaが一眼カメラの「α」から受け継いだ機能もそのまま搭載されている。

 レンズはガラスモールド非球面レンズで、F2.0とF4.0を切り替えられる可変絞り機構に対応。センサーサイズは小さくなってしまうが、一般的なハイエンドスマホと同様、超広角や広角カメラより望遠で撮れる標準レンズも搭載する。動画撮影用の新機能として、新たに「Videography Pro」にも対応。ビデオカメラライクなユーザーインターフェイスで、本格的かつ直感的に動画撮影できるのがこの機能の魅力だ。

 デジカメと比べてもそん色ない性能を誇るXperia PRO-Iだが、実際の使い勝手はどうか。スマホとして、カメラとして、それぞれの性能を実機で確認した。なお、レビューは試作段階の端末で行っているため、モバイル通信などの一部機能は利用できていない。そのため、バッテリーの持ちなども検証できていない。この点については、あらかじめご留意いただきたい。

初の1インチセンサーを搭載したXperia PRO-I

想像以上にスマホ然としたデザイン、コンパクトで持ち運びもしやすい

 1インチセンサーを搭載した端末というと、どうしてもデジカメ的なサイズの端末を思い浮かべてしまいがちだが、Xperia PRO-Iはいい意味でスマホの範疇に収まっている。驚くのが、その薄さだ。厚さは8.9mmで、昨今のスマホとしては標準的な数値だが、1インチセンサー搭載機としては異例。フレームに溝がつけてあることで、視覚的にも、触覚的にも数値以上に薄く感じる。ポケットにも収まるスリムさで、重量バランスがよく、持った時の重さも気にならない。

1インチセンサー搭載とは思えないスリムさで、普通のスマホとして使えるサイズ感だ

 背面は、さすがに1インチセンサーを採用した広角カメラが盛り上がっているものの、16mmの超広角カメラと50mmの標準カメラで段がつけられていることもあり、出っ張りが目立ちにくい。1インチセンサーはサイズが大きいぶん、スマホのような薄いボディに載せるとどうしても存在感を主張しがちになってしまうが、それをデザインで上手に隠している。いい意味で、スマホとしてのたたずまいを保った端末と言えるだろう。

メインのカメラはさすがに出っ張っているが、超広角と標準カメラで段差をつけ、厚みをうまく目立たないようにしている

 画面サイズは6.5インチで、21:9と縦に長い4Kワイドディスプレイだ。解像度が高いだけでなく、フレームレートも120Hzと高く、スクロールや動画再生が滑らか。こうしたスペックは、「Xperia 1 III」などのハイエンドモデルと共通している。クリエイターの意図した色を忠実に再現できる「クリエイターモード」では、BT.2020の10ビット入力を利用可能。Netflixなどの対応アプリ起動時に、自動でクリエイターモードに切り替えることもできる。

ディスプレイは4Kで21:9のワイドディスプレイ。クリエイターモードにも対応する

 チップセットにクアルコムのSnapdragon 888 5Gを採用していることもあり、レスポンスは抜群にいい。指の動きに画面の表示がきっちり追従するのはもちろん、アプリの立ち上がりも速い。1インチセンサーのカメラが注目を集めているXperia PRO-Iだが、スマホとして見た時の完成度も高いと言えるだろう。本機では試せていないが、おサイフケータイに対応しているのも普段使いする上でうれしいポイントと言える。このクラスのカメラがポケットに入り、カメラを持ち運ばないようなシーンで気軽に撮影できるのがXperia PRO-Iの魅力だ。

おサイフケータイにも対応。普段使いのスマホとしても活躍する

カメラの作法で撮影できる使い勝手のいいUIで、操作感も良好

 次に、カメラとしての性能を見ていく。まずは使い勝手から。撮影は、αのユーザーインターフェイスをスマホに落とし込んだ「Photography Pro」で行う。Xperia 1 IIIからPhotography Proに「BASIC」モードが統合され、このアプリだけで、スマホ風のタッチパネルでシャッターを切る撮影とデジカメライクなシャッターボタンを使った撮影の両方を楽しめるようになった。Photography Proは、側面のシャッターボタンを長押しするだけで起動する。ハードウエアであるボタンとの連携が図れているのは、カメラにこだわりのあるXperiaならではだ。

専用のシャッターボタンを備え、カメラの起動や半押しでのAFロックなどの操作がスムーズ

 しかもXperia PRO-Iはシャッターボタンの押し心地が、ほかのXperiaとは大きく異なる。ボタンのサイズが大きくなったことに加え、押した際の感触が柔らかくなっているため、半押しでフォーカスをロックしてからシャッターを切りやすくなった。見た目はスマホのようだが、撮影に関しては、フィーリングまでカメラに近づけてようとしている努力が見て取れる。このボタンがあるおかげで、横位置で構えた時の使い勝手が抜群にいい。ユーザーインターフェイスも、デジカメを使ったことがある人には設定しやすく、マニュアル撮影の出番が多くなる。

 Photography Proに対応したXperia 1 II以降のXperiaは、操作感のよさに定評がある。フォーカスが合うのがとにかく速く、カメラを起動したらすぐに撮影できるのはXperiaならではの魅力だ。処理能力を必要とする1インチセンサーの搭載で、この動作速度にマイナスの影響があるかと心配していたが、それは杞憂だった。シャッターボタンを半押しするとAFがあっという間に合い、そのまま指を押し込むだけで写真が撮れる。フォーカスの精度も非常に高く、狙い通りの写真が撮りやすい。

