視野数125mmでニコンFXフォーマットのCMOSセンサーを顕微鏡観察に最適化
ニコンの子会社であるニコンソリューションズは、広視野で高解像な6K画像をカラーとモノクロともに1台で取得できる顕微鏡デジタルカメラ、「Digital Sight 10」を2021年12月29日より発売を開始する。
Digital Sight 10
開発の背景
同社によればライフサイエンスに関する研究において、大容量のデータ取得や微細な構造の観察に対応する顕微鏡デジタルカメラに対し、ニーズが高まっているという。
このようなニーズに応えるため、同社では視野数(※)125mmで、ニコンFXフォーマットのCMOSイメージセンサーを採用して顕微鏡観察に最適化した、高解像な6K画像(6000×3984画素)が取得できる顕微鏡デジタルカメラ「Digital Sight 10」を開発。カラーモードとモノクロモードの切りかえ機能を搭載し、1台の顕微鏡デジタルカメラでカラーとモノクロどちらの画像も取得することを可能にした。
※1 顕微鏡から取り出せる像の大きさ。
このカメラと画像統合ソフトウエア「NIS-Elements」(別売)を組み合わせて使用することで、画像の取得から表示、解析ができ、病理診断や創薬研究など、幅広いシーンでの活用が期待できる。
また、同時発表の生物顕微鏡用対物レンズ「CFI プランアポクロマート Lambda D」シリーズと組み合わせることで、色収差がさらに少なく、鮮明な画像が取得できる。
「Digital Sight 10」の主な特徴
1.カラー画像とモノクロ画像を1台で取得可能
1台の顕微鏡デジタルカメラで、カラー画像とモノクロ画像のいずれも取得が可能。単一のセンサーで画像を取得しているため、カラーとモノクロの画像を重ね合わせてもズレを最小限に抑え、形態や位置情報の視認性も向上する。取得する画像の切りかえは、カラーフィルターとモノクロ用IR(赤外線)フィルターを入れかえるだけで簡単に実行できる。
2. 視野数25mmの広視野な画像取得が可能
研究用倒立顕微鏡(※2)、研究用正立顕微鏡(※3)ともに、視野数25mmの広視野で、高解像な画像を一度に取得することがで可能。創薬研究の際のスクリーニングの時間短縮や、病理診断の際には画像のタイリング(※4)に必要な画像取得枚数や撮影時間を低減させ、スループット向上に貢献する。
※2 研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2」シリーズに対応。
※3 研究用正立顕微鏡「ECLIPSE Ni」シリーズ(明視野観察)のみに対応。
※4 隣り合う画像をつなぎあわせ、1枚の広範囲な画像をつくりだす方法。
3.高解像な6K画像で局在解析や微細構造の観察をサポート
視野周辺部まで高解像な6K画像(6000×3984画素)の取得ができ、標本の局在解析や微細構造の観察に最適だ。また、動く標本については、6000×3984画素の画像を9fps、1920×1080画素の画像を66fpsの高速ライブ表示に対応。微細なピント合わせをストレスなく快適に行うことができる。
主な仕様
型式/Digital Sight 10
撮像素子/ニコンFX フォーマット、カラーCMOS イメージセンサー サイズ:35.8×23.8mm
記録画素数/6000×3984画素
ライブ表示モード(※)(最高fps)/全画素モード(6000×3984 画素):9 fps、FullHD モード(1920×1080 画素):66 fps
露光時間/100μ秒~120 秒
レンズマウント/F マウント
インターフェイス/USB3.2GEN1,2(制御PC 接続用)×1、外部同期入出力用×1
※最高フレームレート(fps)は、露光時間により変動します。
関連情報
https://www.nsl.nikon.com/jpn/
構成/清水眞希