登山地図GPSアプリ「YAMAP」のデータからエリア別に集計
登山地図GPSアプリ「YAMAP」を運営するヤマップは「YAMAP」の登頂数(活動日記数)が多かった山をエリア別に集計。その結果に基づき2021年に『登られた山』ランキングを公開した。
調査期間:2021年1月1日〜2021年11月31日
期間中の登頂数をエリア別に集計し人気指数としてスコア化。1位の登頂数を100ptとして2位以下を相対評価
北海道エリア
藻岩山・山頂からの景色
1位 藻岩山(もいわやま) 531m・100pt
2位 三角山(さんかくやま) 311m・65.5pt
3位 樽前山(たるまえさん) 1041m・45.7pt
4位 大倉山(おおくらやま) 307m・43.3pt
5位 旭岳(あさひだけ) 2291m・39.6pt
2021年に北海道エリアで最も登られた山は「藻岩山」となった。夏でも雪が残る北海道の山々は、冬になると登れない場合もあるため、「三角山」「大倉山」など、比較的市街地に近く、札幌の景色を一望できる低山の選ばれやすさが垣間見える結果に。3位に支笏湖をはじめ雄大な景色を堪能できる「樽前山(標高1041m)」、5位に道内最高峰の日本百名山のひとつ「旭岳(標高2291m)」がランクインした。
東北エリア
安達太良山・矢筈森付近
1位 安達太良山(あだたらやま) 福島 1699m・100pt
2位 月山(がっさん) 山形 1984m・66.3pt
3位 栗駒山(くりこまやま) 岩手・宮城・秋田 1627m・64.5pt
4位 磐梯山(ばんだいさん) 福島 1816m・62.3pt
5位 一切経山(いっさいきょうざん) 福島 1949m・54.9pt
東北エリア1位はなだらかで大きな山容をなす福島県の名山「安達太良山」となった。ロープウェイを利用すれば、およそ1時間半で山頂に到着できるため、登山初心者や家族連れでも気軽に登山を楽しむことができる。また、朝日連峰・蔵王など抜群の眺望を楽しめる「月山」が2位。紅葉の絶景・神の絨毯で知られる「栗駒山」は3位に。さらに、猪苗代湖を望む「磐梯山」、コバルトブルーのカルデラ湖・五色沼(魔女の瞳)を望む「一切経山」と続き、東北エリアの雄大な自然景観を代表する名高い山々がランクインした。
関東エリア
高尾山・山頂からの景色
1位 高尾山(たかおさん) 東京 599m・100pt
2位 塔ノ岳(とうのだけ) 神奈川 1490m・46.7pt
3位 筑波山(つくばさん) 茨城 877m・42.3pt
4位 大山(おおやま) 神奈川 1252m・35.4pt
5位 御岳山(みたけさん) 東京 928m・27.4pt
登山者数は世界一ともいわれ、ケーブルカーをはじめ充実した周辺施設を有する「高尾山」が関東エリア1位を獲得。2位には山頂付近の山小屋に宿泊し、初日の出・御来光を拝む人も多い「塔ノ岳」がランクイン。また、相模湾や富士山を望む「大山」が4位。夏の清涼を楽しめるロックガーデンが魅力の「御岳山」が5位に。都心からのアクセス手段も豊富な西東京〜神奈川エリアに多くの人が訪れていることがわかった。
北陸エリア
立山
1位 立山(たてやま) 富山 3015m・100pt
2位 白山(はくさん) 石川・岐阜 2702m・92.5pt
3位 文殊山(もんじゅさん) 福井 363m・65.3pt
4位 荒島岳(あらしまだけ) 福井 1523m・45.8pt
5位 鬼ヶ岳(おにがだけ) 福井 532m・31.1pt
北アルプス北部を代表する連峰であり、別山・浄土山を合わせた立山三山で知られる「立山」が北陸エリア1位に。富山県の小学校・中学校では立山への遠足登山があるところも多いようだ。2位には日本三霊山のひとつである「白山」、3位には標高が低く、小学生が遠足に訪れるほど、市街地にほど近い「文殊山」、4位には今年、没後50年を迎えた「日本百名山」で知られる深田久弥氏ゆかりの山「荒島岳」がランクインした。
甲信越エリア
大菩薩嶺・山頂からの景色
1位 大菩薩嶺(だいぼさつれい) 山梨 2056m・100pt
2位 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ) 長野 2,956m・95.8pt
3位 八方山(はっぽうやま) 長野 2005m・88.6pt
4位 赤岳(あかだけ) 山梨・長野 2899m・87.2pt