瞬時にフォーカスがしっかり合うため、子どものような動いている被写体を撮りやすい

 連写をオンにしておくと、動いている被写体を捉えやすい。動き回っている子どもやペット、走行中の車や電車などの一瞬を切り取れるのは、フォーカスや露出を合わせながら秒間20枚で連写ができるからだ。撮影した写真はGoogleフォトアプリで確認できるが、連写で撮った写真は1つのサムネール内にまとめて表示されるため、撮影後の確認がしやすい。ベストな1枚だけを保存しておき、残りを削除することも可能。とりあえず連写で撮り、残したい1枚を吟味するといった使い方もできる。

秒間20枚の連写が可能。動きが速すぎると被写体ブレを起こしてしまうこともあるが、ピントは正確に合っている。連写した写真は「バースト」として1つのサムネール内に格納される

スマホのカメラを超えた高い画質を実現、動画撮影も楽しい

 画質は、抜け感のよさが特に評価できる。これは1インチセンサーというより、ガラスモールド非球面レンズのおかげかもしれない。人の肌の階調が非常に滑らかだったり、料理が瑞々しかったり、風景を撮った時のダイナミックレンジが広かったりするのは、Xperia PRO-Iの特徴と言えるだろう。あたかも、高性能なデジカメで撮ったかのような絵作り。夜景を撮った際のノイズの少なさも、1インチセンサーならではといえる。

先に掲載した人物写真だけでなく、料理や風景でも抜け感のある、すっきりとした写真が撮れる。暗い場所の描写も丁寧。夜景撮影はノイズが非常に少なく、締まりのある空と建物のコントラストがキレイだ

 絞りの切り替えも、思いのほか便利だった。以下の写真がわかりやすいと思うが、F2.0で撮ると料理の奥が不必要にボケてしまう。この写真は、もう少し広い範囲にピントを合わせた方が料理を見せたいという、撮り手の意図が伝わるため、F4.0で撮影した方がいい。F4.0にすると、奥側に配置されているキャベツまでボケずにきちんとディテールが写されている。スマホのレンズは明るくするためにF値が低く設定されることがあり、不必要なシーンでボケができてしまうことが多々あったが、こうした失敗を防ぐことができる。

F2.0で撮った写真。右奥のキャベツまで不必要にボケてしまっている

F4.0に切り替えて撮影した写真。ボケは少なくなったが、全体にピントが合って見やすい

 1インチというと、解像度の高さを期待する向きもあるが、Xperia PRO-Iは3つのカメラとも、画素数が1220万画素で統一されている。メインのカメラで撮影しても、1インチのセンサーをフルで使って映像を作り出しているわけではない点には注意が必要だ。そのため、1インチセンサー搭載だからと言ってディテールが精細になったわけではない。拡大すると、それなりに粗は目立つ。

 とはいえ、ピクセルピッチの広さやダイナミックレンジの広さは、1インチセンサーならでは。使用する画素数を絞ったことで、高速な動作が可能になり、薄型化もできていることを考えると、この仕様にした判断は正解だったように思えてくる。特に人物撮影の撮りやすさ、仕上がりのよさは、さすがカメラメーカーでもあるソニーといった印象を受けた。カメラ性能に関しては、トップクラスの端末だといえそうだ。

 ただし、1インチセンサーは接写に弱く、小さい被写体に寄って撮ろうとすると、ピントが合いずらい。以下の作例は寿司を撮ったものだが、これ以上寄ろうとするとピントが合わなかった。これでは寿司のディテールが伝わりづらく、テーブルの写り込みも多いのであまり美しくない。このような場合は、カメラを切り替えて接写すればいい。ただ、広角カメラ以外は一般的なハイエンドスマホと同レベルの仕上がりになるのが少々残念だ。

被写体に寄りすぎるとピントが合わなかった。接写向きではなさそうだ

超広角カメラを使うと接写もできたが、描写力は1インチの広角カメラに比べるとイマイチ

 撮影という観点では、動画撮影がしやすくなったのもXperia PRO-Iの特徴だ。これは、新たに「Videography Pro」を搭載したため。これまでのXperiaにも「Cinematography Pro」というアプリはあったが、こちらは映画撮影用のカメラのユーザーインターフェイスを模したもので、本格的すぎて気軽には使えなかった。Videography Proは、より簡易的なビデオカメラの使い勝手をスマホ上に再現したアプリになる。

新たに搭載されたVideography Proで、簡単かつ本格的な動画撮影を楽しめる

 一般的なスマホのカメラアプリとは異なり、パラメーターを調整した本格的な撮影を楽しめるのがVideography Proを利用するメリットだが、筆者が感心したのはズームの滑らかさ。ピンチイン・アウトでズームをするスマホのカメラアプリだと、倍率が急激に変わってしまいがちだが、Videography Proでは段階的かつ滑らかにズームができる。ズームバーを採用したためで、傾き方でズームの速さを調整できるのが便利。これだけで、ズームを使った動画のクオリティが一段上がるため、ぜひ使ってみてほしい。

 スマホとしての使い勝手はそのままに、1インチカメラとしての撮影性能を融合したXperia PRO-Iだが、ポイントは両方の特徴をバランスよく取り入れたところにある。デジカメをそのままスマホに組み込んだわけではなく、きちんと消化したうえでスマホのカメラに落とし込んでいる点は高く評価できる。その性能ゆえに価格は19万8000円と高いが、スマホとカメラの両方にこだわりのある人には納得できる1台と言えそうだ。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★★
連携&ネットワーク 評価不能
生体認証      ★★★★★
決済機能      評価不能
バッテリーもち   評価不能
*採点は各項目5点満点で判定
*試作機のため、ネットワーク周りやFelicaなどが使えず評価不能です

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年12月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「10インチデジタルメモパッドPRO」! 特集は「ヒット商品総まとめ」、「2022トレンド大予測」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。