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「N700S」が大変身!?今秋開業予定の西九州新幹線「かもめ」新車両が放つ唯一無二のオーラ

2022.01.10

2022年は長崎が変わる!

2022年度秋に開業が予定されている「西九州新幹線」。こちらに使用される車両がこの度、ドドンとお披露目された!

「九州らしい車両に仕上がりました」という、この新幹線。ちょっと他の新幹線車両とはオーラが違うぞ……!?

西九州新幹線はどこを走るの?

そもそも、西九州新幹線はどこを走るのかをまずおさらいしておこう。

西九州新幹線を運行するJR九州は現在、博多〜鹿児島中央間を走る、「九州新幹線」を運行している。

そして今度新しくJR九州の路線に仲間入りする「西九州新幹線」は、その名の通り九州の西部に位置する武雄温泉〜長崎間を走る新路線だ。

西九州新幹線の整備計画としては福岡市と長崎市を結ぶとされているが、まずはこの区間が「新しい新幹線」としてデビューする。

博多から利用しようとすると在来線からの乗り換えが必要だが、利便性は最大限考慮されており、接続駅となる武雄温泉駅では博多〜武雄温泉を走る在来線と武雄温泉〜長崎を走る新幹線が同ホームで乗り換えられる「対面乗り換え方式」を採用し、スムーズに乗り換えができる。

特急列車から名前を引き継いで走る新幹線「かもめ」

さて、そんな西九州新幹線だが列車名は「かもめ」と命名された。

この列車名は今、在来線特急として走っている特急「かもめ」から引き継がれる名前で、長崎を走る列車名としては非常に馴染み深いものだ。

ちなみに九州新幹線を走っている「つばめ」も元々は同じ地域を走っていた在来線特急の列車名を継承している。

また、新幹線「かもめ」に接続する博多〜武雄温泉間の特急列車は、「リレーかもめ」という列車名で運行される予定だ。

なお、現在博多〜長崎間を走っている在来線特急「かもめ」は西九州新幹線開業と合わせて、運行終了となる。

こちらは現在運行中の在来線「かもめ」

やっぱりJR九州はスゴかった! あの「N700S」が大変身!

西九州新幹線を走る車両は「N700S」という新幹線車両で、実はすでに東海道・山陽新幹線で運行中の「N700S」と同系。この車両を元に、西九州新幹線向けにカスタマイズしている。

「N700S」はその設計コンセプトに、高速鉄道における「標準車両」というものがあり、他路線や、海外輸出など、さまざまなニーズに柔軟に対応できる応用性に長けた車両という特徴を持つ。実際、東海道・山陽新幹線の「N700S」は16両編成だが、今回の西九州新幹線向けの「N700S」は6両編成と編成長の調整も容易にできる設計だ。

今回の車両は「N700S」にとって初めての派生車両となり、「標準車両」としての柔軟さが生かされた車両でもある。

こちらは東海道・山陽新幹線で走っている「N700S」

2021年12月22日、報道陣の前にゆっくりと姿を表した西九州新幹線「かもめ」仕様の「N700S」は、東海道・山陽新幹線のそれとは全く異なるデザインで一同びっくり!

たぶん、「これ、N700Sだよ」って言わないとわからないくらい斬新なデザインだ。

この斬新さはJR九州にとっては「お家芸」とも言える得意技で、JR九州を走る観光列車である「D&S列車」や、特急、通勤列車はデザインがユニークなものが多い。

これらのデザインを手がけてきたのが水戸岡鋭治氏だ。

もちろん今回のN700Sも水戸岡氏がデザインしている。そのデザインコンセプトはずばり「九州らしいオンリーワンの車両」だ。

今回もあっと驚く車両だった報道公開。やっぱりJR九州は目立つぜ!

JR九州のコーポレートカラーである「赤」が際立つ

先頭部のロゴマーク。三つの円は長崎、佐賀、福岡の北部九州を表す

黒く縁取られたヘッドライト部にも「KAMOME」の文字が

6両編成の車内を見てみると3両設定される指定席は号車ごとにデザインが異なる。今回は3号車「唐草」のみが公開されたが、このほか1号車は「菊大柄」、2号車は獅子柄となる。

指定席となる3号車の車内。デザインテーマは「唐草」

2+2配列の快適なリクライニングシートで全席に電源コンセントも完備

客室内防犯カメラに大型荷物用の棚など、今の新幹線に求められている装備も抜かりない

自由席は一般的な2+3と横に5列並んだシートレイアウトだが、指定席は2+2配列のゆとりある空間になっており、シートも九州新幹線で活躍中の800系のものをリデザインした九州ならではのシートを採用。内装外装ともに九州に、そして長崎に来ないと利用できない、とっておきの新幹線車両となっている。

また、車内には大型荷物を収納できるスペースや、自由席を含め全席に電源コンセントが備え付けられた。

3号車には授乳スペースとしても利用できる多目的室とバリアフリー対応の大型トイレがある。

様々な制約の中で徹底したオリジナリティを目指した特別な「N700S」

これまでたくさんのJR九州の車両デザインを手かげた水戸岡氏だが、新幹線車両はとにかく制約との戦いだった。

これはカスタマイズしやすい「標準車両」を売りにしたN700Sでも同様で、水戸岡氏も非常に苦心したそう。

新幹線は安全快適にそして高速に、静かに走る性能を実現するべく、極限までブラッシュアップされたサラブレッドのような車両設計になっていることから、「少しでもなにか変えようとすると、新幹線のルール、重量、コストの全部がオーバーしてしまう。ですが、ひとつひとつ丁寧に仕事をすることでオンリーワンの車両を目指しました」と話した。

JR九州の青柳俊彦代表取締役社長も「車体の基本となる部分にも改良を加えようとすると非常に大変な作業になることから、表面的な箇所にこだわりを持った」と語る。

デザインを担当した水戸岡鋭治氏(左)とJR九州青柳俊彦代表取締役社長(右)

車両連結面に取り付けられている「N700S」の銘板

「JR東海が完成させたN700Sという車両に手を加えていくというのは、難しい仕事でしたが、デザイナーとしては非常に大切な仕事でもありました。数々の制約の中、最後の1%のデザインをどう行っていくか。ここにこだわりました。また、ご利用いただいたお客さまがどこで記念写真を撮ってもすぐに『かもめ』だ、ということがわかるよう、至る所に『かもめ』という文字をデザインしています。制約の中でも表面的箇所やテキスタイルデザインを丁寧に行っていくことで、オリジナリティは十分に出るし、オンリーワンは表現できるはずです。西九州新幹線の乗車時間は短いですが、それでもまた乗りたい、そう思っていただける車両になったと思っています」と水戸岡氏はN700Sへの強い思いを語った。

乗降ドアにも「かもめ」のロゴマークが

文字を多用するのは水戸岡デザイン特徴のひとつ

車体に掲げられたこの文字は青柳社長が自ら書いたものをデザイン

西九州新幹線は武雄温泉〜長崎間を速達列車で27分程度、各駅停車は33分程度で運行する予定。(所要時間見込みはいずれも国交相の試算値)

今回公開されたN700Sは6両4編成が製造され、最高時速260kmで走行する。

いよいよスタートする西九州新幹線!

2022年、大きく変わる西九州、そして長崎に大注目だ!!

取材・文/村上悠太

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