5位 蓼科山(たてしなやま) 長野 2531m・75.5pt
標高の高い山々が多い甲信越エリア・最多は、山梨県にある日本百名山であり、富士山・南アルプスなど美しい展望を誇る「大菩薩嶺」が1に。以降、ロープウェイ等もあり初心者でも登りやすい「木曽駒ヶ岳」、リフレクションが美しい八方池を目指す人々が訪れる「八方山」、ルートが豊富な「赤岳」、北八ヶ岳のシンボル「蓼科山」など、大パノラマの絶景を一望できる風光明媚な山々が続く。
東海エリア
猿投山・大岩展望台付近
1位 猿投山(さなげやま) 愛知 628m・100pt
2位 金華山(きんかざん) 岐阜 328m・77.4pt
3位 弥勒山(みろくやま) 愛知・岐阜 436m・47.0pt
4位 鳩吹山(はとぶきやま) 岐阜 313m・40.9pt
5位 本宮山(ほんぐうさん) 愛知 789m・40.4pt
名古屋近郊にある霊山として、古くから多くの人々の信仰を集めてきた「猿投山」が1位に。さらに、織田信長が天下統一の本拠地とした「金華山」、植物園やキャンプ場もあり地元に愛される「弥勒山」、美濃加茂市街地と北アルプスを望む「鳩吹山」と、比較的標高が低く、変化に富んだコースが多い山地特性を有する、東海を代表する山々がランクインする結果に。
近畿エリア
金剛山・山頂
1位 金剛山(こんごうさん) 大阪 1125m・100pt
2位 伊吹山(いぶきやま) 滋賀・岐阜 1377m・36.4pt
3位 六甲山(ろっこうさん) 兵庫 931m・35.8pt
4位 御在所岳(ございしょだけ) 三重 1212m・35.4pt
5位 摩耶山(まやさん) 兵庫 702m・35.3pt
近畿エリア1位は四季を通じて登山者や観光客で賑わう金剛山地の主峰であり豊富なコースを有し、山頂にある時計台とライブカメラがユニークな「金剛山」。2位は、琵琶湖や鈴鹿山脈を一望できる滋賀県の最高峰であり、スキー場跡地のルートもある「伊吹山」、3位は近代登山発祥の地であり、芦屋川駅から有馬温泉に抜けるコースが人気の「六甲山」がランクインした。
中国エリア
大山・山頂からの景色
1位 大山(だいせん) 鳥取 1709m・100pt
2位 右田ヶ岳(みぎたがだけ) 山口 426m・47.3pt
3位 福山(ふくやま) 岡山 302m・39.9pt
4位 竜王山(りゅうおうざん) 山口 613m・31.6pt
5位 弥山(みせん) 広島 535m・30.8pt
中国エリア1位は、大山隠岐国立公園の中心に位置し、エリア最高峰を誇る「大山」だった。2位は、登りやすいコースも多い花こう岩の岩峰「右田ヶ岳」、3位は1234段の階段でも知られる“地元の低山”「福山」がランクイン。世界遺産・厳島神社の観光ついでに訪れる方も多い広島県の山「弥山」も選ばれた。
四国エリア
石鎚山・天狗岳
1位 石鎚山(いしづちさん) 愛媛 1972m・100pt
2位 剣山(つるぎさん) 徳島 1955m・87.3pt
3位 三嶺(みうね) 徳島・高知 1894m・31.9pt
4位 飯野山(いいのやま) 香川 422m・30.6pt
5位 鷲尾山(わしおやま) 高知 303m・20.6pt
四国エリア1位は、西日本最高峰を誇り、紅葉の季節に登山者の増加が顕著な「石鎚山」だった。2位は、頂稜部に広がる草原が魅力の「剣山」。3位はその西方に位置し、稜線上に爽快な笹原が広がる高知県最高峰「三嶺」が入っている。讃岐富士として知られる香川県の山「飯野山」もランクイン。
九州エリア
くじゅう連山・中岳付近
1位 くじゅう連山 大分 1791m・100pt
2位 宝満山(ほうまんざん) 福岡 829m・99.4pt
3位 立花山(たちばなやま) 福岡 367m・54.6pt
4位 福智山(ふくちやま) 福岡 900m・53.6pt
5位 英彦山(ひこさん) 福岡・大分 1199m・51.8pt
九州エリア1位は、九州を代表する名峰を擁する「くじゅう連山」だった。2位は、福岡県内で最も登山者が多いとされ、2020年「鬼滅の刃」のルーツとしても脚光を浴びた「宝満山」、3位は市街地に近く福岡市内を一望できる「立花山」が。日本三大修験道のひとつ・信仰の山としても名高い「英彦山」もランクインした。
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構成/清水眞希